ユイの壁は6:25あたりから
Wikipediaによれば、ユイの壁の全長は1.3km、平均勾配9.3%で最大勾配26%。市街地の坂なので長くはありませんが、勾配の激しさはさすがと言うべきでしょう。
そして日本にも「ユイの壁」と言われているスポットがあります。
一つは京都市内にある坂で、右に見える25%の勾配標識と民家の基礎の高低差で激坂っぷりは明らかです。距離は300mと本家よりだいぶ短いですが、斜度では負けていません。
こちらはもともと「京都のユイの壁」と一部で言われていたようですが、2011年に放映されたアニメ「けいおん!!」の第15話でマラソン大会のコースとして登場し、自転車乗りがここを登るシーンが描かれています。
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作中では主人公の平沢唯がここでメンバーとはぐれて行方不明になる事件を起こしており、この話の放送以降「唯の壁」という愛称で呼ばれるようになりました。
そしてもう一つ、静岡県に「由比の壁」と呼ばれる坂があります。今日はこちらに行ってきました。
今日の目的地は静岡県東部です。帰りは輪行するとして、行きを自走するか否か少し悩む場所です。
しかし今日は向かい風になりそうなので、小田原まで輪行して少し楽をすることにしました。
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小田原からはまず旧道経由で箱根を越えて、
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沼津の漁港で海鮮丼。
まだ10時だったのですがお客さんでだいぶ賑わっていました。12時ごろになっていたら、どのお店も行列ができて大混雑だったんでしょうね。
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沼津からは千本松原を見ながらしばらく海沿いを走り・・・
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富士川を越えると由比はもうすぐです。
なお橋の上はものすごい南西風にさらされ、まっすぐ走るのも難儀なほどでした。
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由比の街並みは江戸時代から続く建物がいくつもあり、線路に近い旧東海道(県道370号)を走るとそういった建物が見られます。
この正雪紺屋も400年続く染物屋で、由比正雪の生家と言われているそうです。
さて、それでは今日のお題に取り掛かることにしましょう。
由比の壁というのは由比市街地から浜石岳に登るルートで、距離は5.5km・平均斜度は11%。唯の壁や本家ユイの壁と毛色が異なり、本格的な山岳ルートです。
スペック的に近いのは距離4.3km・平均斜度12%の風張林道なんですが、走ってみるとだいぶ性格が異なる坂道でした。
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登り始めてしばらくするとあるお蕎麦屋さん「はまいし」あたりから傾斜がヤバくなってきます。
この時点で10%を軽く超えており必死になって登っていましたが、蕎麦屋の外で待ってた人たちにはさぞかし変な人に見えたことでしょう・・・
その後斜度はさらに上がり、15%~20%くらいの坂が1km近くにわたって続きます。
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そんな坂ですからペダルを叩きつけるかのように攀じ登ることになるのですが、時々見える景色は抜群です。登ってる最中に眺めてる余裕はありませんでしたが。
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由比の壁の平均斜度は11%と書きましたが、これは明らかに勾配詐欺です。
途中に緩斜面や下り区間があるので平均値が下がっているだけで、感覚的には15%以上の激坂が次々襲ってくるといった感じ。当然20%以上の区間も少なくなく、カーブ部分は30%近くあるんじゃないかと思えるところもあります。
スペック的には風張林道に近いと書きましたが、斜度の変化が少ない風張林道とは似ても似つかず、むしろ近いのは子ノ権現かもしれません。あそこの終盤の激坂区間がインターバルを置いて複数出現する、という感じです。
なお俺は2回ほど脚付きしてしまったので、由比の壁攻略とはなりませんでした。いやほら、1回は狭い所で車が来て仕方なく・・・ごにょごにょ
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息も絶え絶えになりながらようやくゴール地点に辿り着いたのですが、ここは単なる駐車場。ここから山道をちょっとだけ登れば山頂に出ることができます。
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山頂は整備された広場があり、駿河湾と富士山を一望できる眺望スポットです。今日は天気も良く、さすがに写真では見えませんが走っている新幹線まで見ることができました。
・・・駐車場から自転車を持ってくるのは少々難儀でしたが。
せっかくここまで来たので、近くにあるもう一つの名所・薩埵峠(さったとうげ)に向かうことにしました。
ここは東海道五拾三次にも描かれた場所で、富士山をバックに東名高速・国道1号・東海道本線という交通の大動脈が集中しているのが見られます。
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この写真の正面、東名高速がトンネルに入っている辺りに薩埵峠の展望台があるのですが・・・
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ハイキングコースが崩落して展望台まで行けなくなっていましたので、その手前からしか写真が撮れませんでした。
展望台からは、この写真のもっと右側から撮れたはずなんですけどね。
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