2024.10.27 雅歌
解釈ではなく,
聖書の箇所を
ヒントに想起(思い浮かべ)
しました。
○
あなたの名
(雅歌1:1-4)新共同訳
「ソロモンの雅歌。
どうかあの方が,
その口のくちづけをもって
わたしに
くちづけしてくださるように。
ぶどう酒にもまして
あなたの愛は快く
あなたの香油,
流れるその香油のように
あなたの名はかぐわしい。
おとめたちは
あなたを慕っています。
お誘いください,わたしを。
急ぎましょう,王様
わたしをお部屋に
伴ってください。」
「あなたの名」は
イエスの人格と業を
示しているように思われます。
パウロはイエスを次のように述べます。
(ピリピ2:6-11)新共同訳
「キリストは,
神の身分でありながら,
神と等しい者であることに
固執しようとは思わず,
かえって自分を無にして,
僕の身分になり,
人間と同じ者になられました。
人間の姿で現れ,
へりくだって,
死に至るまで,
それも十字架の死に至るまで
従順でした。
このため,
神はキリストを高く上げ,
あらゆる名にまさる名を
お与えになりました。
こうして,
天上のもの,地上のもの,
地下のものがすべて,
イエスの御名にひざまずき,
すべての舌が,
『イエス・キリストは主である』
と公に宣べて,
父である神をたたえるのです。」
パウロはピリピの手紙で,
イエスの業を説明します。
イエス・キリストの
受肉,へりくだり,十字架,復活,
高挙,神の右の座を
思い浮かべます。
☆
「愛」について
パウロは次のように言います。
(1コリント13:4-6)
新共同訳
「愛は忍耐強い。愛は情け深い。
ねたまない。
愛は自慢せず,高ぶらない。
礼を失せず,自分の利益を求めず,
いらだたず,恨みを抱かない。
不義を喜ばず,真実を喜ぶ。」
(ガラテヤ5:6)新共同訳
「キリスト・イエスに
結ばれていれば,
割礼の有無は問題ではなく,
愛の実践を伴う
信仰こそ大切です。」
雅歌1:4は信仰の従順を思います。
(ローマ1:5-7)新共同訳
「わたしたちはこの方により,
その御名を広めてすべての異邦人を
信仰による従順へと導くために,
恵みを受けて使徒とされました。
この異邦人の中に,
イエス・キリストの
ものとなるように
召されたあなたがたもいるのです。 ―
神に愛され,
召されて聖なる者となった
ローマの人たち一同へ。
わたしたちの父である神と
主イエス・キリストからの恵みと平和が,
あなたがたにあるように。」
○
黒いけれども愛らしい
(雅歌1:5)新共同訳
「エルサレムのおとめたちよ
わたしは黒いけれども愛らしい。
ケダルの天幕,
ソロモンの幕屋のように。」
「黒い」罪は,
イエスによって許されます。
(1ヨハネ1:7)新共同訳
「神が光の中におられるように,
わたしたちが光の中を歩むなら,
互いに交わりを持ち,
御子イエスの血によって
あらゆる罪から清められます。」
○
愛を呼びさます
(雅歌2:7)新共同訳
「エルサレムのおとめたちよ
野のかもしか,
雌鹿にかけて誓ってください
愛がそれを望むまでは
愛を呼びさまさないと。」
(エレミヤ31:3)新共同訳
「遠くから,
主はわたしに現れた。
わたしは,
とこしえの愛をもって
あなたを愛し
変わることなく慈しみを注ぐ。」
愛は,旧約聖書では,ユダヤ人に現れます。
エレミヤは次のように預言します。
(ヨハネ13:1)新共同訳
「過越祭の前のことである。
イエスは,
この世から父のもとへ移る
御自分の時が来たことを悟り,
世にいる弟子たちを愛して,
この上なく愛し抜かれた。」
(ガラテヤ5:6)新共同訳
「キリスト・イエスに結ばれていれば,
割礼の有無は問題ではなく,
愛の実践を伴う信仰こそ大切です。」
(ガラテヤ5:22,23)新共同訳
「これに対して,霊の結ぶ実は愛であり,
