最近、電話で、会社や他士業の人から「顧問するならいくら?」、「この手続きするならいくら?」と問い合わせをもらうことが増えた。
ありがたくはあるけど、顧問料なら会社の規模にもよるし、手続きならその背景も聞かないと答えられなくもある。
しかし、先方はやはり「結局のとこ、カネがいくらかかるものか」が気になるわけで、まずそういう聞き方をしてくる。
こちらもそういった先方の情報や状況を聞きつつ、それならいくらです、と概算で答える。
問題はその答える時の額。
やはりいったんそう言ってしまった以上はそれより高くはできない。
言った額より安くても文句は言われないけど、高いと当然よろしくない。
後日会ってコトを進めるにも、「聞いてたのと違う」とあとあと言われるのもつらい。そういう問い合わせから俺と会う段取りまでいくとなると、先方は実際に依頼してくれる、顧問になってくれる、ってことも考えてるわけで、そこで当初言ってた額より高いと印象もよくないだろうし依頼や顧問自体考え直されることにもなるかもしれん。
なもんで、電話での話を聞きながら、頭をフル回転させて、「この会社ならいくらにしよう」と考える。
でも、ストレートに「いくらです」とはっきり答えた方が先方はイメージしやすいしわかりやすい。あれこれ言ったり「いくらからいくらくらいです」なんて幅を持たせては聞いてる方もイメージできんだろうし。ましてや、手元で報酬表なんかを見ながらとか「いま出先なんで事務所に戻ってから」なんて電話でモタモタやってたら、額そのものよりこちらのイメージ自体が悪くなる。
先方が聞きたいのは「額」だ。
最低限聞いて、それで即答した方が印象はいい。
額そのものの印象も気になるけど、最初の最初は問い合わせをくれた相手に対してこちらが堂々と答えることも大事かと。それではっきり額を言う。それが検討してもらう根拠、基準にもなるんだから、俺の提示した額が先方が思ってるのより高くてもこちらの回答としてはあれこれ考慮しつつ希望の額でシンプルに言う。
その言い方も、「これくらいでお願いしてます」ってのもいいけど、「本来はこれくらいかかるけど、ご紹介ですしそれでいいですよ」という、ちょっとした言い方の工夫で多少高く聞こえるような額でもそう伝える。
しかし、俺としても、せっかく問い合わせをもらったんならモノにしたいわけで(笑)、「これくらいはもらいたい」という額と、「多少なりとも安くしよう」という額とが頭ん中で交錯する(笑)。
で、後者(安くしたい、という方)が先行してしまい、それで伝えてしまう俺。
電話のあとになって、「あー、もうちょいとれたなあ」とか「もうちょい高く言ってもよかったな」なんて思うこともある。というか、そういうのばっかりかもしれん(笑)。
まあ、後悔まではいかんでも、俺自身もちょっと見た目で高い金額を言うのに臆病になってるのかもしれん、と自分で思う。
見た目で高かろうが、かかるもんはかかるし、こちらももらいたい額はそうなることもある。それが一般的に相場として安めでも、それは額を見た目だけで判断する会社、社長にはわからない。
俺は自分でいくらなら高いか、というラインが明確にあるわけでもないけど、やはり会社や顧客は見た目の額でイメージする。こちらがどんだけよくしても、顧問料なら毎月のことでもあり、聞いてる側が「それが今後毎月かかってくるのか」とネガティヴになると契約まではいかん。それこそ、「今はいいわ」となる。
もちろん、こちらも堂々と言っていいものだし、それだけもらうならそれだけの仕事、アピールをすればいい。ただ、そこも、たとえばメディアに出てたり本書いてるようなサムライの、高い報酬を言っても依頼が来るような“ブランド”があればクリアーできもするし、会社としても「このセンセは本書いてる有名なセンセだから」ともなるだろうけど、俺の場合は、もともとそこまでしてないし、小さい会社相手に見た目の高い、まして毎月かかる顧問料を最初っから提示するのははばかられもする。
将来的に、人が増えたり会社の売り上げがあがってきてから顧問料を改定することもアリなわけだし、最初っから自分でも高いと思うような額では当然言いたくない。
ま、俺自身はそんなに高い額で言うことはないし、問題はその価値を先方にわかってもらうか、でもある。「それでこの額は良心的だ」とか「今のなんもしてくれん社労士に比べたらありがたい」ってなればこちらも悩んだ末にその額で言ってよかった、ともなる。
一方で、他で安いとこがあるからって他にいくようならそれもしょうがないけど、それでも先方には検討してもらう候補には入れてもらいたいし、その後長い付き合いになるならこちらも(俺の中では)好意的、良心的に額を提示しようと思う。
それでも、聞いてる側は問い合わせの段階でそこまでの俺の複雑な心境をわかってくれるわけでもなく(笑)、俺自身も「もうちょい高くてもよかったかな」と言ったあとに思うところがある(笑)。
やれることや対応できることには多少なりとも自信があっても、それも依頼されてナンボ、でもある。
