金田式のNo.213のDAC部の音をあらためて聴いてみた。偶然か、それともメーカー製と同じ出力に
なるように設計されているのか、このDACの出力は、LHH500Rとほぼ同じだ。
切り替えても、ほとんど同じに聴こえる。よく聴くとLHH500Rの方が、少し賑やかで大振りかな。
no.213タイプの方が、弦の音が繊細に聴こえる。低域も音がわずかに引き締まっているように
感じる。とは言え、しいて言えばということで、CDによってはほぼ同じに聴こえる。
ということで、No.220に行く前に、ちょっと寄り道をすることにした。
というのは、10数年使ってきた バクーンのDAC-5720改が壊れてしまったので、
新たなDACを調達するというのが 今回の製作のきっかけだった。それと DAC-5720の筐体は
すごく手のこんだものなので、できれば再利用したいということもあった。
とにかくシャーシが重いので何かに再利用しない手はない。
ケーシングの苦手な私にとってももってこいの資産だ。それと、できれば電源をバッテリーではなくて
AC電源で使えないかというテーマもあった。多いときは日に4-5時間はCDをかけているので、
バッテリー電源は やっぱり面倒だというのもある。
本家本元と言える SATRI-ICを生かしたいというのもあった。プリアンプ、EQアンプ、パワーアンプ、DACに
使っていたICが余っているからだ。このうちEQアンプの基板が もう金田式VICにカートリッジに対応
できないので、おそらく出番はないだろう。ということで これを手直しすることにした。
金田式No.213の BGA&CMの部分は基板を単独に作っていたので、これが使えるだろうと
思った。この出力をそのままSATRI-ICにダイレクトに入れてやれば動作するだろうと推測した。
SATRI-ICのバイアス電流を決める 定電流ダイオードを2mAから7mAに替え、EQ用のCRを
フィルターの定数に替えた。SATRI-ICに給電する電圧を12Vから三端子レギュレータを追加して
5Vに落とした。これでたぶんいけるはずだった。
ということで、出来上がったのが、下のようなバラックだ。
特に、トラブルもなく 音が出た。
早速、LHH500Rと切り替えて 聴いてみると、これまた レベルもほぼ同じで、違いが
わからない。もう夜中でもあり、音量も小さいので 違いがわかりにくいので、翌日 再度
聴き比べることにした。
が、それでも 本当に違いがわからない。せっかくなので、DACそのもののグレードを上げるべく
DAC入力のコンデンサを ディップマイカ(0.01)から 銅箔スチコンに替えてみたが、これも判別
つけがたし。それならばと、EQ用のSEコンの5100pFに替えてみた。が、これも そう思って
聴いてみると 低域が軟らかくなったようにも思えるが、たぶん思い込みの範疇という程度の
違いしかわからない。私のように 主にJAZZを聴く者には あまり違いが出ないのかも知れない。
大編成のクラシックとか弦楽器だと違いがわかるのかも知れない。
ということなので、いよいよ これは 電流伝送DACに挑戦するしかなさそうだ。