タザ記

目指せ枕草子。

小説 向かい風 第2話 「怪しいサプリ」

2021-08-11 19:42:00 | 小説
↑前回です。まだ見てない方は是非。






そこで荻の目に飛び込んできたのは、
「飲むだけで激ヤセ!食事制限、辛い運動一切なし!」
そう書かれたサプリの広告だった。なんだと?運動もせずに痩せられる?今の俺の体ではダイエットのための運動など到底無理だ。このサプリ最高じゃねえか!!

荻は希望が見えた喜びで疑うということを忘れていた。勉強をほったらかして円盤を投げまくったせいもあるのだろうか。
早速URLをタップしてサイトに向かう。
「⚠️在庫が少なくなっています⚠️」の文字。まずい、早く買わなければ。

爆速で必要事項を打ち込み、注文。なんとか間に合ったようだ。
「これで俺もあの頃の体を取り戻せる!」
梅雨明けの太陽の光が差し込んでくる。荻は喜んではしゃぎ回っていた。
これを機に荻は変わり始めた。部屋はたちまちのうちに片付き、ポテチもできるだけ我慢した。あの日の俺に戻るため。その一心で荻は生きていた。そしてまた…。

そして1週間程すぎた頃、メールが鳴った。
荻はケータイに飛びつき、画面を覗き込む。そこには
「お待たせして申し訳ありません。明日にはお届け致します。」とあった。
ついに明日だ。明日から俺の鋼の肉体を取り戻す日々が始まる。そう思うとにやけが止まらない。
「こんな体とはおさらばさ!はんっ!」
1人だけの家で荻は声高らかに言った。

そして、翌日…
家のベルが鳴った!

続く…。

読んでいただきありがとうございました😁


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