KANTAROOO Blog

某てれび局のCGデザイナーを引退した かんたろの日々
心にわきおこる興味をお届けします。

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ひとひろSHOP
   『 ひとひろSHOP 』

かんたろオリジナル作品を並べるお店です。
時々開けております。
オリジナル作品や道具の販売をしています。

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シンドバッドの冒険 ~懐かしの絵本~

2012-12-16 | Book 
こどもの頃のかんたろは
世界文化社の「世界の名作」を眺めて過ごしていました。

神奈川県に引っ越しするときに その家に次に引っ越してくる小さな男の子に世界の名作全巻を残していくことになったんですが、ホントはあげたくなかったのが四冊あったのです。


そのなかの一冊が
「シンドバッドの冒険」でした。

最近になってあの本はどこから出版されてたんだろうもう一回読みたい。としらべて、やっと突き止めました。
手放したくなかった4冊のうち、2冊は現在外装が新しくなり、再販されてることがわかり、誕生日とクリスマスに欲しいものないの?と言ってきたおかーやんにこの絵本をもう一回買ってもらうことにしました。

船乗りシンドバッドの7回の航海を絵本にしたもので
とてつもない怖い目にあってもただではおきないシンドバッドのお話です。


海の黒い猿におそわれる船
文章の頭に飾りイニシャルのようなひらがなを配置したレイアウトはアラビアを意識したデザインです。


腹一杯食わせて太らせてから人を食べる島に上陸してしまうシンドバッド達


海に潜って真珠をとるシンドバッド。

文は阪田寛夫さん 絵は三好碩也さん
言い回しはシンドバッドが一人でおしゃべりしてる形式で 今読んでも大変おもしろいです。
三好さんの絵も語りとあいまってすばらしい瞬間を表現します。
絵のなかに沢山の楽しい事が隠れていて贅沢な絵本です。

時々出してきてまた眺めよう。
子供の時のように。

買ってしまった本

2011-12-13 | Book 
お誕生日に高級カッターマットをかうつもりだったのに本を買ってしまう。
良くある。良くある。(笑)

買ってしまったのはカイ・ニールセンの挿し絵を集めた本です。
カイ・ニールセンをご存じない方もいるとおもいますが
ディズニー映画「ファンタジア」にでてくる
♪禿げ山の一夜 のコンテを担当した方といったら分かるかしら?
え?知らない?
マニアック過ぎる?
あ、そうか?…(笑)
おいらがカイ・ニールセンに出会ったのは映画もそうですが 「太陽の東、月の西」という北欧の物語の挿し絵で、これはすごい傑作中の傑作だ!と感じました。

いつか「太陽の東、月の西」の布張りの英語版を手に入れて、ゆっくりゆっくり何度も繰り返し読めたら、と おもうのです。

お金の話は嫌いですか?

2011-07-06 | Book 
この世でいちばん大事な「カネ」の話
著/西原理恵子
¥1,300

サイバラさんの絵はそんなに大好きってほどではないけれど
お話や考え方はとても分かりやすく面白い切り口です。
この人の良いところは自分も中も外も見ることができてること。
客観視できるとものの本質が見えてくるものです。
サイバラさんの人生とお金の本質と豊かさのお話です。

お金の話はよっぽど仲の良い友達じゃないと話せないような
こっぱずかしいような丸裸の事情が絡んでくることがあります。
都会の真ん中の貸家に住んでいたけど、おいらのおうちは昔、とても貧乏で…
っていう話はしたことがあると思います。

そうなんです。
庭に生えてるシソと田舎から送られてきた味噌と、カビや漬物やらの匂いのするような臭いご飯だけで生きていた時期もありました。
お買いものに近所のスーパーに連れられて行っても、おかーやんのお財布には毎日200~300円しか入ってません。
安い食パン、油揚げを買ったら もうあとは数十円。
レジに並ぶのが怖くて 財布の中身が足りるのか?とびくびくしました。
夜になると明日が心配で心配で
「ねぇ、お財布の中見せて?お金ある?」と聞いたりもしました。
お小遣いはもらっていなかったけど親族から毎年いただいたお年玉を少しづつ貯金していました
貯金で自分の剣道の防具や竹刀なども買ってもらったりしていたので
「ほんとにお金がなくなったら貯金使って。」と通帳はおかーやんに預けていました。

