KANTAROOO Blog

某てれび局のCGデザイナーを引退した かんたろの日々
心にわきおこる興味をお届けします。

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ひとひろSHOP
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かんたろオリジナル作品を並べるお店です。
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インド建築案内

2005-09-04 | Book 
インド建築案内

著・写/神谷 武夫
¥2,854

”インド建築案内”という本を知っていますか?
インドの278の都市・村における612の寺院の事細かい説明と
それに付属した華美にならない案内写真集です。

この本のすごいところは
普通の写真集ではないというところ。
インドの詳しいガイドブックになってることろ。
写真がぜんぜん華美じゃないというところ。
この3つです。
インドを北・東・西・中・南の地域として大きく区分して
またその区分中を州で分類 あのでっかいインドにある寺院を こうも細かく歩いて調べる事って
不可能だとおもってました。
それをこの本の神谷さんは やっちゃってます。
それだけじゃないんです
建物名 建設年代 設計者名 建築様式と
完璧な分類と街や道の解説と地図もちゃんとついてます。
本の最後に索引までつけちゃって辞書並みです。 完璧です。

一般でしられてる街や寺院はもちろん
全然しられてない寺院まで網羅されてます。
実際にインドにいるみたいに感じます
写真が華美じゃないってのは 狙った写真は全く載って無いって事です
写真家さんって 写真集の為に写真撮って 本にする事よりも
そのとき撮れた狙った写真が、あきらかに狙い撃ちできて
あとから本にする事を重要視して選んでいくとおもうんだけど
この神谷さんの写真集のポイントは自分の為の資料用の写真。
構図やモチーフに頼りすぎない 遺跡や寺院の構成をこわさない写真を撮って来てる
ってところ
ここまで徹底して 調査して撮ってくる写真家さんがいるなんて!
正直驚愕。

仕事に行き詰まって
生きるのに生き詰まって
なにもかもする気力が出ない人に特にオススメです。
パラパラとページをめくるだけで さっきまでなんにも興味がわかなかったのに
急に寺院のバランスやレリーフに吸い込まれてい…
かるくインド旅行に出かけた気分になれます
それもスペシャルガイド付きで。
読み終わる事にはお腹も減って 適度にカレーが食べたくなってるでしょう
さっきまで生き詰まっていた自分は何処へやら
腹が減ったってことは 現実であって
現実に直面するぐらいの気力が出たってことになるでしょう(笑)

あ!いっとくけど 忙しい人は見ないで
見るとなにも手がつけられなくなくなるほど魅惑的ですから。
1ページみたら 2ページ 3ページ… ページをめくる手がとまらなくなるよー
本を手にとっちゃダメです。
表紙だけでも 虜になってしまいますよ。
それほど危ない魅力満載の写真集(笑)

追伸:
インドの人って毎日カレー食ってるイメージあるでしょう?
でも実は…
毎日カレー食ってるらしいです。(byディレクターさんネタ)
やっぱりね。
やっぱり そうなのね。
そうだとおもった(笑)



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うろんな客

2005-08-05 | Book 
うろんな客

作・絵/エドワード・ゴーリー
訳/柴田元幸
¥1,050

”うろんな客”という本を知っていますか?
うろんな客 それは 話しも通じなければ 要求してる事もわからない
とてもマトモな客とは思えない生物です
家族が我慢したり 迷惑したり。
”うろんな客”の不可解な行動に頭をかかえる日々の格闘を描きます
さて この迷惑なうろんな客とは 一体なにものなんでしょうか?というお話です。

ゴーリーはとても怖い話しを題材に怖い絵を描きます
白黒の線画で それがまた一層怖さを引き立てます
まるで 死に神のように。無表情な人々がでてきます。
”ギャシュリークラムのちびっ子たち または遠出のあとで”
という本の表紙のイラストにでてくる子供達は
本の中で全員死んだりします。(笑)
まぁ ブラックジョークがわからない人には
”なんなの?この絵本???信じられない!怖い!教育上ヨクナイ!”
と判断されてもしかたありませんが…
でも案外 子供はとても残酷な一面をもってるので この
”ギャシュリークラムのちびっ子たち または遠出のあとで”の本も飽きずに眺めることでしょう
26人の子供がabc順に いろんな死にかたをします。
この本もお勧めしたいのですが
まぁ ゴーリーを始めて読む方にはショッキングシュールだろうから
ゴーリ-の絵本の中で一番笑える”うろんの客”をお勧めしましょうね

