大昔、真空管アンプキット(ラックスキット)を組み立てました。
出力管に6CA7( EL34)を用いた回路では、標準の5極接続の他、3極接続。UL(ウルトラリニア)も試したことがあります。我流の改造もしました。
シングルアンプ、プッシュプルアンプの動作の相異は分かっているつもりですが、
第三者に分かり易く説明できるようなスキルはありません。
本講座講師製作による全段差動300Bアンプに巡り合い、もうかれこれ20年間愛用しています。
全段差動??
その意味も知らないままここまで来てしましました。
今回の講習会受講をキッカケにして、これまで頭の中でもやもや燻っているもの、至極当前に思っていることを、基本に返って学ぼうと思います。
そう言えば、生涯学習と言う耳障りの良い言葉、近頃はあまり聞かなくなりました。
思いつくままに書き連ね、楽しく言葉遊び(自己添削)をしていれば、ボケの進行を少しは遅く出来るかもしれません。あはっ
○講習会場までの珍道中
講座会場は高崎市「北部公民館」
開始時間は午前10時。
余裕を持って出発しました。
初めて行く場所はナビ任せです。
え、こっち?
どんどん市内中心部に向かっている。
ナビは主要道路を選ぶ。遠回りは当たり前です。
自分のイメージとは全く違う場所に着きました。
「女性向け」らしい講座をやっていました。
「真空管アンプの講座」らしい案内はありませんでした。
ここは「北公民館」
え?!
「目的地の設定」を間違えてました。
10分ほど遅刻して講習会場に着きました。😅
○講習会
もう始まってました。
1名欠席。受講生は5名でした。
自己紹介がありました。
電子回路に詳しい方もいらっしゃいます。
自分が最年長らしい。
オーディオは今や絶滅危惧種状態。
慣れ親しんだオーディオ雑誌は廃刊になってしまった。
若い人はいないだろうと予想していました。
受講生の中に学生さんがいました。嬉しかった。
女性はいませんでした。
用意されていたのは
マニュアル等 段ボール(パーツ一式)
段ボールの中身
この画像にはありませんが、シャーシーと側板が入っていました。
マニュアル、真空管データ集、群馬デザインカタログ2021
群馬デザインカタログ2021
本講座講師の設計・製作「スピーカーシステム玄兎セット」(kitten Sound Ateelier )が選定されています。
日本の伝統工芸、木組、漆塗り技術を生かした逸品です。
「宵待月!」(製作マニュアル)
○交流と直流
家庭用電気(電力)は、発電所から送電線で送られてきます。交流です。
交流は直流に比べて、伝送時のロスが少なく、長距離伝送に適しているのです。
交流は一定間隔で「プラス、マイナス」が入れ替る。
1秒間に入れ替わる回数を「周波数(サイクル)」と呼びます。
東日本の周波数は50サイクル(50回/秒)、西日本の周波数は60サイクルです。
発電機は輸入品でした。東京(関東地方)と関西地方では周波数の異なる発電機だったのです。その当時の行き違いが未だに尾を引いているのです。
以前の電気製品は50Hz用、60Hz用と区別されているものがありました。
関東で使っていた電気製品はそのままでは関西で使えないケースもありました。
(昔の)蛍光灯のチラツキ回数は交流の周波数と同じ。西日本の方のがチラツキは目立たちません。
オーディオの場合、60Hzの方が望ましいことが多く、西日本が羨ましい。
送電線で送られてくる高圧交流66000V(実効値、以下省略)は変電所で電圧が6600V落とされ電柱電線で各地に送られます。そのまま家庭で使うには高すぎるので、電柱上のトランスで200V(三相?)で変換し、家庭に送られます。
家庭では、単相(二相)200Vと単相100Vとして利用する。
配電盤で切り替えているようだけど、どんな構造になっているのかな〜
ネットで調べてみよう。
(一寸、道草)
LPレコードプレイヤーの回転は、LPレコード用33.3回転/分、EPレコード(ドオナツ盤)用45回転/分に正確に合わせないと、音程が狂います。音の良し悪し以前の重要な問題です。
LPレコードプレイヤーのターンテーブルの外周部に刻み列がある場合が多い。
刻み列にストロボを当て、その刻みがあたかも止まっているかのように、回転数を調整する。
