上北沢暗室雑記帳

写真に関するよしなしごとを

青いロマンスカー

2008年07月10日 00時12分38秒 | テツ

 我が家の一周年ということで、箱根リベンジ。こんどは準備万端、夕方近い便ではあるがロマンスカーの展望席最前列を一ヶ月以上前にネットで予約してあった。しかし!!。前日にネット予約の控えを見て呆然とした。予約後3日以内に特急券を買わないといけなかったらしい。がーーん。
 宿は取ってあるので気を取り直し、せっかくだから青いロマンスカーにでも乗ってみるかと思ったがちょうどいい時間帯になく、結局LSEの一番後ろの展望席をゲットした。日曜の夕方なのに結構混んでいたが、町田を過ぎるとガラガラになった。ガラガラなのに、最前列、否、最後列だけは我々含め乗客が横一列にずらり。小田原から湯本までは案の定、貸し切り状態。紫陽花が美しい。


 宿は、箱根富●屋ホテルの、ネットで出ていたちょっと上等なプランにしてみた。ら、本館エントランスの真上の部屋に通された。これは恐れ入った。重要文化財だけに室内禁煙で、玄関脇のテラスみたいなところまでいちいち煙草を吸いにいったが、そこに七夕の笹が立ててあったので、カシオペアスイートがとれますように、なんて低俗な願い事を上げてみたりした。今月末、10年ぶりに東川のフォトフェスタに行こうとしていて、往路カシオペアのツアーになぞ申し込んだのだがあえなく飛行機になってしまったところ。次の機会には是非。
 テラスには猿と蛇の彫り物があった。




 こちらは食堂の柱の根元の飾り。伝統ある宿だけに、館内は見所いっぱい。お庭の散歩は夕食後の暗い中になってしまったが、おかげで蛍が見られた。もちろん食事も最高。ただし、伝統ある建物だけにいろんな音がよく聞こえる。部屋の前の階段を行儀悪く上ってくる足音に、寝入りばな起こされてしまった。

 翌日は、大涌谷の方を周遊してみた。これまで箱根はつまみ食いのようにしか来てなくて、全貌がいまいちよくわかっていないので。
 まずは昨年同様、湯本まで荷物を預けに行ってから強羅へ。月曜なのに登山電車は混んでいた。大半が宮ノ下で降りていったが、どこに行くんだろう。
 強羅でさくっとケーブルカーに乗り換え。去年は写真美術館まで少しだけ沿線を歩いて写真だけ撮ったやつだ。乗り込んでみると大きなガラス張りで実にパノラミックな車窓。


10分足らずで終点、早雲山。今度はロープウェイ。こちらはスキーのゴンドラのように一分間隔で次々とやってくる。2本のロープにぶら下がった、風に強いタイプらしい。車内には団扇が常備されていたが、今日は傘が手放せない天気で日差しはなく、用はない。上りの終点、大涌谷のすぐ手前で、急に足下の景色が木々の緑から硫黄の黄色に変貌したのには絶句した。こんなところだったのか。


 観光バスから湧いて出た人の群れが、そこここに湯気の立ち上る斜面を、黒卵求めてよじ登っていく様を遠くにひとしきり眺めた後、香港あたりからの団体客に巻き込まれぬようにそそくさと下りのロープウェイへ。右前方の富士山は雲がかかっている。芦ノ湖の湖面がみるみる近づいてきて、終点、桃源台。


 ここで飯を食っている間に、引き離した団体客に追いつかれ、芦ノ湖横断の海賊船で一緒になる。出港前後の甲板上は小雨にもかかわらず大変な賑わいだったが、船室にはゆとりがあって、あとはたんたんと流れゆく湖岸風景を眺めているうちに元箱根港へ。


 20分後、こんどは旧街道経由のバスへ。バス停3つくらい歩いて、旧街道の石畳でも見てみるかと色気を出しかけたが、やめておいてよかった。結構遠かった。普通サイズの路線バスがワインディングをぶりぶり上り下りするのを最後列の席で眺めるのはなかなか楽しかった。こういうところは自分で運転すると、景色が全然見られない。
 思いのほか短時間で湯本に着いて、箱根一週はこれにて終了。わずか半日のうちにほんとにいろんな乗り物に乗ったな。帰りの電車まで1時間半ほど、お茶してから、雨の中、登山電車を撮ったりして時間つぶし。3回ほど待ってうまく止まってくれたのは1枚だけ。。もう少しアップがよかったな。


 帰りは、いよいよ青いロマンスカー。VSEが車検中でその代打なんだとか。新築住宅のような接着剤の匂いがうっすら漂う車内で、きょろきょろするのも束の間、ほとんど居眠りして帰ってきてしまった。

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