この本の表紙に描いてあるのが そう
”うろんな客”です
風太君も真っ青な立ち姿での登場 ここでおいらなら大笑いです。
出立ちからして 風来坊なのに目がとってもチャーミング
話しはとても簡潔なんですが ゴーリーは恐ろしい妄想癖です。
おいらに負けないぐらい すんごい妄想です。
うろんな客は すごく嫌なやつに思えるのだけど なんだか憎めないの
やってる事は家族の迷惑かえり見ず もうハチャメチャなんだけど 楽しめてしまう

本の最後にやっとうろんな客の正体がわかるヒントがあると思うけど
読んでいく途中で もう勘のいい人はわかっちゃうかなぁ?(笑)
おいらも”うろんな客”になりたいもんです
あはは ほんとに みんなから煙たがられて あちのほうとか こっちのほうとか
もう何処にでも飛んでっちゃいたいですわ(笑)

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ほーむめいど和菓子

2005-07-28 | Book 
ほーむめいど和菓子

著/金塚晴子
¥1,575

”ほーむめいど和菓子”という本を知っていますか?
和菓子を作るには いろんな基本があります。
この基礎を老舗の和菓子屋さんは大切に はぐくんでいます
しかし お家でも若干手を抜いてはいるけれど 本格的に和菓子がつくれるんですよ
を教えてくれるhow to本です。

この本を読んでから ”なんだ、あんなに厳粛に和菓子の基礎を勉強しなくても 美味しい和菓子てつくれるんだ 敷き居は高くなくなるね”と感じ
おいらが50歳になったら和菓子をやろうと決意した。

おいらの夢は
お店は海沿いの そう あの海の近くにかまえて
利用者は50歳以上からしか入店できないお店を作る事
毎日三種類ぐらいの色カタチのうつくしい季節の和菓子をつくって
お菓子にあう渋いお茶をたてて
”はい、どーぞ。”と出す。
お茶は3杯ぐらい出るだけの茶葉と急須でトレーに出てくるセット
来るのは近所のじーちゃんばーちゃん
そんな肩寄せあう小さな店でいいんです
そんな夢を見てる

おいらは 朝早くに起きて和菓子の仕込み
おいらの事だから 色とカタチは自分の好みをガツン全面に押し出して作るだろうなぁ
8時頃からお店を開けて 夕方までひがな お店番
おみせの名前は”よりあい”
もう決まってるの。

夜からは おいらの友達のお酒呑むのが上手な人に仕切ってもらって
地魚とお酒のでる呑み屋さん”よりあい”に変身
朝までやってるお店になる予定
そしてまた次の日おいらは 朝早く仕込みの日々

これからの高年齢化時代は
じーちゃんばーちゃんが切り持りして 楽しく生きていかなくちゃ行けないんだ
おいらそんな事がホントにできる余裕があれば 実行するつもり
この本はそんな きっかけになった1冊。

金塚晴子さんの和菓子はほんとにあったかみがあっておいしそう。
そのあったかさは 色だったり カタチだったり
でも最終的には お菓子を食べていただく方への思いやりなんだろうなぁ

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マザーグースのうた

2005-07-13 | Book 
マザーグースのうた

絵/掘内誠一
訳/谷川俊太郎
¥1,365

”マザーグースのうた”という本を知っていますか?
短い歌が沢山載っています、覚えられるような単純なものから 想像するとすこし怖いものまで
さまざま。
うたといってますが 実際 歌うような”うた”ではなく。
じゅんぐりに同じフレーズの言葉がテンポよくでてくるので うたのような気がするだけです。
読んでいると 勝手な節回しで歌いそうになる そんな本です。

