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カトリック要理について

2022-09-05 13:07:49 | 日記
カトリック要理について 
(「神父の放言」2012年12月20日より転載)

コメント欄で「要理」に関してご質問があったので、以前書きかけていた
記事を完成させて、この機会に載せたいと思う。

この方は、「カトリック教会のカテキズム」「要約」「要理」「公教要理」
の内容や違いについてご質問なさった。

「要理」とは、教義を問答式に総合的に簡潔にまとめた本のことで、
いくつかの種類がある。プロテスタントにも要理と言える「教理問答」
が存在する。

カトリックでは、洗礼を受ける前に「公教要理」(公教とはカトリック
という意味)を勉強した。しかしさまざまな反省があって、今では
廃れている。これを使って入門講座をする神父は激減した。

それだけでなく、カトリック要理そのものが姿を消していった。
キリスト教の勉強とは要理の勉強だ、というのが一昔前の一般
だったが、第2バチカン公会議を境に変わった。

聖書こそいのちの言葉だ。これは正しい。多くの神父は聖書を使った
入門講座をする、これもいいと思う。

しかし引き続き、要理の勉強をどこかでやった方がいい。聖書で
勉強をしただけなら、カトリックの教えがあいまいなままに
残ることが多い。要理をやると全体像が見える。そして非常に
簡潔明快に答えが書いてある。

少し前に「カトリック生活 ドン・ボスコ社」という雑誌が
「カテキズム」の特集をしたときに、
「何を使って入門講座をしてますか」というアンケート
結果が興味深かった。

「聖書」が圧倒的に多い。次に自己流のプリント、あとは色々だ。
イエズス会の百瀬神父が書いている入門書などは定評があるようだ。
中には「要理」という人もいた。

さて、一度はカトリック要理に目を通しておくと良い。
手元に持っていても良いかも。
カトリック教会のカテキズム カトリック中央協議会』は
要理ではない。分厚すぎる。教える人の参考書みたいなものだ。
あれをさらに要約しないと要理にはならない。

これを読書に適したように要約したもので
カトリック教会のカテキズム
 ―要約(コンペンディウム)カトリック中央協議会
というものが出版されたあれだってまだまだ厚く感じる。
しかし幸い、『カトリック教会のカテキズム』の『要約』
よりもさらに簡潔に要理風に絞り込んだものがすぐに出た。
2冊あった。

一つはドミニコ会研究所が出しており、ドンボスコ社から出版
されているが(「カトリックの教え ドミニコ会研究所編」、
もう一つは精道出版から出されている
(「世の光イエズス・キリスト 精道教育促進会」)。

そのほかにもネットで拾えるものとして、
「こころのともしび」が出している、「カトリック要理の友」
というものがある。
これは扱っている項目は多くないが、説明が非常にいい。

「日本にあるもので一番いい要理」と言っているアメリカ人
宣教師がおられたが、そんなことを言うのもこの一人だけ
だったのでよくわからない。でも確かに説明が分かりやすく
納得できる。
➡「カトリック要理の友https://tomoshibi.or.jp/catechism/

ネットで拾えるもう一つは「子供のカトリック要理」だ。光明社が
今でも細々と発行している。分かりやすく、子供用だからといって
決して侮れない。これから勉強しようというお年寄りなんかは、
これくらい易しいほうがいいかもしれない。
➡「子供のカトリック要理http://hvri.gouketu.com/kodomoyori.htm

要理はコンパクト性がいい。暗記に向いている。これくらいの
骨組みが頭に入っていれば、何かと便利だ。これで本当に自分の
生き方、考え方の指針となったと評価している人もいた。

しかし、要点を知るだけでなく、説明などももっとよく知りたければ、
はやり『カトリック教会のカテキズム カトリック中央協議会』が一番
いいだろうと思う。

この本は、カトリック2000年の多岐にわたる膨大な神学や教義を、
総合的にまとめてくれた本で、今のカトリックは、これこれについて
どう教えているの?という疑問が起こったときに、ちゃんと答えてくれる。
バチカンによってまとめられ、公認され、賞賛されている本だ。

―以上ー



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