20年近く前に作った『もう一つのブレーメン』
当時、私なりの『ブレーメンの音楽隊』を作ろうと思ったのは
子供の頃、絵本を読んだ時に感じた小さな違和感だった
たとえ人間の身勝手で捨てられた動物たちだからと言って
そして相手が泥棒だからと言って
相手を驚かせて、持ち物や家を奪うのは・・いいのか
そんなめでたしめでたしがあっていいのか
子供心に感じたそんな疑問
だから・・自分なりのブレーメンを作ろうと思って
私の想像の中のブレーメンの音楽隊を作ってしまった
つちびとのブレーメンは、、本当のブレーメンの音楽隊のような幸せになる話ではなく
彼らは、ブレーメンに行こうと果てない旅を続け
いつしか疲れ果てて・・別の世界に旅立ったのではないか
そんなことを想って作ったつちびと達だった
今から見るととても拙いものだけれど・・
なぜか、私はその雰囲気が好きだった
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そのつちびとのブレーメンを見て、当時、娘が書いた詩のようなものが先日みつかった
荷物を運べなくなったロバは
明日、家を追い出される
鳴かなくなった ニワトリは
明日 スープの中にいる
狩りのできなくなった イヌ
ねずみの取れなくなった ネコ
明日 主人に撃ち殺される
トイレを忘れたおじいちゃん
明日は 老人ホーム入り
「ブレーメンへ行こう」
最初に言ったのは 誰だっただろう
昔とったキネヅカを
最後のたよりに 夢を見る
ブレーメンへ行こう
ブレーメンへ行こう
ブレーメンへ・・・
……いったい何処に?
ブレーメンへ行こう
……どうやって?
ブレーメンへ行こう
……もしかするとそれは
ブレーメンへ行こう
……あの世だったのではないのか
ブレーメンへ行こう
あれから20年近く経って見つかった変色した原稿用紙の詩を見て
もう一度、ブレーメンを作りたくなった
最後の最後のブレーメンを作ろうと思った
ゆっくり時間をかけて作ろうと思う
そして・・私なりの救いを探したいと思う
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