おいらの文章は できるだけわかりやすく、簡単な言葉を使う事に重点を置いてます。
自分の知識の有る無しを 難しい言葉で隠して
自分がいかに頭が良いと見せかける事が嫌だからなんです
頭が良くても悪くても それが自分なんだから 隠すような事はしないし
頭が良いフリなんてしたくもない 疲れるから。(笑)
また おいらは単純なくりかえしや くちずさめるようなフレーズを使う事が 文章でも私生活でも多いのだけど
これは 言葉遊びが好きだからなんだけど、
まぁ ふたつとも言えるのは すくなからずマザーグースの影響であろうと思う。

言葉とは伝えかた次第で どうにでも取れるものだ
相手が興味を持つか持たないか
それも 伝えかただと思う
通じなければ 伝えたことにはならない
だから おいらは単純な言葉を選ぶ。
慎重にえらぶ。

絵でマザーグースの世界を描きすぎると壊れてしまうので
モノトーンの掘内誠一さんの挿し絵はすばらしい出来です。
訳も谷川俊太郎さん以外のマザーグースはあまり共感が持てないし
言葉からあたえられる解釈もむずかしい。
たとえば。
ひねくれ男がおりまして
ひねくれ道を歩いてた…
という”うた”がありますが

ほかの人だったら
まがった男がひとりいて
まがった道を歩いていたら…
とかに訳されてたと思う。

同じフレーズを並べる事 言葉のテンポも並べる事
これが マザーグースを楽しくさせる秘けつなんだと思うね。
マザーグーズのうた1巻はほとんど暗記しておりますが
中でも

ソロモン・グランディの歌が好き。
ソロモン・グランディ
月曜に生まれて
火曜に洗礼
水曜に結婚して
木曜に病気
金曜に危篤
土曜に死んで
日曜には 墓の中
はいそれまでよ ソロモン・グランディ

うーん 人生はそんなもんかもしれません。


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キリンと暮らす、クジラと眠る

2005-07-01 | Book 
キリンと暮らす、クジラと眠る

作/アクセル・ハッケ
絵/ミヒャエル・ゾーヴァ
¥1,470

”キリンと暮らす、クジラと眠る”という本を知っていますか?
お馴染みの アクセル・ハッケとミヒャエル・ゾーヴァの最強コンビが贈る
動物についての素朴な疑問や現状、そして動物と人間はこれからどうやって共存していくのか?
を真面目に、おもしろおかしく考えたショートストーリ。
中に出てくる データ統計や横道にすこしそれたお話は 実際に基づいてかかれているらしいのですが
ウソのようなホントの話しでびっくりしつつも抱腹絶倒することでしょう
動物に対するこれからの目線がかわるかもしれない というお話です。

有名なゾーヴァの絵が数しれずでてきます。
あ!この絵しってる!なんて思いながら楽しめるでしょう
おいらが好きなお話は 熊、キリン、ペンギン、にわとり、カメレオン、黄金虫のお話
暖かみのあるユーモアはあっという間に人を幸せにしてしまう。
こういう風に 想像っていうか 妄想してしまう人ってのは脳みそが柔軟なんだろうなぁ
一つ一つのお話はとても短いので あえてお話するのは避けますが
熊はどうしてどう猛だと思われているのか?とか
キリンはどうしてペットでかえないのだろうか?とか
にわとりは 人間が卵を食べてることを知ってるんだろうか?とか
素朴な疑問ばかり。
そういや おいらも考えたことがあるなぁー

おいらとハッケはどうやら同じ笑いのツボをもってるらしく
本の世界へすぐに溶け込めて その旅で行く先々 かなり笑いました。
おいらのBLOGを読んで楽しんで笑える人は たぶんハッケの想像力でも笑うこと間違えない
しかもそこに ゾーヴァの挿し絵が入ってるときたら
もう、読むしかないでしょう。
最近電車でお金の本なんかを懸命に読んでる人がいるけど
ほんとの豊かさってお金じゃなくて やっぱり 気持ちだよね 気持ち。
忙しい毎日を楽しくすごすためには…
どうやって儲けるか?どうやって楽をするか?どうやって日々送るか?じゃなくて
ほんの少しの想像力。
それから
その想像力に ウマミやキレアジをだすための妄想力
すると とたんに味気ない毎日は キラキラと輝き出すはずなんだ。
必要だと思うなぁー
財力や権力よりも 想像力と妄想力。
すくなくても おいらはそうやって毎日を飛び越えて 暮らしてゆく


