６．湖の上を歩く （からし種）
マルコ６：４５－５２（湖の上を歩く）
「イエスはすぐ彼らと話し始めて，
『安心しなさい。わたしだ。
恐れることはない。』と言われた。」
（マルコ６：５０）
Ⅰ
（マルコ６：３０－４４）
（５千人に食べ物を与える）
イエスさまの弟子たちも，
イエスさまと共にいることによって
もたらされる豊かさや平和や喜びが，
どこからもたらされているのかに
気づいていませんでした。
イエスさまは，
人々の病や突風を鎮（しず）めます。
５千人の給食においては，
パンは５個，魚は２匹という
絶対的な欠乏の下にありました。
そして，イエスさまは男だけで５千人に
十分にパンと魚をお与えになります。
すべての人が満腹しました。
「イエスは５つのパンと２匹の魚を取り，
天を仰いで讃美の祈りを唱え，
パンを裂いて，弟子たちに渡して配らせ，
２匹の魚も皆に分配された。
すべての人が食べて満腹した。
そして，パンの屑（くず）と
魚の残りを集めると，
１２の籠（かご）にいっぱいになった。
パンを食べた人は男が５千人であった。」
（マルコ６：４１－４４）
１２の籠には，
パン屑と魚の残りで一杯になりました。
１２の籠とは，
１２人の弟子たちが持った
一つ一つの籠であったのでしょう。
１２人の弟子たちは，
その籠の重みを
ずっしりと感じていたはずです。
しかし，
その重みがどこからもたらされたかに
気づきませんでした。
弟子たちは，
「パンの出来事を理解せず，
心が鈍くなっていたからである」
（マルコ６：５２）とあります。
Ⅱ
（マルコ６：４５－５２ 湖の上を歩く）
そこで，イエスさまは，
この弟子たちを強いて舟に乗せられます。
弟子たちの乗った舟は逆風のために
漕（こ）ぎ悩みます。
その様子をイエスさまは，
祈りのために登られた山から
見ておられました。
つぎに，イエスさまは，
「湖の上を歩いて，
弟子たちのところに行き，
そばを通り過ぎようとされた。
弟子たちは，
イエスが湖上（こじょう）を
歩いているのを見て，
幽霊だと思い，大声で叫んだ。
皆はイエスを見ておびえたのである。」
（マルコ６：４８ｂ－５０）
弟子たちが
イエスさまが湖の上を歩いているのを
見ておびえたのは，
イエスさまが神様として病人を癒し，
突風を鎮め，
大群衆に十分な食べ物を
お与えになったことを
理解していなかったからです。
このおびえている弟子たちに，
イエスさまは全能の神様として
「通り過ぎる」（マルコ６：４８）
ことによって自らを現されます。
「通り過ぎる」とは見過ごすことではなく，
神様が自らをお示しになることです。
出エジプト記では，モーセは神様から
「わたしが通り過ぎるまで，
わたしの手であなたを覆（おお）う」
（出エジプト３３：２２）
と告げられます。
エリヤは列王記上１９章１１節で，
通り過ぎていかれる
主なる神様と出会います。
イエスさまは神様として，
漕ぎ悩んでいる弟子たちの所に
来てくださいました。
そして，
「安心しなさい。
わたしだ。恐れることはない」
（マルコ６：５０）
とおしゃいましいました。
漕ぎ悩んでいる者，
苦しみの悩みの中にある者に，
イエスさまは
「安心しなさい。
わたしだ。恐れることはない」
とおっしゃっています。
イエスさまが，舟に乗り込まれると，
嵐は静まりました。
☆彡
マルコ６：４５－５２
（湖の上を歩く）
それからすぐ，
イエスは弟子たちを強いて舟に乗せ，
向こう岸のベトサイダへ先に行かせ，
その間に御自分は群衆を解散させられた。
群衆と別れてから，
祈るために山へ行かれた。
夕方になると，
舟は湖の真ん中に出ていたが，
イエスだけは陸地におられた。
ところが，
逆風のために弟子たちが漕ぎ悩んでいるのを見て，
夜が明けるころ，
湖の上を歩いて弟子たちのところに行き，
そばを通り過ぎようとされた。
弟子たちは，
イエスが湖上を歩いておられるのを見て，
幽霊だと思い，大声で叫んだ。
皆はイエスを見ておびえたのである。
しかし，イエスはすぐ彼らと話し始めて，
「安心しなさい。
わたしだ。恐れることはない」と言われた。
イエスが舟に乗り込まれると，
風は静まり，
弟子たちは心の中で非常に驚いた。
パンの出来事を理解せず，
心が鈍くなっていたからである。
（２００６年８月２６日）
