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全段差動300Bプッシュプルアンプ 

元記事
全段差動300Bプッシュプル「メインアンプ」
2020-10-21 08:06:18 | オーディオ
を再編集中

○転機 
 JBLのスピーカーユニットとラックスの真空管アンプを組み合わせたマルチアンプドライブスピーカーシステムでは自分の求める音は出せませんでした。
 既製品ALTEC620Bを入手し、これまでの苦労は徒労であったことを知りました。
 ALTEC620Bをベースに新たな道を探り始めました。

 友人製作の全段差動300Bプッシュプルアンプを聴く機会がありました。
 市販品にある妥協を排し、理想を具現化した製作者自身用渾身アンプ。

 ALTEC620Bのマルチアンプ駆動用として、2台の製作を依頼しました。

○製作年:2000年頃。
 製作者が最も力を入れているのは電源部。
 二台の電源トランスを並列化、4本の半波整流管。余裕綽々
 電源部シャーシー内はチョークトランス等で一杯。リップルの徹底除去。
 これを電源部を土台に音声増幅回路は完全に分離された2チャンネルアンプ。
 アンプの長期的な安定動作を最優先しています。
 熱によるパーツの劣化を防ぐため、放熱ダクトと放熱フィンを要所には配しています。
 真空管の寿命を伸ばすため、定格出力は余力を残した設計になっています。
 電源が安定するまでアンプ部に電流が流れないように「遅延回路」を内蔵しています。
 かれこれ、20年、故障知らずで使用しています。

○回路
 全段差動真空管プッシュプル
「情熱の真空管」の著者ぺるけさんの全段差動真空管アンプにインスピレーションを受けたようです。
 民生用管球式アンプでは珍しい完全バランス回路。
 位相回転を抑えるため、二段増幅です。このため増幅率は低く、プリアンプでの増幅が必要です。増幅のないアッテネーターは向きません。
・入力端子:バランス入力端子 2組 
・入力ボリューム:なし
・出力端子:スピーカー出力端子 2組

○主要使用パーツ(2チャンネル仕様)
・位相反転&増幅管:407A  4本 WE製
・出力管:300B  4本 JJ製 
 特性表添付あり データは4本とも揃っているのでペア組する必要はありません。
 フイラメントの吊り形式はWEと同じ釣竿式。中国管に多いバネ釣り式と比べて不良率は低い。
 定格より控え目に使っていることもありますが、これまでノントラブルです。ゲッターも十分残っています。    
・出力トランス&電源トランス:タムラ製。型番失念。今は廃番になっているようです。 
・整流管: 6D22S(半波整流管)4本 Svetlana製
・内部配線:音声増幅回路には銀線(テフロンチューブ)を使っています。

○性能等 
・定格出力:17W位 ✖️ 2 
・入力感度:7V?
・再生周波数:不明 管球アンプとしては非常に広帯域と思います。
・外形寸法:幅(放熱フィン含む)80cm、奥行き(放熱フィン、取手含む)73cm、高さ(脚なし)29cm
・重量:未測定。(非常に重い)

○補足説明
①アンプの特徴
 バランス出力のあるプリアンプと組み合わせることを前提としたパワー(メイン)・アンプです。
②入力感度:7V位(低い) 
 プリアンプの増幅が必須
③入力ボリューム:なし 
 プリアンプのボリュームで音量をコントロールする。
④電源SW:なし 
 電源ケーブルは増幅段と出力段用の二本ありますが、切るときは一度に同時に切らねばなりません。100V電源タップのスイッチでオンオフしています。
⑤外観:無骨そのものです。
 側板(欅?)は軽井沢彫の拭き漆仕上げ。ラックマウント風フロントパネルは牛革貼りと凝っています。
 フロントパネルには取っ手が付いていますが、実用性はありません。アクセント飾りに近い。
 脚はありません。ALTEC620Bの上に紫檀製キューブを並べ、その上に載せています。

◯音質評価:言うことなし。
 特質すべきは非常に静かなアンプと言うことです。効率103db/w・m のALTEC620Bのホーン部に耳を付けても残留雑音はほとんど感じられません。
 所有アンプの中では半導体アンプも含め、S/N比の高さは圧倒的です。

 往年の名真空管アンプは残留雑音が気になるものが多い。真空管アンプも設計次第で大きく改善するようです。

設置場所:ALTEC 620Bの上
 大きく重い。市販のオーディオラックには載らない。
 床置きすればそれなりの面積が必要。スペース効率を考えれば、ALTEC 620Bの上しか選択肢はありません。

 マルチアンプは途中で諦めました。
 ALTEC 620Bの内蔵ネットワークの一部改良した「バイアンプ」時代もありました。電力許容オーバーでブレーカーが頻繁に落ちるため、今は普通のシングルドライブ形式に戻しています。
 使用アンプは一台。二台を交互に換えながら使用しています。

○バイアンプ
 ALTEC 620Bウーファーとホーンドライバーを内蔵ネットワークを生かして。2台のパワーアンプで駆動する。
 クロスオーバー周波数、カットオフカーブはスピーカー内蔵のネットワークで固定されています。
 スピーカー単体を別々のアンプで駆動する。ホーンドライバーを担当するアンプはウーファーからの逆起電力の影響を受けません。その結果、アンプへの負荷が減り、駆動力が高まる。少し贅沢なシステムです。

          フロントグリル:黒の牛革貼り

上:ブルーLED点灯、遅延回路解除済み、正常動作中
下:赤LED点灯、電源ON
      
 真空管300B保護のため、遅延回路が内蔵されている。
 中央に立っている4本の真空管が半波整流管。遅延回路的動作をする。
 白い直方体は電源トランス。その後ろの黒い直方体は出力トランス。その横に立っているのが300B真空管。位相反転&増幅管は小さくて見えない。

              上面

 アンプは二区画に大きく分かれている。
 手前側のフラットに見える部分が電源部。 
 連続する四角い穴はアルミ製の放熱穴、電源部の放熱用。
 その外側が側板(軽井沢彫・漆塗り)
 後ろに一段高くなっている部分がアンプ部。
 出力トランスと出力管300Bに間に挟めれた2本の小型真空管が407A。
 横に羽のように広がっているのがアルミ製放熱フィン。アンプ部の放熱用。

          同上 (角度を変えて)

   左から 300B   407A タムラ製出力トランス

             斜め横からの画像

 漆塗りの軽井沢彫の側板、アルミ製放熱穴が分かる。
 上部メーター:VU計 出力確認用 通常音量では針は動きません
 下部メーター:電流計 真空管300Bバイアス電流調整用?

○アンプ背面 画像なし(置き場所が狭く、撮影できませんでした)
 バランス入力端子、スピーカー端子、電源ケーブル接続端子、放熱板あり
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