忘れないぃぃ~で お金よぉりも~
大切なものがある~
忘れなぁ~いで お金よぉりも~
大切なものがあるぅー
大切なものがあるぅー
(でもちょっとあの歌 正直むかつく時ある…)


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中島らものたまらん人々

2005-06-21 | Book 
中島らものたまらん人々

作・絵/中島らも
¥480

”中島らものたまらん人々”という本を知っていますか?
サラリーマン時代にコピーライターという横文字のかっこよさにひかれて仕事をする中島らもの実話です。
クライアントの無理難題に苦戦しながらも 心にユーモアを忘れない
そんな事あるのかい?とおもうようなウソのようなホントの話で構成されたお話集です。

いつも心にユーモアをもっていた中島らもは きっと今頃天国であびるほどお酒を呑んで
らりって らりって 楽しくやってる事でしょう。
お話はやっぱり 中島らもなので さらりと読めてしまいます

減塩ブームの御時世にまったく動ぜず
”…そんなやつはワシの会社の塩昆布食って 死んだらええのんじゃ!”
と、のたまう社長。
”君ー もっと安くならんかね?ー 8文字で●万だったら 4文字で半額にならんかね?”
と、ありえない事を言い出す社長。
極め付けは
会長の鶴の一声で全てが変わる会社
”もっとぼわーーーと”と会長は言う
”え?どこらへんをぼわーっとぼかすんでしょうか?”
”… もっとぼわーーーと”まだ会長はそういい続ける
困ってしまう中島らもに 追い討ちをかけるように 役員が
”君ぃー 会長はぼわーっとっとおっしゃってるんだ フィーリングでわからんかね?フィーリングで”
などなど たまらん人々がじゃんじゃん出て来ます。
あなたの会社でもクライアント相手や同僚同士、同じような経験をされてるとおもいます
この本を読んだら 笑うこと必至です。
この本で笑えない人は やまいだれの人です。(読めばわかる 読めばわかる 笑)


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魔笛

2005-06-14 | Book 
魔笛

絵/ミヒャエル・ゾーヴァ
文/那須田 淳
¥2,100

”魔笛”という本を知っていますか?
ある暑い夜のこと タミーノ王子は陽気な鳥刺しパパゲーノと出会いました
そこへ3人の魔女と夜の女王が現れます
夜の女王が言うには かつての夫、太陽の王が死んだ今、その魔力を司祭ザラストロに取られてしまった、太陽の神殿に捕らえられている自分の娘パミーナをどうか助けてほしい。 そう タミーノ王子にたのんできます。
パミーナ姫はとてもかわいらしく 一目でほれてしまうタミーノ王子。
女王は2人に なにかあったときに使いなさいと 2人を守ってくれる魔笛と銀の鈴を渡しました
そしてパミーナ姫救出のため 太陽の神殿へ向うように言います。
パパゲーノの目的は 自分の未来のかわいい嫁さんパパゲーナを見つけること。
そしてタミーノ王子は パミーノ姫を救出してやはり嫁さんにすること。
ふたりは一致団結し 太陽の神殿に乗り込みました…
そこでおこるハプニングと甘美なラブストーリー 最後に大どんでん返しがまっています。
終わらない夜をこえて再び朝日が世界を輝かせる というお話です。

この絵本は モーツァルトのオペラ「魔笛」を ミヒャエル・ゾーヴァが舞台美術を手掛けたときに書き下ろした原画で構成されたものです。
モーツァルトも大好きなんですが なかでもこのオペラ「魔笛」大好きなんです。
魔笛は知らなくても パパゲーナのパパゲーノのアリアを御存じの方は多いと思います。
モーツァルトの心から湧き出るユーモアを 音楽の中に織りまぜた美しい完成された旋律を聴いてると 時々涙が出てくる事があります。
どうして こんなに心が打ち震えるのだろうか。自分でも分らない。
音楽が崇高で 魂を高めるためにあった時代にモーツァルトが生まれて その時代に終止符を打ったように感じます。

ゾーヴァのこの構成は若干の難もあるものの なかなかユーモアのある演出になってると思う
パパゲーノが普通のおっさんだったり(笑)3人の子供が大人にランドセルを背負わせただけだったり すこしグロイ昆虫のコスチュームがあったり と、なかなか思い付けつけない発想力!