ストロボの点滅回数は交流の周波数と同じです。
レコードの回転は2種類、日本の交流周波数は2種類。つまり、日本でどこでも使えるようにするにはターンテーブルの刻みは4列必要となります
○白熱電球
エジソン電球は炭化した竹の繊維フィラメント(抵抗)に電流を流すと発熱し、高温になる。高温体からは光が出る。
竹の繊維を用いたフィラメントは瞬時に燃え尽きてしまう。
燃えるとは酸素と急激に結合する現象。酸化と言います。
フィラメントを燃えなようにすれば良い。酸化しないようにすれば良い。
酸素のない状態にすれば良い。
真空状態でフィラメントを熱すれば酸化しない。長時間の発光が可能となります。
光を取り出すには透明なケースに入れなければならない。
フィラメントを真空状態のガラスケースに封印したのが白熱電球です。
○真空管
真空管は空気を抜いた真空にしたガラス管の中に素子を封入したものです。
電子(マイナス粒子)は真空中では動き易くなります。
真空度を長期間維持するためのノウハウが凝縮されています。
○二極真空管の動作原理
二極真空管はカソードとプレートで構成されている。カソードを加熱すると電子が飛び出してプレートに向かう。
電流は電子の流れと逆方向。電流はプレートからカソードに向かって流れる。
交流の場合、プレートは「➕➖」を繰り返している。
「➖」時はどうなるか。「➖粒子である電子」は跳ね返されるので、電流は流れない。
電流は「プレート ⏩ カソード」の一方向に流れる。
二極真空管は交流を直流に変える「整流管」と呼ばれます。
あれ、待って〜、
この場合、交流の半分は使えるけれど、残りは使えない。勿体無くない?
二本の整流管を逆相に繋げば、無駄なく、2倍の電力が取り出せるんじゃない?
待って〜 直流に変換できるけれど、
電圧が一定に保てない。出力が途切れることがありそう。
これじゃ困る。一旦、何処かに貯めておいて、電圧を揃えて、連続出力できるようにしなければならない。
二つの整流管を同じ真空管に閉じ込めた「双二極管」ってないの?
講師先生に訊ねましょう。
愛用のプリアンプ、パワーアンプの整流管を見てみました。
交流の上下を無駄なく使っているようです。
プリアンプに使っている整流管一本、7本足でした、「傍熱型全波整流管」と思われます。
パワーアンプは一チャンネル当たり二本の整流管を使っています。真空管の真上にプレートがある「半波整流管」です。足は何と11本ありました。半波整流管を二本
傍熱ヒーター用足が付いているとはいえ多い。この数は何を意味しているのでしょう。
講師先生に訊ねましょう。
○三極真空管の増幅原理
カソードとプレートの間にグリッド(穴空き板)を挟んだ三極構造です。
グリッドを「ー」にすると、カソードから出る電子の一部は跳ね返される。結果として、プレートからカソードに流れる電流は減ります。
グリッド電圧を変えると、プレートとカソード間の電流量が変わる。
言い換えれば、グリッド電圧でプレートとカソードの電流を制御できます。
車を比喩として使えば、アクセル(グリッド電圧)の踏み加減で、エンジン出力(電流)をコントロールするようなものでしょうか。
電圧と電流は別。これって増幅って言えるの
講師先生に訊ねましょう。
(一寸、道草)MC型カートリッジ用昇圧トランス
LPプレイヤーカートリッジには、大別してMM型カートリッジとMC型カートリッジがあります。ここではその構造、仕組みには触れません。
真空管フォノイコライザーはMM型しか対応していない場合が多い。
MC型カートリッジの出力電圧はMM型カートリッジの出力電圧の十分の1程度低い。真空管フォノイコライザーはMC型カートリッジが使えるように増幅率を上げると、十分なSN(サウンド/ノイズ)比が取れないからです。
そこで考え出されたのが昇圧トランスです。入力部の巻き線に対し出力部の巻き線数を増やして、電圧を上げ、MC型カートリッジでもMM型フォノイコライザーで使えるようにしたのです。
電流量はその分減る。周囲からの影響を受け易い。使い勝手上の課題を増やすことになりました。
半導体が使われるようになって、MC型フォノイコライザーが作られるようになり、使い勝手は著しく向上しました。
これについては、
(話戻って)
グリッドを「+」にしたら、どうなるの?
