昨日はゴールデンウィーク明けで、二週間ぶりの稽古でした。
ひろゆきさんの腰はあれから二週間立ちますが、完全ではないにしても、一時期よりかなり調子がよさそうです。
今回も道衣に着替え、稽古に参加できました。
ついこの前まで、あれだけ深刻な状態から合気道ができるまでになったことが不思議です。
しかし、無理は厳禁ですので、体と相談しながら、徐々に慣らしていきましょうね。
ところで、最近私は心身統一合気道のルーツでもある心身統一法を唱えた中村天風先生の「成功の実現」と言う本を読みました。
今までも中村天風先生の本は色々読みましたが、この本は約400ページもあり値段も1万円を超える高価な本なので、なかなか読む機会がありませんでした。
中村天風先生の教えは、弟子である、合気道の藤平光一先生へと受け継がれ、心身統一合気道の誕生となりました。
中村天風先生の心身統一法の方法と、藤平光一先生の方法は、同じ状態を指しているのですが、言葉での説明上はかなり違っている点がおもしろいです。
例えば、心を落ち着ける方法として「天風式クンバハカ」が紹介されています。
「クンバハカ」とはヨガ哲学の最高の精神方面のヨガである、「ラジャ」と「カルマ」の用語で、「最も神聖な状態(ホリー・アティチュード)」と言う意味だそうです。
難行苦行をするためには非常に強い心と肉体がなければできないので、そのための方法が「クンバハカ」だそうです。
中村天風先生は「神経反射の調節法」として、「天風式クンバハカ」を紹介されています。
具体的なやり方は、腹が立つこと、心配なこと、恐ろしいことなど何かにつけて感覚なり感情なりにショックを受けたら”すぐ肛門を締め、おなかに力を込めると同時に、肩を落とす。”という方法です。
この三ヶ所がそうした状態になると、感情や感覚の刺激は心には感じても、神経系統に影響をあたえない、いわゆるショックを和らげる効果があるそうです。
ところが藤平光一先生は、そのやり方は間違いだと指摘されています。
”おなかに力を込めてはいけない。
力を込めるのではリラックスなどできず、この状態で押されるのでは簡単にひっくり返ってしまい、統一体にはならない。
下腹は力を入れるところではなく、心を静めるところである。
肛門を締めるのは正しいが、リラックスができれば自然に締まる。
臍下の一点に心を静め、全身の力を抜きリラックスすると、結果、自然と肩が落ちる形になる。”
と述べられています。
中村天風先生は、リラックスした結果のビクともしない不動体(統一体)はご自身はできているのに、その出来上がった”形”から教えたため、お弟子さんたちは逆に力んだもろい姿になっていたそうです。
藤平光一先生はその誤りを直接、中村天風先生に指摘し、天風先生もその誤りを認め、その後しばらくは教え方を変えていたそうですが、天風先生が亡くなったあと、いつのまにか元の形へ戻ってしまい、本などもそのやり方がそのまま説明されているそうです。
”心身統一の四大原則”と”天風式クンバハカ”は完成形は同じことをやっているのですが、方法の説明が全く違うのです。
しかし、心身統一合気道について、中村天風先生を研究することによって、もっと深いところを知ることができました。
色んな気づきもありましたので、また、合気道の稽古に取り入れていきたいと思います。
心身統一合気道の原点を探る私の興味は尽きず、中村天風先生のそのまた師匠であるインドのヨガの大哲学者カリアッパ先生についても興味が湧いております。(笑)
迷ったら、原点に帰る。
そして”古きを訪ねて、新しきを知る。”ですね。(笑)
(*注意・2006年7月1日に、この当時の「合気道 苅田道場」を離れ、”合気道真風会”として再スタートをしました。)
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