貧乏を経験すると人は卑しくなります。ひねくれたりも、ぐれたりもします。
貧乏が原因でいじめられもしました。
でもありがたいことに おいらにはたくましい妄想力がありました。
ことに遊びにかけては一人で何時間も妄想と遊びました。
椅子を床に倒して寝かせ その椅子に座った格好で仰向けにねっころがり
天井で暮らす自分を想像するという妄想遊びが楽しくて 現実と妄想がごっちゃになったりもしばしば。(笑)
だから「貧乏」そのものがそんなにつらいと思ったことはありません。
でも 今思う、明日ご飯がたべらるかどうかさえもわからない「貧乏」が
すごく怖かったのです。

大学を出ててれび局にお仕事に就いたとき
「自分で稼いだ金は自由につかえるんだ!」と気づきました
同時に「自分で稼いだお金は大切につかおう!」と決めました。

化粧品のような 毎日消費して一日の終わりにはメイク落としで落として
結局は捨てしまってるようなものは買わないことにしました。
安いから買うのではなく、安くても高くても好きだから長く愛せるものを買いました。
ほしいものがあるとき、すこしでも納得がいかない部分があったら買いませんでした。
貧乏ぐらしのときのままの生活スタイルで、それ以上でも以下でもなく 無理に倹約するわけでもなく
使わずにコツコツ貯めて 現金で家を建てました。
ローン会社にお金を借りたりするのも好きじゃありませんから なにか大きなものを買うときもできるだけ現金払いです。
そりゃ手持ちがうっかりなくて、お友達同士で次にあったときまで借りることもあります。
でも借りたときは特別な封筒を「貸してくれてありがとう」の気持ちで作って
次にその人に会えるまで保管するようにしています。

お金にルーズな友達もいました。
すごく良い子なのに
飲み会に行くと「あ、ごめん終電だから帰る 払っておいてあとで返すね。」
たのまれていたものを買っておいても「あ、じゃぁ今度払う。」それも一回や二回ではありませんでした。
約束していたお金を立て替えていただけだったのに、自分の分はこっそり払わないで知らん顔の人もいました。
結局そうやって善意で立て替えたお金はかえって来ないことも知りました。

なにを信じたら正解なのか?なんて、おいらにはわからないけど。
どうやったら楽で得なのか?なんて、おいらは考えたことないけど。
一生懸命 自分ができることはなにかを考えて働くと、
自分で稼いだお金が自分を育ててくれる。

そんなふうにかんたろは考えます。

それはこのサイバラさんの本からもひしひしと感じました。
本当の貧乏、本当のどん底を知ってるからこそ
毎日、楽しく笑ってそして感謝して生きなくてはいけないと思うのです。

太陽の東・月の西

2009-01-16 | Book 
太陽の東・月の西 <北欧伝説>

絵/カイ・ニールセン 訳/岸田理生
¥1,860

北欧の物語 眠りにつくまえに子供達に話てきかせるおばあさんの口調で
時には歌ったりしながら詩的に物語が進んでいく
お話も十分面白いのだけど 挿絵がとにかく秀逸。
カイ・ニールセンはデンマークのアーティストで ディズニーの名作ファンタジアでも名を馳せたイラストレーターで 彼の世界観はとっても素敵。
こんな素敵な独自世界をもっているから ディズニーの世界観と折り合いがつかなくなったのかもしれません。
ファンタジア以降はディズニー作品から姿を消します。

太陽の東・月の西で彼の才能は爆発してますが、日本語訳はその本のなかから数枚の挿絵をつかった本に仕上がっています 数枚といえどその絶品の挿絵です。
太陽の東・月の西は絶版していますので入手困難かもしれませんね。

↓こちらで中古を購入できる可能性あります
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ヨーロッパ退屈日記

2008-11-19 | Book 
ヨーロッパ退屈日記

著/伊丹十三
¥500

伊丹さん独自の目線で体験や面白話を書いてます。
とても難しい言い回しや文体なので薄っぺらい本なのですが 読むのに非常に苦労します。
ですが、外国の人から聞いた聞き耳ワイドショー的な小話がすごく面白いのです。
朝、スミス氏が森を散歩してると 象がこっちを向いて座り込んでいる
スミス氏が象に声をかけると 像も陽気に挨拶をしてくれる。
象と別れてスミス氏はさらにかなり森の奥までそのまま歩いていくと
また象がいる。今度はお尻を向けて座ってる。
スミス氏は象に声をかけたけど象は寝ていたみたい
起こしてみると 象は挨拶して・・・
さぁ みなさんわかります?
象は何で森のなかにいたのかしら?しかも2匹も(笑)