しかし 1998年のドイツのフランクフルト歌劇場でやった このゾーヴァ版「魔笛」
見たかったなぁ~
かえすがえすも残念だー
魔笛とゾーヴァなんて 大胆で素敵な組み合わせなんだもの!
日頃クラシックを聴かない方にも モーツァルトオペラは分かりやすいテーマで(愛/希望/勇気/叡智などですので)オススメです。

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思いがけない贈り物

2005-06-07 | Book 
思いがけない贈り物

作/エヴァ・ヘラー
絵/ミヒャエル・ゾーヴァ
訳/平野卿子
¥1,365

”思いがけない贈り物”という本を知っていますか?
サンタクロースがクリスマスイブにプレゼントを配り終え、ふと見ると 一つだけお人形が残っていました。はて誰のための贈り物なのだろう?
パソコンで調べてみると 今年のクリスマスにお人形をもらっていない子は 女の子は8人、男の子は数十万人、困ってしまったサンタクロースはとりあえずお人形をもらってない子供の名前をプリントアウトしてみますが 男の子のなまえは数十万もあるので女の子の名前の部分だけをちぎってタクシーに乗り込みました。
1人目は今夜もらったおもちゃに夢中。
2人目は将来の自分の活躍を夢みてお人形など目に入らないかんじ
そうやって8人の女の子の家をまわって 1人もお人形を欲しいと思ってる子が居なくて困ったサンタクロースはちぎってもってきたプリントアウトの最後にちょびっと載っていた 男の子の家にもいってみることにします。
その子のお家では妹の持ってる人形の髪を切って遊ぶ男の子が 今まさに髪を切っている状態を目の当たりにしてしまいます。
サンタクロースのポケットで プレゼントされるはずのお人形が震えてるのに気付いたサンタクロースはお人形がかわいそうになりました…
サンタクロースはどうするのでしょうか?そして お人形の運命やいかに?というお話です。

またまたゾーヴァ関係の絵本です。
絵は前回紹介した作品よりは面白みのないものでしたが 今回はお話がおもしろかったから良。
女の人が書く物語は 悲愴感漂うか皮肉が伴うか どちらかのスパイス分量が多い気がする。
この物語りも皮肉満載です。
出てくるサンタさんは パソコンも電話もタクシーも使う現代派。
夢すこし壊れます(笑)
でも 一生懸命お人形の将来を考えて たった1体のお人形のためにクリスマスイブの夜に駆けずり回るのだから 大目にみてあげて 許そうじゃないですか。
サンタさんも大変なんですよ きっと。(笑)
出てくる子供達が まぁーひどい ひどい。
おいらがサンタだったらゲッソリして 痩せるね。
痩せこけるね。
がりがりサンタになるよ。(え?ガリガリ?)
見た目悪いね。ガリガリサンタ。(え?ガリガリ?だから?なんだ 笑)
響きは良い感じ(ガリガリサンタ。おお いい響き!)

まぁ そんなわけで(え?もうガリガリ話は終わり?)
思いがけない贈り物は いつなんどきおとづれるか わからないものなんですよ。
もし あなたが
ずーーーと欲しいと思ってたものを急に手に入れたら どう思いますか?
いつか、それはかなり先だけど
いつか手にはいるだろうと思っていたものが 急に降って湧いたように。
手にいれてしまったとき どんなふうに感じるんだろうか?
信じられないけど 望んでいたものがうっかり手に入る事は 幸せな事ですよね。
いつでも手に入るものは 手に入れて嬉しくないはずないけれど、
すぐうれしい気持ちを使い切ってしまう。
使い切ってしまう気持ちは また次のちいさな幸せとうれしさを望みます。

でも ほんとにうれしい気持ちってどうなるんでしょうか。
やっぱり使い切るとお思いですか?
いいえ。
心からうれしいと感じる気持ちは残ります。
どれぐらい残るかというと
子供でも、大人でも ずーっとずーっと 永遠に遠くの遠くの先の先の先まで。
きっとあなたがお墓に行くまでずーっとずーっとです。
ちょっとや そっとのうれしい気持ちとはちがうのです。
ひときわでっかい太陽のように。
ほんとのうれしい気持ちはポカポカといつまでも心をあっためてくれるんだ。

