アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

うた恋いシリーズ 和歌撰 恋

2013-04-28 05:27:47 | つれづれ
和歌の世界にきれいな漫画とセットで今風の訳をつけた「うた恋い」シリーズは、絵もきれいだし、なにより歌の背景などがよくわかるので楽しいのでお気に入りだ。


 先日、本屋に立ち寄り新しいのが出ていたのでまたまた買ってきてしまった。「うた恋い 和歌撰 恋いのうた」という。
 内容的には恋の歌を厳選して、その技巧的な解説とともに詠まれた背景・風景などをしっかり見せてくれるスタイル。

 例によって杉田圭氏のきれいな絵が彩をより深めてくれる。まず最初の歌は、小生の大好きな額田王と大海人皇子のやりとりからだ
 あまりに有名な歌で、高校の古典で習ってから大好きな歌だったが、近年の研究では、これ自体が、政治的なパフォーマンスのためのヤラセだったという説が主流になっているようだ。


 この歌は万葉集だが、古典の授業でそのおおらかな世界観に触れ、後の古今とか新古今あたりとの違いを肌で感じたが、当時淡々と味わった柿本人麻呂の長歌も載っていた。
 「石見の海 角の浦廻を 浦なしと 人こそ見らめ」で始まり、「なびけこの山」で終わるあの歌だ。小生の記憶では、単身赴任先から帰る人麻呂が、赴任先を去るにあたり、郷愁をもって詠んだ歌・・・そう習った。

 だが、その歌には続きの反歌があったことを知らなかった。当時の教科書には載っていなかったはずだ。今思うとズルイが・・・
 笹の葉は み山もさやに さやげども 我は妹思ふ 別れ来ぬれば
 うーん、なんだ・・・結局そういうことかよ(苦笑) 


 そして最後に紹介されていた後深草院二条の歌には泣いた。
 恋ひしのぶ 袖の涙や大井川 逢ふ瀬ありせば身をや捨てまし
 二条という魅力的な女性と、それをめぐる兄弟の思い・・・そして悲劇。まさに和歌ならでは世界である。

 とはいえ、今でいえばメールのやりとりであるが、この速報性はともかくとして、当時の歌のやりとりの知的なゲーム感覚はなんとも言えない。
 ついでに言うと、技法としてよく使われる「本歌どり」というのも、そもそも本歌を知らないと成立しないわけで、教養があってこそと・・・

 そういえば、以前小生は藤原定家タイプということを紹介したことがあったが、やっぱりこういう世界にハマるのは小生が、定家タイプだから? やっぱり好きだなあ・・・こういう世界。
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