ケバブグランプリ最終決戦の目玉のひとつ。それがエフェケバブさんで使われている、自動ケバブ削りマシンです。
かつて渋谷にあったケバブ屋が使用していたとの目撃情報を伺いましたが、現在日本で稼働しているのは、恐らくエフェケバブさんのみではないかと思います。
リモコンによる操作もできれば、全自動モードにすることも可能なこのマシン。ドイツ企業とトルコ企業の共同制作で、お値段は詳しく言えませんが「高すぎるわけではない」くらい。普通のケバブ焼き器が、およそ15万円からということを考えると高いのですが、なんといってもこの機械は自動なので、「人を雇ったと思えば」高いわけではないのです。
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そう、この自動ケバブ削りマシン。なにが具体的にすごいかと言うと…
1.人手を減らせる
ケバブ屋さんは基本的に慢性的な人手不足。人手が減らせると書きましたが、店員さんの数は過剰ではなく、むしろ限界を超えて必死にやっているお店がほとんどです。地方では1人か2人で仕込みから販売までこなすお店も珍しくありません。
下記リンク先の動画をご覧頂けると、ケバブを切ることは見た目以上に難しいことがわかります。機械が自動でケバブを切ってくれると、パンを焼いたり野菜を詰めたり、下ごしらえやサイドメニューの調理など、色んなところに人を割り振ることが出来、かつ店員さんの体力温存も可能になります。
ケバブを自動で切ってくれるこのマシンは、救世主的存在です。
▼「ケバブグランプリでケバブ作ってみた!」Youtubeより
https://www.youtube.com/watch?v=pleambI4ZzE
2.人の手レベルで薄く切れる
日本で食べられるドネルケバブのお肉は、主にチキンとビーフの2種類があります。コストの関係でチキンが多数派ですが、チキンはビーフに比べて切りにくいという難点があります。そのため、チキンをゴロっと大きく切って提供するお店も少なくありません。
そしてこのマシンですが、人の手と同じくらいの薄さで切れています。チキンに関して言えば、正直人の手を超えるレベルで薄く切れ、実際に食べていても「機械だから」と言ったような違和感はありません。
3.味がブレない
ケバブの面白いところは、切る人によって切り方が変わり、味が変わることです。しかし、機械は一定に切っていくので、面白味は無くなりますが品質を均一に近づけることができます。店員さんの入れ替わりが激しいケバブ業界において、味がブレないということは意味のあることです。
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さて、一見完璧に見える自動ケバブ削りマシンですが、見た感じ弱点もあります。
1.機械ゆえの繊細さ
安全装置が優秀で、肉が機械に詰まったり、削るお肉の表面が荒くなったりすると、センサーがそれらを感知して機械が止まります。これ自体は良いことなのですが、意外と止まる回数が多いので、ずっと全自動で任せっきりとまではいきません。なので、人手は減らせるのですが、機械の面倒も見れるくらいの余力は必要です。
また自動で均一に削るので、お肉も表面が凸凹しているとマシンが動いてくれません。これを見越して、あらかじめ機械の仕様に合わせたお肉を作らなければいけません。
2.切り時の確認は必須
実はこのマシンを使ったからと言って、即おいしくなるわけではありません。ケバブは切り方も大事ですが、切り時もとても大事です。例えば早すぎると危険な生肉を出してしまいますし、焼き過ぎると固くなって味も落ちます。全自動にしていて目を離すと、意図していないタイミングで肉が切られることもあります。
あくまでもこのマシンは「切る」ことが自動なので、いかに美味しいタイミングで切らせるかは、人間に委ねられています。
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「とてつもない機械だなぁ…」というのが、このマシンを初めて見た時の感想です。弱点はありますが、それをカバーして上手に使えば大きな可能性を秘めています。ケバブ業界の未来を感じられる自動ケバブ削りマシン。ぜひ会場でご覧頂き、実際にケバブを召し上がっていただきたいです。