先日、友達のコネで、あるボクシングの試合を「VIP」席で見られるということで、リングサイドの席で見てきた。
その友達の仕事関連かなんかで、招待チケットがあるとのことだったんだけど、その席が、リングまで5メートルほどのすんごい席。ま、席自体はパイプイスなんだけど(笑)、選手が間近で打ち合うのを見られて、これまた怖かった(笑)。
「VIP」席というだけに、周りはスポンサーの人とか関係者で埋まってて、一般の席は空席がたくさんあったけど、俺もそんな前の方の席に紛れて友達と観戦。
それに、テレビで見る有名な(元)ボクサーの人もいたりで、「おお~」とそれでさらにテンションもあがる。
俺、その日はスマホを忘れて出かけてしまい、友達との待ち合わせも連絡とれずドキドキしたけど無事に会えて、でも試合の写真は撮れず(笑)。
試合は7、8試合あって、ボクサーの人らは世界ランカーといっても十何位とかだったり日本のランカーだったりで、テレビで見られるような大きなタイトルマッチとかでは当然なかったけど、それでも彼らも“プロ”。ボクサーの息遣いや「バシッ、バシッ」と殴る音も聞こえる至近距離で見られて、そうやってランクをあげていずれ世界を狙っていくボクサーたちを見ていろいろ感じた。
KOの試合もあって、ボクサーの人のアゴにパンチが当たって倒れるシーンも間近で起こる。
殴り合いを見ててこちらも体がこわばる。
1ラウンド終わるたびに深呼吸して体を伸ばす。飛び散る汗もあり、流血もあり、テレビで見る以上の迫力に圧倒されっぱなしだった。
テレビで見るタイトルマッチとかは全12ラウンドだけど、俺が行ったのは全4ラウンドとか6ラウンドのもの。
それでもかなりしんどそう。
当たり前なんだけど、これまた、テレビで見るタイトルマッチで12ラウンドをフルに戦うのがどれだけすごいのかも思い知る。チャンピオンとか防衛とかよく聞くけど、そういう人もそこまでいくのにこういう小さな会場での試合をこなしてそこまで上りつめてるわけで。まして、そんなタイトルのかかる試合はそんな間近で見ることなんてできないだろうから、ホント、今回はそういうのも感じられて貴重な経験だった。
周りも熱いファンの声援や、「相手はきいてるぞ、いけいけー!」なんて怒鳴る人もいたりで、応援も熱い。
リングは低くてヒザの高さくらい。で、周りにジャッジの人や、アナウンスの人や時間を計ってる人、カメラマンの人がリングを取り巻いてる。俺らの席はそのちょっと後ろ。誘ってくれた友達に「そんなにいい席ではないと思うんすけど」とは事前に言われてたけど、いやいや、近すぎるだろ、というくらいの距離で、初めてボクシングを生で見た俺はただただ驚く。
体重が50キロ台前半のボクサーでも、殴られたら相当きくだろうなってパンチを繰り出す。俺ら素人がやられたら間違いなく倒れてるだろう(笑)。俺らと15キロくらい違うボクサーでも、スリムで小柄であっても鍛え上げられてて腕の筋肉とかもすごい。それでいてボディー打たれてるのを見ると、こっちまで脇腹が痛くなってくる(笑)。
50キロ台後半のボクサーの試合では、それより軽い体重のボクサーよりパンチの重さが全然違うのがわかる。どおりでボクシングは体重ごとに細かに階級が分かれてるわけだ。数キロ多いだけで腕もより太いし筋肉もよりついてる。腹筋が割れてるのも当たり前。それでも相手から打たれたところは赤くなってたりで、そういうのも間近で見てすごかった。
観客のなかには子供もたくさんいたけど、子供には刺激が強いような、そういう印象もあった。
「そんなにどつかんでもいいだろ」っていうくらい(笑)、劣勢の相手にラッシュかけて連打してたりで鼻血も出てたり目の上を切ってたりで血も流れる。
ボクサーってとんでもない職業だ。
でも、それで自分の今後が決まるんだから相手が倒れるまで殴らないといけない。殴られてる方も、それで倒れては自分に負けがつくんだから簡単にやられるわけにはいかない。
判定までいくと、リングアナウンスの人の“発表”でその明暗が分かれる。
そういう勝負のリアルな世界を見た。
彼らのファイトマネーも、そういうランクでは格安だろう。
普段はバイトしてたり普通に働いてたりで、夜にトレーニングしたりしてるそう。
それでも勝負の世界だから当然勝ちもあれば負けもある。
負けた選手も間近に通って引き上げて行ってたけど、その数十分、ヘタしたら数分のためにがんばってきててそれで負けたとなればやはりその落ち込みは大きかったりもする。俺がたまたま青のコーナーの近くだったから、そういうボクサーもセコンドの人とかも近くで見られたけど、それにしてもリアルで、それでメシを食ってこうとしてる人らのすんごい努力とか“仕事”のすごさも間近に感じた。
これまで無縁だったそういう世界、プロの世界を見られてよかった。
ほとんど20代、当然平成生まれのボクサーもいたし、外国から来てるボクサーも数人いた。
30歳代の人もいたし、いやあ、とにかくすごかった。
それでも試合となればあっけなく終わってしまうこともあり、やはりそういう世界も相当厳しいんだと思う。
その友達のはからいで、その日に試合をしたボクサーの人に紹介してもらい、握手してもらった。
まだ若く、でもその日はKOで勝ったし、今後も期待できるボクサー。
会って話すと笑顔もさわやかで礼儀正しくて、見た目は好青年なんだけど、リングにあがるとやはり違う。同じ人かと思うくらい変わって、それでいて相手をどつきまくる。
俺も人の応援をしてる場合ではないけど、その人は名前も覚えたから今後も応援していこうと思った。
それにしても、それにしても、ボクシングを「職業」としてやってくのはすごい。
俺はやろうとも思わんけど(笑)、やはりやるからには、それでメシを食ってくには、それはそれで生半可な気持ちではやってけない。ただ「チャンピオンになりたい」、「カネを稼ぎたい」だけではそんだけやれるモチベーションも続かないだろう。
過酷な減量やトレーニングを続けられる、そういうモチベーションについても機会があったら聞いてみたい。
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