多摩川サイクリングロードの車窓から

秩父の名刹は激坂まみれ

 モータリゼーションが発達した現代において、道路はまず何よりも自動車の通行を基準に傾斜や幅が決められていきます。
 トラックが登れないような道路ではやはり困るわけで、条件が許す限り勾配は緩く、道幅は広くなっていくのは当然と言えるでしょう。

 しかし自動車など影も形もなかった江戸時代以前では人間が歩ければ良かったので、そんな配慮は当然されていません。いわゆる激坂と言われる道はそんな古い道路に多く、典型的なのは神社仏閣への参道でしょう。

 今日はそんな激坂を2つほど見学に行ってきました。



 今日の本命は首都圏屈指のネタ坂として知られる子ノ権現です。
 ここは以前に登ったことがあり無事にクリアしているのですが、買おうと思っていた自転車交通安全のお守りを買い忘れていたのです。
 それにインナーロー教団の聖典によればこのお守りを持つ者だけが風張林道への挑戦資格を得られるとされており、これを得るべく再挑戦することにしました。



 しかしその前に、飯能エリア最凶と名高い鳥居観音にやってきました。
 紅葉に染まる山の上に塔が見え、いかにも伝統あるお寺であることがうかがえます。
 ・・・しかしそんなことよりも、注目すべきは塔の位置。高低差はざっと100m以上あるにもかかわらず、道路から極めて近い。車で登るには無理がある位置関係で、むしろロープウェーがあってしかるべきでしょう。



 しかし古いお寺にロープウェーなどあるはずもなく、参道由来の道路があるのみ。
 今日は紅葉が見頃と言うこともあってか、麓では駐車場待ちで渋滞していました。
 登り始めからいきなり激坂で心が折れそうになりますが、入山料200円を払ってとりあえずチャレンジ開始。

 スタート直後、のっけから斜度はどんどん上がりあっという間に20%に到達。ギアはもちろん34T-30Tのインナーローです。

 この道は斜度もひどいですが、路面が荒れており、苔が生えて滑りやすく、しかも狭い。ヤバい要素がそろっています。
 麓で順番待ちをしているので車はほとんど通りませんが、出くわしてしまうとすれ違うのはかなり難しそうです。
 


 こうしてみると紅葉がきれいですが、そんなもん見てる場合ではありません
 この門の辺りから最もきついゾーンが始まり、サイコンで確認できた最大斜度は28%。なんじゃそりゃ。

 普通に乗っていると前輪が浮いてしまうので荷重を前にかける必要がありますが、やりすぎると今度は後輪が滑ってしまいます。
 ぎりぎり立て直せたのですが、一度苔を踏んでスピンしてしまったときは脚付きを覚悟しました。



 このヘアピンカーブを曲がると勾配が緩みます。
 激坂はこれで終わりかな?と油断していたら、またすぐに斜度が上がって20%を越え、心を折りに来ました。いやほんと、鬼かよ

 これだけの勾配があるとシッティングではまともに進まないのでダンシングで這うように登るのですが、脚以上に腕がきつくなってきました。そろそろ限界だ、はよ終われ!そう念じているとようやく駐車場に到達、なんとかゴールできました。
 一応脚付きはしませんでしたが、900m足らずの道に10分かかってしまい平均速度は5km/hほど。文字通り歩くような速度でした。




 駐車場の先には観音像があるのですが、車両通行禁止だし距離も結構あるのでここまでで引き返すことにしました。
 ここまで登るだけでもうおなか一杯になった、というのもあります。

 ダウンヒルは急すぎて怖いので歩いて降りることにしましたが、それでも自転車が落ちていきそうで難儀しました。激坂にもほどがあるってもんです。
 


 お昼は鳥居観音近くのターニップ。バイクラックが2つ置いてあり、今日も自転車乗りがたくさん来ていたようです。
 焼きカレーが有名ですが、今日はドリアにしてみました。見た目はこってりしているのですが、食べてみると意外とアッサリでするする食べられます。



 さて、腹ごしらえをしたところで本日のメイン・子ノ権現に取り掛かるとしましょう。
 といってもまあ、以前にクリアしたことのある坂なのでそれほどビビる必要もないのですが。多分。



 この看板を過ぎてからが子ノ権現の本番、この先は斜度が10%を下回ることは少なく、完全なる激坂ゾーンに入っていきます。といってもまあ最大斜度は15%ほど。普通の激坂、の域を出ません。
 さっきの鳥居観音に比べりゃ可愛いものです。比較対象がおかしい気もしますが。

 

 そしてゴール前300m、ここからが子ノ権現を首都圏屈指のネタ坂たらしめている区間の始まり。
 このコーナーの斜度もさることながら、問題はこの先のストレート。次のコーナーまで20%以上が続くのです。



 で、そのストレートを何とか登った先に待ち受けるのがこの最終コーナー。一体斜度はどれくらいあるのやら。
 とはいえ、鳥居観音の絶望的な激坂ストレートに比べるとまだしもマシに見えてきます。 

 瞬間的な斜度でいえばこちらのほうが上でしょうが、ここまでの急勾配はこのコーナーだけ。
 それに対して鳥居観音は20%オーバーが延々と続き、精神的にも堪える坂でした。路面の悪さや道の狭さもあり、あちらの方が難易度は上でしょう。
 
 とアッサリ書いていますが、実際の所はあまりの斜度に息も絶え絶えになりながら登り切りました。








 せっかくここまで登ったので、一通り見物してから帰路に就くことにしました。
 紅葉もきれいだったし、天気に恵まれて展望台からはスカイツリー(らしきもの)も見えたし、満足満足・・・・

 まあ、またしてもお守りを買い忘れたわけですが。


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