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クマの名前は日曜日

2005-06-02 | Book 
クマの名前は日曜日

作/アクセル・ハッケ
絵/ミヒャエル・ゾーヴァ
訳/丘沢静也
¥1,575

”クマの名前は日曜日”という本を知っていますか?
主人公といつも一緒のクマの日曜日は寝るのも一緒、トイレも一緒、ごはんの時さえも一緒に仲良く隣にすわらせます
その愛着ぶりはふつうのべたべた甘えるだけでなく ときには喧嘩もします。
パンチをお腹にくらわせたりもします。
でもだんまりを決め込むクマに主人公はすこしイライラしてきます。
そんなある日 主人公がクマにメイプルシロップの沢山かかったパンケーキを与えてみたことから すこし ほんのすこしだけ 主人公の心に芽生える 心地悪さ。
それがなんなのか?
そしてクマの暮らしている世界とは?
そんな大人も子供もたのしめるユーモア溢れるお話です。

おいらはゾーヴァの絵が好き この本もそれが理由で読みました。
そして読んでおどろいた!
アクセル・ハッケとミヒャエル・ゾーヴァのコンビは最強だと思う。
ハッケのきもちをうまくゾーヴァが絵で表現する
こういう息のあったコンビは珍しい。
自分の世界も 相手の世界も きちんと助け合い補って また新たな世界をつくる関係
そういうの憧れます。
あなたもユーモアと現実を融合させるハッケとゾーヴァのミックストリックに共感を覚えることでしょう。
昔 子供だったすべての大人へ 優しいやわらかい自分の内なる感情をこの本で とりもどしてもらいたい。


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とうもろこしおばあさん

2005-05-26 | Book 
とうもろこしおばあさん

再話/秋野和子
絵/秋野亥左牟
¥840

”とうもろこしおばあさん”という本を知っていますか?
ある集落に突然みしらぬおばあさんがやって来ます
人々はこの見知らぬおばあさんを怪訝におもいますが 若い夫婦が自分達のテントで一緒に暮らそうといってくれます
その集落が暮らす土地は荒れ地で あまり食糧が取れないのですが おばあさんはみんなにどこからともなく とてもおいしいパンを作ってもってくるのです。
ある日 どこからそのパンを持ってるくるのか気になった村びとがそっと物陰からおばあさんをつけると テントにもどったおばあさんは自分の太ももを叩いてとうもろこしを出してパンをつくっているところを見てしまいます。
村人達がそのことを知ると パンをたべなくなってしまいます。
おばあさんは見られた事をしって 若い夫婦に畑を焼くようにいいます そして私を殺して髪を引っ張って畑をかけづり回れといいます
そんなことできないという若い夫婦に、あなたたちはいい人だから恩返しがしたい。といってききません。
若い夫婦は しかたなく言われた通り泣く泣くおばあさんを殺し 焼いた畑をひきづりまわします。
しばらく時がたって 焼いた畑にすくすくと青々ととうもろこしが実り
痩せた大地を緑で覆いつくし 食べ物がなくて困っていたインディアンの飢餓を救いつづけた
という インディアンから語り継がれたお話です。

ねっとりした原色に近い色合いで インディアンたちをいきいき書いてあります。
こういう絵の具の使い方を おいらはこの本ではじめてしりました。
お話も親切な夫婦がおばあさんを殺す ちょっとショッキングなのですが
逆に それだけ命は大切で
必要に迫られて 人を殺さなくてはいけない時代があったって事をはじめて知りました。
若い人や子供のために 年老いたものの口減らしをする 姥捨て山と同じですね。
小さい頃 泣く泣くおばあさんを殺す、若者夫婦に同情さえしたのを覚えてます。
絵本っていうのは ストレートで 隠す場所が無いから
その1ページ1ページがとても大切なんだ。
話しがどんなにおもしろくても 心をぐっと掴む絵がまたどれだけ読んでいる者に影響を与えるものか。
全てを伝えすぎない これが絵本の醍醐味。

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