雪の女王
著:ハンス・クリスチャン アンデルセン
絵:サンナ アンヌッカ
出版社: アノニマ・スタジオ
マリメッコのデザイナーアンヌッカが挿絵を書いた、だれもが知ってるアンデルセン童話です。
「雪の女王」は子供の頃に読んでいたけど、記憶が曖昧でした。
悪魔がつくった世の中が醜くみえる鏡のカケラが体の中に入って人が変わってしまうカイと、可愛らしいけど芯が強いゲルダ。
そこに、根は親切だけど、いろいろとクセの強い登場人物達がからみます。
雪の女王は悪くない気がする。
雪の女王は冷たいけど、むしろ優しく親切なのです。
おいらがカイだったら雪で作る模様遊びに夢中になって、たとえゲルダと再会できても「永遠」という模様が作れてしまっても、
雪の女王の城から帰らないと思う。
「あ、ゲルダ?久しぶり!心配かけてごめん!でもいまイイトコだから先に帰って待ってて。ごめん。」
と言うはず。(たぶん 笑)
そして、おいらがゲルダだったら、一緒にいたいのはカイじゃなくて、
ゲルダが旅の最初に会った魔法使いのお婆さんか、カラスか、山賊の娘と一緒にいたいな。
どの選択肢にしても ゲルダをたいそう気に入って、自分の事よりも一生懸命に尽くしてくれる姿に、自分の願いが叶わなくても、
その人と一緒にいて幸せにしてあげたい気持ちになってしまう気がする。
自分が好きな人を追うことよりも、自分を好いてくれる人に惹かれるからかもしれない。
だから、割れた鏡の破片が体に入るまえの 優しかったカイの事をずっと好きでいるゲルダの気持ちはちょっとわからない。
今自分を好きで、必要としてくれる人を優先することも大事なのでは。。。とか
ハッピーエンドに水を差すようなことを思ったりした。(笑)
それにしても、装丁も大変美しい本です。