
今週こそはちゃんと紅葉を見たい。
先週のリベンジを果たすべく、遠征先に選んだのは奥只見湖。山が燃えるような紅葉が拝める、とどこかで聞いて。
そのキャッチフレーズは大げさとしても、そこまで言うなら期待はできるでしょう。
少なくとも先週の日光のようなことにはならないはず!
奥只見湖は新潟と福島の県境にあり、上越新幹線の浦佐駅が便利です。東京から朝一番の電車に乗れば、7:36に到着するので8時くらいに出発できます。
ここから県境を越えて会津高原尾瀬口駅を目指すのが良さげではありますが、距離140km・獲得標高3000mに達するためかなり時間がかかります。
日の長い季節ならいざ知らず、この季節は日没が早いので真っ暗な山道を走る羽目になります。それは避けたい。
そこで今日は奥只見湖の適当なところでUターンして浦佐駅に戻るコースとしました。
これなら距離130km・獲得標高2300mくらいになるはずなので無理がありません。多少遅れて暗くなったとしても、終盤は魚沼市街地ですから大丈夫。
浦佐駅を出発し、コンビニで補給食を買い込んでいざ枝折峠へ!
奥只見湖周辺はコンビニも食堂もなく、補給のめどが全く立ちません。秘境と言われる所以です。
そのため、補給食を準備しておかないとマジで行き倒れかねないのです。
ちなみにラストコンビニはここ。

奥只見シルバーラインとの分岐を過ぎ、枝折峠へのヒルクライム開始。標高1000m以上まで一気に登る大型峠です。
正面に見えるのは越後駒ケ岳でしょうか?
どーでもいいですが、枝折峠って「しおりとうげ」なんですね。つい先日まで「えだおりとうげ」だと思い込んでました。
この峠のうち大湯温泉までの前半は平均3%程度の緩斜面ですが、それ以降が本番です。
平均斜度7%に跳ね上がり、12,3%くらいの激坂ゾーンが頻発してくるのでペース配分を間違えると一気に削られてしまいそう。

しかしこの峠は見晴らしが実に良く、あちこちで眺望が開けています。
そして木々もすっかり色付いており、これを眺めながらのヒルクライムなら12%の激坂も全く辛くありません。
嘘です。かなりしんどいです。

この時点で今日の大勝利は確定ですが、これもまだ前座にすぎません。



そして峠を越えて奥只見に向けてのダウンヒル、ここでも素晴らしい景色が待っていました。


下り切ったところが銀山平、かつて越後高田藩が銀鉱を開発していたことに由来する地名です。

ここ銀山平には遊覧船の船着き場があり、自販機とトイレがあるので貴重な休憩場所になります。
覗いてみたら軽食を販売していたのですが、さっき峠でおにぎりを食べたばかりなのでパスしてしまいました。
そしてこの先からダム湖特有の出入りの激しいルートになっていきます。

普通、紅葉と言っても赤や黄色になるのは一部の樹木だけ。大部分は緑のままです。
しかしここ奥只見では緑のままの方が少ないくらいで、ほとんどの樹木が赤・黄色・褐色、競演するかのように染まっていました。

この辺りで出会ったロード乗りのご夫婦は、銀山平まで車で来たそうです。
なるほどそれなら枝折峠を登らなくていいし、時間をたっぷりかけられるからヒルクライムが苦手な人でも楽しめそうです。

この辺りはダム湖にありがちな地形。深い入り江のおかげで見通しが良いです。

ブラインドカーブを曲がると、いきなりこんなのが目に飛び込んできてギョッとする、そんなことも日常茶飯事。

数多ある沢の多くは洗い越しになっており、これも秘境感を掻き立てます。
でも自転車汚れちゃうんですよねぇ・・・快晴なのに。

秘境なんて言われていますが、紅葉シーズンも相まってか自転車・オートバイはかなりの人数を見かけました。
銀山平より東は道が狭く、離合が難しいので車はおススメできないんですけどね。

銀山平より先の道は沢に沿った道路で、必然的にアップダウンだらけ。
標高差200m以上の立派なヒルクライムルートも2つほどあるので腹をくくっていきましょう。


ここまで写真を撮りまくりなので、なかなか前に進みません。景色のいい所が多すぎて困ってしまうほどです。


遊覧船の尾瀬口船着場の手前にある峠っぽい所、恋ノ岐出越と言うらしいのですが、そこで折り返して戻ることにしました。
もっと先を見たい気もしますが、真っ暗になってから枝折峠をダウンヒルする度胸は俺にはありません。
後ろ髪を引かれるような思いはあれど、今日は十分楽しませてもらいました。
先週の日光の仇は奥只見で討った、と言うことにしておきましょう。
