おば散歩の楽々絵日記

おばちゃんと呼ばれるお年頃の私が
日常の中で好きな事、楽しかった事の覚書として
絵日記にして綴ります。

鳳凰三山 楽あれば苦有り その4

2015-09-27 | 旅行
アカヌケ沢を出発して、高嶺に向かう間にも風を遮るという程の
樹木もなく、一層雨風を強く感じ始めます。

前後左右、どちらに向かっても同じ様な位置です。
白鳳峠にさえつけば大丈夫!!
そう自分に言い聞かせてゴロゴロ石につまずかない様に進みます。

高嶺近くになり後ろを振り返ると、思っていた以上に
歩いて来たなと実感をしました。
時間を見ると地図時間よりも20分以上のオーバー。
雨対策や渋滞を考えても、これは気が緩み過ぎと思い
カブトの緒を締めなおします。

大きな岩の下りになる頃、すれ違った方に
「これから岩にへばり付きながら降りる事になる」と助言を頂き
ストックはしまいます。ほんの十数秒歩くと正にへばり付くような
コースになっています。

こんな強風の時にココはきついわあ。
何も私を守ってくれる物はありません。
滑らないように、こけないように着実に移動を続けます。



とか言ってると


リュックで平面が広い事もあり、何度も飛ばされながらも
風がおさまる瞬間を狙いながら、ゆっくりと下るしか有りません。
「全く鳳凰散々だ!」
多分この日に50人が心の中で呟いた言葉を
思い切りデカい声を出して文句言っていました。

せめて背中の大荷物を下に投げてしまえば、身一つになるので
どれ程負荷がなくなるかと本気で考えました。
でも私はM・ジョーダンじゃないから、ピンポイントで
シュートを決める事は出来ないので止めておきます。

ゴロゴロ岩場の途中で山慣れしている方に抜かれ、真似をしてみましたが
とてもついていけるものでは有りません。

風に押されて浮石に足をとられたり、蹴つまづいたりを3回目までは数えましたが、
それ以上はもう数えるのをやめました。

このままでは12時台のバスに間に合わないなあ。と弱気になっていましたが
冷静になって考えてみれば、その後もバスはあるし怪我をするより
無事で下山出来ればいいじゃないかと、時間を気にしない事にします。

そしてようやく白鳳峠に到着。ここからは樹林帯ね♪と思いきや
私にとっては味気ないゴロゴロ岩場が続き、やけくそ気味に下ります。

そして視界に入った樹林帯。あああ、やっと着いた~。

そこの手前で、かなり前に私を抜かしたグループがカッパを脱ぐ等の
小休止をしていました。

諦めていたバスですが、この方達も同じバスを目指すとなれば
今から諦める必要もありません。
スピードがほぼ同じ為、そのグループについていく形となります。

自分で道を確認しなくて良いし雨風も無いしで、1時間前に比べて天国と地獄です。
何よりも人と接する事で、どれ程気持ち的に落ち着いた事か。



シラビソの樹林帯はあまり人気がないようですが、樹林帯好きなので
「このコースだけなら登りでも下りでも楽しめるのになあ。今日は
 のんびり出来なくて残念だなあ」と、思える位に余裕ができていました。

先ほど迄の自然と真正面にぶつかっていた事を考えると
梯子や鎖場という人の優しさが身に沁みます。

途中で後ろのグループに抜かされましたが、川の流れる音が
少しづつ大きくなり、下界が近い事を教えてくれています。

そして広河原の登山道に到着。
足元は全く気にせずバス停に向かいます。

「アスファルトって素晴らしい。文明万歳」
その時は心の底からそう思っていたのですが、すでに
山に行きたくなっているから不思議なものです(苦笑)