喜び,平和,寛容,親切,善意,誠実,
柔和,節制です。」
愛は,わたしたちには聖霊として現れます。
神の愛は旧約聖書に示され,
神の子として現れ,
そして,わたしたちに聖霊として与えられます。
○
恋い慕う人が見つかりました
(雅歌3:1-4)新共同訳
「夜ごと,
ふしどに恋い慕う人を求めても
求めても,見つかりません。
起き出して町をめぐり
通りや広場をめぐって
恋い慕う人を求めよう。
求めても,
あの人は見つかりません。
わたしが町をめぐる
夜警に見つかりました。
『わたしの恋い慕う人を
見かけましたか。』
彼らに別れるとすぐに
恋い慕う人が見つかりました。
つかまえました,もう離しません。
母の家に
わたしを産んだ母の部屋に
お連れします。」
神がまず私たちを愛しました。
(1ヨハネ4:10)新共同訳
「わたしたちが
神を愛したのではなく,
神がわたしたちを愛して,
わたしたちの罪を
償ういけにえとして,」
御子をお遣わしになりました。
ここに愛があります。
(ヨハネ3:16)新共同訳
「神は,
その独り子を
お与えになったほどに,
世を愛された。
独り子を信じる者が
一人も滅びないで,
永遠の命を得るためである。」
○
傷はひとつもない
(雅歌4:7)新共同訳
「恋人よ,
あなたはなにもかも美しく
傷はひとつもない。」
神はわたしたちの罪を赦し,
きよめてくださいます。
(ミカ7:18,19)新共同訳
「あなたのような神が
ほかにあろうか
咎を除き,罪を赦される神が。
神は御自分の嗣業の民の残りの者に
いつまでも
怒りを保たれることはない
神は慈しみを喜ばれるゆえに。
主は再び我らを憐れみ
我らの咎を抑え
すべての罪を
海の深みに投げ込まれる。」
(ローマ4:6-8)新共同訳
「同じようにダビデも,
行いによらずに
神から義と認められた人の幸いを,
次のようにたたえています。
『不法が赦され,
罪を覆い隠された人々は,
幸いである。
主から罪が
あると見なされない人は,
幸いである。』」
(ローマ12:2)新共同訳
「あなたがたは
この世に倣ってはなりません。
むしろ,
心を新たにして
自分を変えていただき,
何が神の御心であるか,
何が善いことで,
神に喜ばれ,
また完全なことであるかを
わきまえるようになりなさい。」
○
実を食べる
(雅歌4:16)新共同訳
「北風よ,目覚めよ。
南風よ,吹け。
わたしの園を吹き抜けて
香りを振りまいておくれ。
恋しい人がこの園をわがものとして
このみごとな実を
食べてくださるように。」
「風」は聖霊を思い浮かべます。
(ヨハネ3:7,8)新共同訳
「『あなたがたは
新たに生まれねばならない』
とあなたに言ったことに,
驚いてはならない。
風は思いのままに吹く。
あなたはその音を聞いても,
それがどこから来て,
どこへ行くかを知らない。
霊から生まれた者も
皆そのとおりである。」
○
戸をたたく
(雅歌5:2)新共同訳
「眠っていても
わたしの心は目覚めていました。
恋しい人の声がする,
戸をたたいています。
『わたしの妹,恋人よ,
開けておくれ。
わたしの鳩,
清らかなおとめよ。
わたしの頭は露に
髪は夜の露にぬれてしまった。』」
「戸をたたく」
神から近づく愛を思い浮かべます。
わたしたちへの選びです。
(黙示3:20)新共同訳
「見よ,
わたしは戸口に立って,
たたいている。
だれかわたしの声を聞いて
戸を開ける者があれば,
わたしは中に入って
その者と共に食事をし,
彼もまた,
わたしと共に食事をするであろう。」
(ヨハネ15:16)新共同訳
「あなたがたが
わたしを選んだのではない。
わたしがあなたがたを選んだ。
あなたがたが
出かけて行って実を結び,
その実が残るようにと,
また,わたしの名によって
父に願うものは
何でも与えられるようにと,
