前回の(その1)続きです。
では、特別展『百鬼園先生、日銀金庫に入る』展、さっそくその金庫に入ってみましょう。
ここが、旧日本銀行岡山支店金庫棟内の「第一金庫室」入口です。
この金庫扉、なんだか威厳を感じますね。
先ずはこの扉の厚さと壁の厚さに驚きました。約30㎝位でしょうか。扉の内側には10本の太い金属棒があります。この棒が壁に取り付けられた金庫枠の穴(現状は塞がれています)にそれぞれ入る仕組みになっているんでしょうね。
ここはよく解らなかったのですが、金庫室の中にまたこのような小さな金庫?があります。
展示室もそうですが金庫室の内装(床・壁・天井)は全て改装されていて実際の室内がどのようになっていたのかは残念ながら解らなかったです。
第一金庫室内が特別展会場になっていますが、展示場内撮影禁止となっていました。たいした展示物もないのに・・・どうして撮影禁止にするのだろう??? 日本の美術館・博物館等の展示室はホントに「撮影禁止」がお好きですね。まるでこうしなければ展示会の格が保てないとでも思っているのだろうか・・。(図録が売れないと思ってるのかな?)
仕方がないので主な展示内容については図録の写真と説明文でご容赦下さい。
先ずは百先生が愛用していた品々の一部が展示されていました。
この黒い丸い眼鏡(最近またこのような眼鏡が流行ってる?)、この記事の始めの本人写真の眼鏡と一緒だろうか・・・。他に愛唱歌の『鉄道唱歌』、レコード盤でハイフェッツ演奏、メンデルスゾーンバイオリン協奏曲(ビクター)一枚。蓄音器一台等がありました。
さて、著作関係ですが東京帝国大学卒業後、士官学校や法政大学のドイツ語教師として勤めていましたが、文学への夢も絶ちがたく、大正11年(1922)に小説集『冥途』を刊行しましたが、これは広く世に知られることはなかったようです。
昭和8年(1933)、初期に発表した小説とは全く異なる、身辺の出来ごとを書き綴った『百鬼園随筆』を刊行します。これは18版以上に及ぶ大人気となります。
漱石の思い出から自らの借金話まで、軽妙洒脱、かつ瓢風な味わいを持つ独特の明文で綴られた作品群は、まさに香り高い美酒の滋味妙味たっぷり、と言われる作品です。(百は大学在学中から漱石の元に度々訪ねその弟子となりました)
(現在の『百鬼園随筆』-これは面白いですよ)
翌年、法政大学を辞した後は文筆活動に専念、一方で戦中は日本郵船に文章指南役を委嘱され勤めます。
戦後は、「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行ってこようと思う」。借金までして一等車に乗った百先生、世間的な用事のない行程を『阿房列車』と名付け、弟子の「ヒマラヤ山系」を共づれとして旅に出る。
珍道中のなかにも、戦後日本復興の動きと地方の良俗が描き出され、先生と「ヒマラヤ山系」の軽妙洒脱な会話が彩りを添える名作随筆『第一阿房列車』から『第三阿房列車』の三作で世に知られる作家となりました。
現代版『第一阿房列車』(旅好きの方にはお薦めですよ。第二・第三と全三巻)
百の作品には幼少期の岡山や家族、友人、先生、好きな食べ物や鉄道などが多く登場します。
中でも、
「朝はミルクにビスケット、昼はもり蕎麦、夜は山海の珍味に舌鼓をうつ。食いしん坊百先生が、幼年時代の思い出から戦中の窮乏生活。また知友と共にした食膳の楽しみに至るまで、食味の数々を愉快に綴った美味珍味面白随筆集の『御馳走帖』も食通の方々にはお薦めの作品です。
現代版は、
その他、法政大学航空研究会の記念のてぬぐい等、雑然と展示されていました。
会場内の「ビデオ人物シリーズ:内田百」をしばらく見ていましたが、もう既にお昼もすぎ、空腹を覚えたので会場を後に、当ルネスホール内の「公文庫カフェ」にて遅いランチとしました。
ここは当時、日銀岡山支店の公文書庫として利用されていた重厚な空間を利用したカフェです。入口扉は先程の金庫室のそれとほぼ同じ作りになっています。
当然、内装はカフェでありまた小さなギャラリーでもあります。この日は、昨年11月に永眠した美術作家・永井宏さんの詩写真集「恋することについて答えを出そう」刊行記念展が開催されていました。
この芸術と歴史に触れあいながら、寛ぎの空間でハヤシライス(ちょっと似合わないな~)を頂きました。
帰宅途中、ブログの写真にと思い、内田百が幼いころから大好物で、その作品の中によく出てくる岡山銘菓の一つ「大手まんじゅう」を買って帰りました。
これがその「大手まんじゅう」です。こしあんを薄皮で包んだあっさりした甘味が独特で今に至るまで当時の味を引き継ぎ多くの方々に親しまれています。
食べ物が出てこないと終われない我楽苦多日記でした。
銀行の金庫室に入るって、いいですよね♪
私も 他行に2カ所 入りました!!
