死者がでなかったのは幸運でした。原因の究明はこれからでしょうが、ニュースによると、動 力を台車へ伝えるシャフトの脱落、脱落部品による脱線に加えて燃料系統の損傷による火災発生が原因のようです。整備不良だとしたら大きな問題ですが、故障、トラブルは100%防ぐことはできません。しかし、今回気になるのは万一事故が発生したときの対策ですね。一番怖いトンネル内で列車は走行不能、火災発生。今回の事故は「想定外」とは言えないですね。乗務員は対応マニュアルに従い状況を確認しに車外に、ところがその間に車内に煙が充満、乗客は待っていられず自ら車外へ、助け合ってトンネルの外へ脱出。トンネルが短かったのが幸運でした。
私が中学生の頃「北陸トンネル」内での列車火災による大惨事があり、その教訓からいろいろと対策が練られたはずです。いわんや昔のように石炭オーブンを使う食堂車もなく、車両は難燃材で作られ、全面禁煙です。リスク評価とその対策の実効性は検証されていたのでしょうか。万一の場合は乗務員の指示に従う、それしか乗客は知らされていないのですから不安です。小さい頃、鉄道、船舶、航空、運行にあたっては半ば軍隊のような規律の下、乗客の安全のために使命感をもって働く、そんな姿を尊敬し、憧れました。たぶん、今回の乗務員も職務怠慢なことはなかったと思います。誰も乗務員に「塩狩峠」のような犠牲は求めていません。これは経営の問題であると思慮します。安心な旅が担保される対策を望みます。