どんなに切れる刀を持ってても、切るものがなければただの飾りだ。サムライの仕事も依頼があって資格や実務が活きるわけで、そこで安い額で安請け合いをしてしまうか、プライド優先で高めに言うか、そのバランスは難しい。
でも先方はまずは「額」でこちらの印象を決める。
当然安い方がいいだろうし、他のサムライで同じことができるなら安い方を選ぶのも当然だ。そういうのも知ってるからこそ、俺も自分から言うその額が、こちらサイドのことより先方にどういう印象で伝わるかを気にもする。
しかし、仮に、安めの金額で手続きなり顧問なりをするにしても、まあ、今後案件があるたびにその後もらう報酬で多少なりともカバーはできるし、顧問料となれば会社にとっては毎月のことだから安い印象の方がよくもある。その後の手続きまで格安にする必要もないだろうし、いったん自分の顧客になったんなら良心的な金額の範囲で長い目で見て自分のトータル的な売り上げを確保できるようにすればいい。もちろん、それで安心して楽観的になっていいわけでもないし、日ごろの顧客へのケアや信頼を築いていく配慮は常に必要でもある。
そういうのもできて、前述した将来的に顧問料を改定(あげる)できることにもつながるわけで。
ま、そんなわけで、そこまで俺自身がそう最初に“口走ってしまった”安めの額が特別よくないとかすごく後悔する、ってもんでもない(と、そう思うようにもしてる(笑))。
そして、こちらも電話の問い合わせから即答で額を言った以上、それで一応でもやるようにハラをくくらなあかん。あとはどうカバーしていくかの要領だ。
結局は、そういう問い合わせからモノにできれば、そういう心配も取り越し苦労になるんだろうけど、だからこそ、大事なのは最初の回答でモノにできるか、どうか、でもある。
安ければいいってもんでもなく、また、「安かろう悪かろう」では当然いけないわけで、手続きにしても顧問にしてもそれに価値を持たせるためにもこちらも一定以上の額で提示しないといけなくもある。
そのバランスが非常に難しい。
かと言って高めだと、先方は当然悩むし、こちらとしてはそれで来なければゼロになる。
ゼロか、安くても多少のプラスか、となると、それも後者を選ぶべきでもある。
でも、こういうご時世で報酬も顧問料もサムライごとの言い値でもあるから、薄利多売で格安でやってるとこもある。本来やったらあかん資格で格安で請け負ってやってるサムライもいる。それで比べられては、俺みたいな小さな事務所は価格競争なんかに勝てるわけもない。っていうか、そういうのには巻き込まれたくもない。
社労士を変えたい、行政書士&社労士で面倒をみてもらいたい、と、俺に言ってくれるのはありがたい。
しかしこちらも仕事なわけで、そのあとにカネは当然絡む。
先方もカネがいくらかかるのかも関心事。
その折り合いがつく額がいくらなのか、どこが落としどころで合意できるのか、そのバランスは難しい。
俺のとこは決して高くはない、それは言えると思う。
ただ、見た目の額や、「他でやっても同じだから」、「安い方がいいから」というだけの基準で決める経営者、社長だと破談になる可能性は高くなる。そういうとことは最初にこちらが歩み寄って安く提示しても、その後の手続きやら案件やらでもなにかにつけ安く求めてもくるだろう。
再度書くけど、それでもゼロよりはいい。
でも、足元を見られて数千円でも削って言ってくるようなとこもある。
そんな経緯もありつつ依頼を受けるためにまずこちらがいくらで提示するかのバランスがやはり難しい(笑)。
こちらも、気に入ってもらえる、了解してもらえるであろう額で「こんくらいならどう?」と言うも、やはり先方のリアクションは気になる。それでも高いなあと言われるようなら、それがあまりにもぶしつけだと(笑)「ウチはこれでお願いしてるんで」と最終的には言わなあかんこともある。
そのバランスが難しい(笑)。
ビンボーヒマなしで、安い仕事でストレス抱えながら、あれこれ言われながらやる仕事はしたくない。
ただ、顧問にしても手続きにしても、まずは「会社のため、自社のため」と思って考えてくれる経営者と出会う、紹介してもらう、ってのが大事なとこでもある。
そんなぜいたくを言ったり顧客を選べる状況でもないけど、それでカネにならんけど時間と心労はかかる、ってな流れは自分で避けないといけない。
高い報酬や顧問料を堂々ととれるだけ自分の質をあげる、自己研鑽していく、付加価値をつけていく、ってのは今回はあえて触れないけど(笑)、その質、スキルも、依頼や顧客がなければ宝の持ち腐れにもなりうる。
今回のことは、結論として、言ったことはしゃーない、それで来るならその額で面倒みます、と割り切る、ってことかと(笑)。
それでその後のその他の案件でこちらが望むバランスを長い目でみてとっていけたらいっか、と。
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