わたしがあなたがたを
任命したのである。」
(エペソ1:4,5)新共同訳
「天地創造の前に,
神はわたしたちを愛して,
御自分の前で聖なる者,
汚れのない者にしようと,
キリストにおいて
お選びになりました。
イエス・キリストによって
神の子にしようと,
御心のままに前もって
お定めになったのです。」
○
打たれて傷を負う
(雅歌5:7)新共同訳
「街をめぐる
夜警にわたしは見つかり
打たれて傷を負いました。
城壁の見張りは,
わたしの衣をはぎ取りました」。
「打たれて傷」では,
イザヤ書の受難の僕を
思い浮かべます。
(イザヤ53:2)新共同訳
「乾いた地に埋もれた根から
生え出た若枝のように
この人は主の前に育った。
見るべき面影はなく
輝かしい風格も,
好ましい容姿もない。」
「打たれて傷」を受けたのは
イエス・キリストです。
(2コリント5:21)新共同訳
「罪と何のかかわりもない方を,
神はわたしたちのために
罪となさいました。
わたしたちはその方によって
神の義を得ることができたのです。」
(1ペテロ2:22-24)
新共同訳
「『この方は,
罪を犯したことがなく,
その口には偽りがなかった。』
ののしられてもののしり返さず,
苦しめられても人を脅さず,
正しくお裁きになる方に
お任せになりました。
そして,十字架にかかって,
自らその身にわたしたちの罪を
担ってくださいました。
わたしたちが,罪に対して死んで,
義によって
生きるようになるためです。
そのお受けになった傷によって,
あなたがたはいやされました。」
(ローマ6:23)新共同訳
「罪が支払う報酬は死です。
しかし,神の賜物は,
わたしたちの
主キリスト・イエスによる
永遠の命なのです。」
○
あの人のもの
(雅歌6:2-3)新共同訳
「わたしの恋しい人は園に
香り草の花床に下りて行きました。
園で群れを飼い,
ゆりの花を手折っています。
恋しいあの人はわたしのもの
わたしは恋しいあの人のもの
ゆりの中で群れを飼っている
あの人のもの。」
恋しい人とおとめは,
一つとなります。
(ヨハネ15:5)新共同訳
「わたしはぶどうの木,
あなたがたはその枝である。
人がわたしにつながっており,
わたしも
その人につながっていれば,
その人は豊かに実を結ぶ。
わたしを離れては,
あなたがたは
何もできないからである。」
イエス・キリストは,
信じる者と一つとなります。
(1ヨハネ4:14,15)
新共同訳
「わたしたちはまた,
御父が御子を世の救い主として
遣わされたことを見,
またそのことを証ししています。
イエスが神の子であることを
公に言い表す人はだれでも,
神がその人の内に
とどまってくださり,
その人も神の内にとどまります。」
○
最上の物
(雅歌7:11-13)新改訳
「さあ,私の愛する方よ。
野に出て行って,
ヘンナ樹の花の中で
夜を過ごしましょう。
私たちは朝早くから
ぶどう畑に行き,
ぶどうの木が芽を出したか,
花が咲いたか,
ざくろの花が
咲いたかどうかを見て,
そこで私の愛を
あなたにささげましょう。
恋なすびは,かおりを放ち,
私たちの門のそばには,
新しいのも,古いのも,
すべて,最上の物があります。
私の愛する方よ。
これはあなたのために
たくわえたものです。」
「最上の物」良い物とは聖霊です。
(ルカ11:13)新共同訳
「あなたがたは
悪い者でありながらも,
自分の子供には良い物を
与えることを知っている。
まして天の父は求める者に
聖霊を与えてくださる。」
「最上の物」とは,
神が与えてくださる物であり,
御霊の実です。
(ガラテヤ5:22,23)
新共同訳
「霊の結ぶ実は愛であり,
喜び,平和,寛容,親切,
善意,誠実,柔和,節制です。」
○
兄弟
(雅歌8:1)新改訳
「ああ,もし,
