だいぶ遅くなってしまいましたが前回の続きです。
↑前回
荻は驚いて立ち尽くしていた。そこにあらわれた数字は
'65.2kg'
最後に測ったときは71.4kgだった。この短期間で約6キロ体重を減らすことに成功していた。
「うぉぉぉーーー!!!」
荻は喜びのあまり家の中で暴れ牛のごとく走りまくった。あのサプリ、めちゃくちゃ効果あるじゃねえか!!まさか本当にこんなに痩せられるなんて!
タンスの角に足の小指をぶつけた痛みで我に帰った荻は指に息をフーフー吹きかけながら考えた。
「体重は落とせているんだ。筋肉もつけてあの頃のように…」
荻は完全に自信を取り戻していた。サプリのおかげで自分を取り戻せることを確信していた。
もっとも、荻が痩せることができたのは、食生活を変えてみたり、部屋を綺麗にしたりしたことによるものが大きく、サプリの効果がどれほどなのかは分からないのだが…。どちらにしても、荻の心の中に曇りは無くなっていた。
それから、荻は本格的に筋トレも始めた。現役時代を思い出しながら何日か続けていった。最初は全く落ちてしまった自分の筋肉に落胆していたが、自信に溢れた荻にとってはあまりに小さな溝だった。
「ふんっ!ふんっ!ふはあっ!はあっ!」
荻の身体はさらにたくましくなっていくようだった。
そして1ヶ月後、荻は再び体重を測ることにした。1ヶ月前よりもさらに減っていることを確信していた荻は、そこにあらわれた数字にまたも驚いた。
'65.5kg'
ふ…増えているだと?何故だ?俺はこの1ヶ月筋肉を追い込んできたはずだ。それなのに体重が減っていないだと?
脂肪よりは筋肉の方が重いのだから、体重が増えたということはよほど筋肉が戻ってきているということなのだが…。
荻は数字ばかりに目がいってしまい気がついていなかった。
「くそ!これでは足りないのか!よし。ウェイトも入れていくか!!」
荻はさらなるトレーニングを重ねていくことになる…
次回へ続く…
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