一つは 神戸。どこの銀行だったかなあ~
重厚な建物がレストランになっているところでお茶しました。
・・・ここは「お手洗いは金庫室の中」なんですよ!
もう1カ所は 島根県・松江市。ここは 銀行中をお店にしていて、地下の金庫は見学できました。
時々伺って、 とっても楽しいです(^o^)
早速のご訪問ありがとう。
銀行の金庫室って独特の雰囲気を醸し出して
いますね。
この日銀さんは内部を改装したもので、入口
扉付近しかその雰囲気を感じることが出来ない
のが少々残念でしたが・・・
りりかさんが入られた金庫室は内部も金庫室の
ままでしたか。
神戸・松江と行動範囲がお広いですね。
コメントありがとう
最後の「大手まんじゅう」も美味しそう♪
まぁ、金庫室の室内は別段なんということ
ないでしょう。現に使用中なら大いに魅力的
だけどね(笑)
扉、すごいでしょう、厚さが30㎝位あるんだ
から厳かですよ。映画などで銀行強盗が地下
掘って金庫室の壁を破るのを時々見ますが
こんな扉じゃ、コンクリートの壁の方から
攻めるのが正解かも・・・なんて思いながら
みましたよ。
黒沢作品の『まあだだかい』はご覧になった
んですね。りえちゃんのこのコメで思い出し
ましたよ。百先生がモデルだったんですよね。『御馳走帖』には昔懐かしい食べ物が
いろいろ出て来ますよ。
コメントありがとう
私がやってみたいのは、コレ!って
思いました。
昔の本、絵になりますね~
このごろはインターネットやATMで済ませることが多くなりましたが、銀行の建物や内部も「いかにも」という重厚さがありますね。 私は金庫の中に入っているものに眼が眩みそう(笑)
そろそろ雪女も寒い国へと旅に出ますので、『阿房列車』を見ながら行こうかな~
そろそろ季節限定のHN、春バージョンに変更の
時期となりましたね。
どのようなHNお使いになるか楽しみにして
おります。
百先生は汽車の乗るのがお好きだった
ようですね。当時の国鉄の社内報に連続で
投稿されていたようですよ。
粋な旅、実現出来ます事祈っております。
ちなみにパピーに会いに来るのは目的がある
から粋じゃないよね・・・
銀行の金庫内より雪女さんの懐の方がボクには
目が眩みそうだけどな~
未だ積雪は残っていますよね。春の連休が
過ぎれば一番の好時期でしょうか・・・
コメントありがとう
このような所は私ははじめてです。
寛ぎの空間でハヤシライス。。いいですね。
すてきなお時間の分かち合いをありがとうございます。
お訪ね頂きありがとうございます。
ボクこそ、いつもayaさんの心優しい
祈りの詩に素敵なひと時を頂戴していること
感謝しています。
ハヤシライスはちょっと似合わなかったですね。
コメントありがとう
動物園や水族館でも夏休みによくバックヤードツアーが開催されて、家族連れに人気みたいです。
日銀の金庫室なんてめったに入れないですよね。
日銀そのもににさえぼく達入る機会がないです。
ここは日銀岡山支店が建替えられることになって、旧支店を県が保存することになったものです。
金庫室の扉、凄いですね、こんな構造になって
いたんですよ。
中身入っていたらもっと凄いでしょうね(笑)
コメントありがとう