あなたが私の母の乳房を吸った
私の兄弟のようであったなら,
私が外であなたに出会い,
あなたに口づけしても,
だれも私を
さげすまないでしょうに。」
イエスは弟子たちを
「友」と呼びます。
(ヨハネ15:12-14)新共同訳
「わたしがあなたがたを
愛したように,
互いに愛し合いなさい。
これがわたしの掟である。
友のために自分の命を捨てること,
これ以上に大きな愛はない。
わたしの命じることを行うならば,
あなたがたはわたしの友である。」
○
愛を消すことはできない
(雅歌8:6,7)新共同訳
「わたしを刻みつけてください
あなたの心に,印章として
あなたの腕に,印章として。
愛は死のように強く
熱情は陰府のように酷い。
火花を散らして燃える炎。
大水も愛を消すことはできない
洪水もそれを
押し流すことはできない。
愛を支配しようと
財宝などを差し出す人があれば
その人は必ずさげすまれる。
雅歌8:6,7が雅歌の結論です。
神はわたしたちとの愛を
深めていきます。
(ピリピ1:9)新改訳
「私は祈っています。
あなたがたの愛が真の知識と
あらゆる識別力によって,
いよいよ豊かになり,
あなたがたが,
真にすぐれたものを見分けることが
できるようになりますように。
またあなたがたが,
キリストの日には
純真で非難されるところがなく,
イエス・キリストによって
与えられる義の実に
満たされている者となり,
神の御栄えと誉れが
現されますように。」
「印章」は証印とも訳されます。
(2コリント1:21,22)
新共同訳
「わたしたちとあなたがたとを
キリストに固く結び付け,
わたしたちに
油を注いでくださったのは,
神です。
神はまた,
わたしたちに証印を押して,
保証としてわたしたちの心に
“霊”を与えてくださいました。」
☆
雅歌は神とイスラエル,
また,
キリストの花嫁である
教会との間の愛の関係を
象徴的に描いています。
(エペソ5:25-28)新共同訳
「夫たちよ,
キリストが教会を愛し,
教会のために
御自分をお与えになったように,
妻を愛しなさい。
キリストがそうなさったのは,
言葉を伴う水の洗いによって,
教会を清めて聖なるものとし,
しみやしわや
そのたぐいのものは何一つない,
聖なる,汚れのない,
栄光に輝く教会を御自分の前に
立たせるためでした。
そのように夫も,
自分の体のように
妻を愛さなくてはなりません。
妻を愛する人は,
自分自身を愛しているのです。」
(黙示19:7)新共同訳
「わたしたちは喜び,
大いに喜び,
神の栄光をたたえよう。
小羊の婚礼の日が来て,
花嫁は用意を整えた。」
○
平安
(雅歌8:10)新改訳
「私は城壁,
私の乳房はやぐらのよう。
それで,私はあの方の目には
平安をもたらす者のように
なりました。」
「平安」は,
復活したイエスが弟子に話しました。
(ヨハネ20:19)新共同訳
「その日,
すなわち週の初めの日の夕方,
弟子たちはユダヤ人を恐れて,
自分たちのいる家の戸に
鍵をかけていた。
そこへ,
イエスが来て真ん中に立ち,
『あなたがたに平和があるように』
と言われた。」
○
「急いでください」
(雅歌8:14)
「恋しい人よ
急いでください,
かもしかや子鹿のように
香り草の山々へ。」
わたしたちは
イエス・キリストの
再臨を待っています。
(1コリント16:22b―24)
新共同訳
「マラナ・タ
(主よ,来てください)。
主イエスの恵みが,
あなたがたと共にあるように。
わたしの愛が,
キリスト・イエスにおいて
あなたがた一同と
共にあるように。」
(ヨハネ黙示22:20,21)
新共同訳
「以上すべてを証しする方が,
言われる。
『然り,わたしはすぐに来る。』
アーメン,
主イエスよ,来てください。
主イエスの恵みが,
すべての者と共にあるように。」