おいらはこの話の結末のかわいさに大爆笑してしまいました。
気になるかたは是非続きを読んでみてね
最後は尻切れトンボっぽく話が途中になって終わってまして
えぇ!!おわりぃ~!と叫んじゃいました。
買いだめの靴を買いにベニスに行くんじゃなかったんかーい(笑)
読んだ人だけ分かる笑いです。。

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夜のスイッチ

2008-11-13 | Book 
夜のスイッチ

著/レイ・ブラッドベリ
絵/マデリン・ゲキエア
翻訳/ 北山 克彦
¥1,995

夜が嫌いな男の子はいつもひとりぼっち。
友達が外灯の下で楽しそうに遊んでるのを自分は明るい部屋で眺めるだけです。
できればずっと部屋を明るくして夜をすごしたいのに、家も家族も眠るために明かりは次々に消されていきます。
そんなある夜、窓辺に見知らぬ女の子「ダーク」がやってきて 男の子を夜にひき会わせてくれるという。。。

SFの大御所、レイ・ブラットベリには珍しく、絵本にチャレンジしていますが ブラットベリワールドは健在です。
子供が読んで「どうして?」「なぜ?」と
沢山疑問がでて、親子で想像しながら楽しめると思う
色数を抑えた挿し絵も秀逸。

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カレワラ物語

2008-11-04 | Book 
カレワラ物語―フィンランドの国民叙事詩

原著/Kirsti M¨akinen
翻訳/荒牧 和子
¥1,890

フィンランドの国が生まれたいきさつと フィンランド英雄の武勇伝など
面白ストーリーです。
カレワラ物語はとてもとっつきにくい内容の分厚い本なのですが
このキルスティ・マキネンさんの本は分かりやすくまとめられていて、読み終わったあと岩波から出てる難しい内容のカレワラも読んでみたくなります。

とにかくフィンランドの英雄 ヴァイナモイネンがすごいです。
訳あって英雄はおじいちゃんなんですが これが超スーパーおじいちゃんなのです(笑)
人々を救ったり、癒したりするんですが、ちょっと強欲だったり、美人に弱かったりするんです。
またヴァイナモイネンのお友達で万能なイルマリネンは かなりヴァイナモイネンにいいように使われてるのにそれにまったく気づいてないのが可笑しい
血気盛んな若者レンミンカイネンは馬鹿丸出しで突っ走って 気性は荒いがけっこう良い奴
そんなつっこみどころ満載のカレワラ物語ですが
英雄達たちがこぞってつかう「歌」という言葉は意味合いがちがうんですが
術というか魔法なんですよ
たしかに歌は人を動かしたりできるし 古い魔法なんだなと思うことがあるもんなぁ~

考え方や歌や心のあり方など なるほどなぁーと感心しました。
お話が面白くて一気に読んでしまえますよ!

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人生は出会った人で決まる

2008-08-22 | Book 
人生は出会った人で決まる

作/堀 貞一郎
¥1,300

いろんな人と出会い いろんな人と別れ 自分の道を歩むこと。
ただ一人でなんでも切り開いてすべて上手くやってこれたからこそ
今いる場所に行き着いたのではない
たくさんの人との出会いがあって人生は導かれてるということが分かる本

この本は おいらが読みたくて読みはじめたわけではなくて
たまたま家にあったのでパラパラっとめくって速読してしまいました
共感する部分がとても多かった本です。
宗教の本なのかな?と思いましたが全然違いました。

特に共感したのが 仕事観の部分で
「相手がどれだけ自分に役立つか と利便だけを考えるのではなく 自分はどれだけ相手の役に立ってあげられるか」とか
「部下の才能を見出して できるだけそれをのばし、その才能を生かせるように育てる」とか
この二つの考え方は 賛否両論あるとは思いますが
おいらの思想とぴったり同じなので 作者の堀さんと気があいそうです(笑)

実際に仕事の話ばかりでなく この二つは人柄にも影響がでるものです。
下心ありありで近づいてきて アイデアやコネなどを平気で盗んで
大きな波がきたときに 波に乗りながら逃げしていく人ときどきがいますが
それもまた同じで そういうことを平気でできる人は
「相手がどれだけ自分の役にたつか」しか 重視しないで人と付き合っていると思われます。
自分の人生は上手くいってると思ってるのは本人だけで
本当の幸せやすばらしい人生ではないように おいらは思います。

「嫌いな人を無理して好きになる必要など まったくない」とか
「友達は自然にできるものではなく 自分で作るもの」とか
「友情とはおもいやりの貸し借りである」とか
ほかにもいろいろ共感できる内容が書かれています。
人望や人徳がないと良い出会いはできないし
この世は自分だけのものであるかのように 傲慢に高飛車に生きている人の人生は結局上手くいっているようで 実は上手くいかないということでしょうね。

