IT時代を創った偉人たちの1人であるビル・ゲイツは、かつて情報技術をビジネスに導入する事例やプランを総まとめにして本を記したことがある。
『@思考スピードの経営』という本書は、今も名著だと思うが残念ながら古本屋でしか見つからない。
この本で述べられる中で、今も実現していないのがテレビ広告の個人最適化である。
ここでその実現性を検討したい。
YouTubeやネットの広告は個人に向けて最適なものになっているのに、テレビのCMは今も同じものが流れる。
多分僕なら、「東京都内で新しい商業施設が出来て今ならお得だ」とか、バフェットやレイダリオ、ビルゲイツに関する本が出たとか聞いたら訪問したり買ったりと動き出すだろう(大きな建物の商業施設を見るのは趣味だ)。しかし美容液のCMが出ても、きれいな女優が出るので嬉しくはあるが、経済活動にはつながらない。
IT企業が広告を最適化することや日常感覚からいって、最適化が経済効果を出せることは明確だといえる。
実現した場合の効果には、同じくビルゲイツの本の中で、「データ解析を行なってメール配信を最適化したことで、メロン銀行は目標数の顧客獲得に必要なメール配信数を5分の1にした」例がある。
つまり、粗い試算ではあるが広告効果は5倍になりうるのだ。(今も番組に応じた調整はあるだろうから多少は改善余地は減っているだろうが、「例えば半沢直樹を見ている人はこんな人だろう」という予測がどれだけ当たりそうか考えれば、ほとんど調整出来ていないように思える。)
テレビ会社も最適化の検討をしているだろうと思う。
しかしここでの障壁はデータ取得である。そのテレビを見ているのはどんな人なのか、Googleのように情報入力してもらったり出来ていない。(出来るとして受信料契約データをもつNHKだが、ここに限ってCMは関係ない)
テレビ会社の打つべき次の一手は視聴者に情報を入れてもらうことである。
この取り組みは今後なされていくだろう。住所と世帯構成、やがては視聴データに基づく趣味の分析も行い、最適な広告配信をどこかで実現するはずだ。
情報さえ手に入れば、テレビごとにIDを付与してインターネット通信を接続し、広告の時間になったら最適化した広告を流す仕組みにするのではないか。
広告最適化効果を考えれば、その経費はテレビ会社で積極的に出しにくるだろう。
テレビ会社が情報を得る方法は、既に情報をもつ会社を買収して情報連携を顧客ごとに確認するか、懸賞品付きアンケートなどで集める方法があるが、せっかくテレビという接点があるので、後者ではないかと思う。
以上から、テレビ広告最適化は、テレビ会社からのアンケートがテレビに放映される形で徐々にスタートすると思う。
アメリカと日本の地方銀行の経営状況を分析したレポート
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