ヨエル書 解説
口語訳聖書 引用
ヨエル書1章
(ヨエル1:4)
「かみ食らう
いなごの残したものは,
群がるいなごがこれを食い,
群がるいなごの残したものは,
とびいなごがこれを食い,
とびいなごの残したものは,
滅ぼすいなごがこれを食った。」
(ヨエル1:15)
「ああ,
その日はわざわいだ。
主の日は近く,
全能者からの滅びのように
来るからである。」
ヨエル書は,
預言者ヨエルに啓示された預言を
記したものです。
ヨエルは,紀元前九世紀,
南王国ユダのヨアシュ王の
治世下で,活躍した預言者
といわれれています。
この時代の南王国ユダ,
また北王国イスラエルは,
ひどく堕落し始めていました。
ヨエルは,
神の裁きが近づいていることを,
民に預言しています。
(ヨエル1:14)
「あなたがたは断食を聖別し,
聖会を召集し,
長老たちを集め,
国の民をことごとく
あなたがたの神,
主の家に集め,
主に向かって叫べ。」
ヨエルは,
人々に悔改めのために集会を
催すようにいいます。
○
ヨエル書2章
(ヨエル2:18)
(ヨエル2:21-24)
悔い改めるなら,
神の祝福があります。
聖霊降臨の預言
(ヨエル2:28,29)
「その後わたしはわが霊を,
すべての肉なる者に注ぐ。
あなたがたのむすこ,
娘は預言をし,
あなたがたの老人たちは夢を見,
あなたがたの若者たちは幻を見る。
その日わたしはまた,
わが霊をしもべ,
はしために注ぐ。」
この預言は,
ペンテコステの日に使徒ペテロに
よって引用され
(使徒2:17-21),
聖霊降臨において成就しました。
旧約時代には,
聖霊すなわち神の霊は,
特殊な任務を帯びた
神の人にのみ注がれました。
イエス・キリストが降誕,
十字架,復活し,
ペンテコステの日に
聖霊が下ります。
そのときから,
聖霊はすべての神を信じる人々に
注がれます。
ペンテコステの日,
キリストを信じる者は様々な国の言葉で
神の大きなみわざを語りました。
これが,聖霊のバプテスマによる,
「異言」であり,「預言」でした。
○
(使徒2:16-21)
「これは
預言者ヨエルが預言していたことに
外ならないのである。
すなわち,
『神がこう仰せになる。
終りの時には,
わたしの霊をすべての人に注ごう。
そして,
あなたがたのむすこ娘は預言をし,
若者たちは幻を見,
老人たちは夢を見るであろう。
その時には,
わたしの男女の僕たちにも,
わたしの霊を注ごう。
そして彼らも預言をするであろう。
また,上では,天に奇跡を見せ,
下では,地にしるしを,
すなわち,
血と火と立ちこめる煙とを,
見せるであろう。
主の大いなる輝かしい
日が来る前に,
日はやみに,
月は血に変るであろう。
そのとき,
主の名を呼び求める者は,
みな救われるであろう』。」
○
ヨエル書3章
主の再臨
(ヨエル3:1,2口語訳)
「見よ,
わたしが
ユダとエルサレムとの幸福を
もとに返すその日,
その時,
わたしは万国の民を集めて,
これをヨシャパテの
谷に携えくだり,
その所でわが民,
わが嗣業であるイスラエルのために
彼らをさばく。
彼らがわが民を
諸国民のうちに散らして,
わたしの地を
分かち取ったからである。」
バビロン捕囚後に,
ユダヤ人がエルサレムに
帰ってくることの預言であります。
神の民が終末の祝福にあずかる
預言でもあります。
「ヨシャパテの谷」とは,
エルサレムとオリーブ山の間にある
キデロンの谷です。
キリストは再臨されると,
すべての民をさばくための
「さばきの座」を,
そこに置かれます。
旧約の預言書では,
しばしば
バビロン捕囚前後の出来事と,
終末のキリストの再臨の出来事とを
二重に預言しています。
○
エジプトの荒廃,ユダの救い
「エジプトは荒れ地となり,
エドムは荒野となる。
彼らは
その国でユダの人々をしえたげ,
罪なき者の血を流したからである。
しかし
ユダは永遠に人の住む所となり,
エルサレムは世々に保つ。
わたしは彼らに血の報復をなし,
とがある者をゆるさない。
主はシオンに住まわれる」。
そして,
エルサレムは天国となります。
光ぞ照り染めける
闇に迷う国々も
いざ共に祝えかし
楽しき日にぞ来にける
イスラエルもことくにも
今こそは幸をえめ
泉いすみは湧わき溢れて
四方よもの山に響きつつ
喜びの声すなり
御神をたたえまつれ
道の光輝きて
あまねく世を照らせり
2018-11-28