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エスターハージー王子の冒険

2006-02-03 | Book 
エスターハージー王子の冒険

作/イレーネ・ディーシェ&ハンス・マグヌス エンツェンスベルガー
絵/ミヒャエル・ゾーヴァ
¥1,680

”エスターハージー王子の冒険”という本を知ってますか?
エスターハージー伯爵家は高貴な家柄のうさぎです
近年のうさぎは野菜をたべずにチョコレートなどの甘いものを代々食べ続けていたため 身体が随分小さくなってしまっていたのです
おじいさまの伯爵は今後のお家の事を考えて 王子達に身体の大きなお嫁さんを各地で見つけてくるように命令されました
おいいつけ通りエスターハージー伯爵家の王子達は 大きな体格のお嫁さんを探しにいくのです
なかでも一番ちいさな主人公のエスターハージー王子は両親の薦めでベルリンにわくわくと旅立ちました。
駅に着いてもお出迎えはだれも居ずに困ってしまうエスターハージー王子
いつもだったら たくさんのお付きが駅で王子を待っててくれてるはずなのに 駅で迷子になってしまう王子。
さてさて身体の大きなお嫁さんはみつかるんでしょうか…
というお話です。

挿絵はおいらの大好きなゾーヴァ これまたかわいいのですが、本の中にでてくるエスターハージー王子の考え方がとても魅力的なんです。
なんでも前向きに考える彼の姿を 自分もこう考えればいいのかーと軽く憧れさえ抱いてしまう。
ペットショップの店員さんにだまされようが
売られていった先で起こる いろんな事件
逃げだしたあと 自活しようと懸命に働いてみたり
なんともたくましいのです。
まるで毎日のしがらみから解放して 励まされてるみたい

心から望んだものを忘れないこと
それは自分を自然に導いていくたしかな道になる
苦しかった一時も いつか望んだ物が見つかったときに
きっと思い出になって 悲しさは消えてしまうんだ
そんな気持ちにさせる本です。
最後にでてくる最愛のうさぎと並んで 夜を楽しむエスタハージ王子の挿絵が
この本のラストを あたたかいものにしてくれます

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ふしぎな図書館

2005-09-29 | Book 
ふしぎな図書館

作/村上春樹
絵/佐々木マキ
¥1,500

”ふしぎな図書館”という本を知っていますか?
オスマン帝国の税金の集め方に興味がある少年が図書館に本を借りにいくと
いかにも恐ろし気なじいさんに促されて 図書館の奥へ奥へ…
いったいどうなってしまうのか?帰れるの? というお話です。

ほとんど絵本のようなこの本の内容は
オスマン帝国の税金の集め方をちょっと思い付いて 図書館に調べにいくあたり
この若者は普通じゃない。(笑)
しかも すべてを受け入れる事が臆病なのか勇気があるのか
ある種わからなくなってくる。
村上春樹&佐々木マキのコンビは このふしぎな世界を理解しあって仕上げるベストパートナーである。
村上春樹の世界観と自分の世界を上手くMIXして仕上げている。

最初の羊男はこんなにかわいいキャラじゃなくて
もっともっと ぐうたらな汚い羊だったはずなのに 羊男シリーズを読んでいくごとに
すこしずつ読者の羊男に対する好感度があがっていくのは
村上春樹は完全に 佐々木マキの描く羊男の虜になったからだ と毎回感じる
佐々木マキの絵が好きだからなのかもしれないけどついつい嬉しくなってしまう。

お話をサラリと読んでしまえば単純なストーリー。
なんですが…
この話しの背後でなにか大きな影がうごめいているような気がするのです。
羊男の揚げるドーナツや 魅惑的な女の子や おいしそうな食事や ぼんやり妄想する若者の事で
その恐ろし気ななにかが なんなのか霧の中なんだけど。
まるで見えないのであるが
…でも感じるんだ。
なにか怖いものが近づいている!気をつけなきゃ!
妄想癖の人にはそれがなんなのか わかってる。
自分の心が生み出した 自分が一番怖いと思ってる物を彷佛とさせるってこと。  

この本がつまらなかったって人は
天から想像力のカケラを脳みそに頂いてない方でしょう。
そういう人は おいらにとって 可哀想な人なんだなと哀れみの目でしかみれないけど(笑)
おいらは”オスマン帝国の税金の集め方”ってだけで 想像力逞しくなってしまうのになっ
みなさんはどう?

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