講師先生に訊ねましょう。
○シングルアンプ
増幅素子(真空管)の動作曲線上の直線部分A級のみを使う。変換効率悪い。
高出力アンプを作るには大型の送信菅、大容量の出力トランスが必要になり、必然的に大型アンプになる。
出力トランスに流れる直流に磁気化があり、低域の特性が悪くなる。
講師先生に訊ねましょう。
○プッシュプルアンプ
プッシュプルアンプは二つのシングルアンプを逆相にした合わせた鏡みたいなものなのだろうか。
シングルアンプとプッシュプルアンプの動作原理の違いについて
講師先生に尋ねましょう。
増幅素子(真空管)の動作曲線の直線部分A級を越えた部分AB級も使う。変換効率良い。
出力トランスは磁気化の心配がなく、低域特性も良い。トランスも小さくて良い。
何故?
シングルアンプ用出力トランスとプッシュプルアンプ用出力トランスは構造が違う。
巻き線の違いにありそう。
講師先生に訊ねましょう。
大出力アンプでも小型化が可能。
シングルアンプでもプッシュプルアンプでも増幅時に歪みが出る。
プッシュプル回路は偶数歪は打ち消し合う。歪みは減る。
二人三脚に喩えるなら、二人の息をピッタリ合わせなければならない。これが難しい。
○定電流回路と差動アンプ
決まった水流(定電流)のホースがある。その先が2本のホースに枝分かれしている。その一本を足で踏むと水量は減る。もう一本のホースを流れる水流はその減った部分が流れ込み増える。減った量と増えた量が完全に一致する。
同じ回路内の一つの電流量を減らせば、残りの一方の電流量はその分が増える。
定電流回路は具体的にどう作るの?
定電圧回路もあるようだけれど、どう違うの?
講師先生に訊ねましょう。
差動アンプは定電流回路の2本の支線の電流量の正確な差を活かしたものらしい。
差動アンプは一体の二人三脚回路、プッシュプル動作が完全になる。
A級の範囲で動作するらしい。AB級プッシュプルアンプよりは効率は落ちる。
AB級差動アンプはできないの?
講師先生に訊ねましょう。
全段差動アンプはA級アンプ。シングルアンプに似た音がすると言う。
低域の制動力に違いがあると思う。大型スピーカーではその違いがはっきり出るのではと想像します。
真空管アンプはシングルアンプが好ましいと思う愛好家はいる。全段差動アンプをどう評価するだろうか。
○二段増幅
増幅段数を増やせば、増幅率は上がる。しかし、歪みも増える。
二段増幅なら、逆相?で繋げば、歪みが打ち消せる???
二段増幅なら、位相回転が抑えられ、発振の心配もない。
講師先生に尋ねましょう。
○一寸、横道。怖い話。
真空管は過去の遺物か? いや違うようです。
戦術核が使われると強い電磁パルスが生じる。半導体は電子パルスに弱く、一気に機能不全となる。
しかし、真空管は強い。
アメリカ、ロシアの軍事大国は今も真空管を作っている。超小型真空管の存在理由は軍需向け?
二台の完成品 右は側板漆塗装
○オプション(漆塗装)
シャーシーはアルミ製。市販のスプレイのアクリル吹き付け塗装で良いかもしれない。
側板は桜無垢材。アクリル塗装、無塗装と言う選択肢も
自分は見栄えを優先し、シャーシー、側板は共に「漆塗り」をオーダーしました。
「麗しの真空管アンプ」になれるかどうかは、配線次第になりそうです。
漆塗装の乾燥時間は長い。
次の講習会(第2回)は2週間後 10月9日(日曜)です。
○あっち、こっちで、「講師先生に訊いてみよう」と書いたのだけれど、
その前に「分からないのが分かる」でないと、頓珍漢な質問になるし、説明を聞いてもホントのことは分からず終いになる。
今はネット時代、下調べ位はしないといけないと思う。
若い頃は面白い本に出会うと夜通しで読み終えたものだけれど、今は一章づつしか読めなくなってしまった。根気がなくなった。