感じたい女であるけど(笑)

もう50才なのに「何やってんだよ」という生き方してます。変な女が変な男と会った出来事。

「歪んだ愛」 17話

2019-11-11 16:55:02 | 小説
普通に考えて、結婚できない男性と30過ぎて付き合うなんて時間の無駄。

心のない男性を好きになってもしょうがない。

切り替えなければ・・・気持ちを切り替えて、新しい恋を探さないと。

でも日常でなかなか男性との出会いはない。私は誰かの恋人になりたい。いつも構ってくれる男性の存在が欲しい。

ある男性とまた出会い系を通じて知り合った。写真は交換しなかった。私より少し年上だった。営業の仕事をしているという。
1週間くらいメールしてから会ってみた。
身なりはきちんとしていたが、顔が老けてる。典型的なオジサン。私はゾッとした。
この人と2回目はない。
絶対にイヤだ。和也と見た目が違いすぎる。
実年齢より若く見える男性のほうがいい。・・・私は強くそう思った。
もう少しでラブホに連れて行かれるところだった。

私はあんなオジサンに抱かれるために出会いを探してるわけじゃない!

たまに和也にメールした。返信はくれたが内容が冷たい。
最初と全然違う。

「たまに返信はするけど。そろそろ他の男性に構ってもらって・・・」

2人はプライベートで会ってるんじゃないかと和也に言った西川くんは、その後、他のことでも派遣先の私が勤める職場に不満があったらしく、自分から辞めていった。

私は和也を思っても仕方ない、嫌いにならないといけないと自分に言い聞かせたが、初めての男性はどうしても忘れる事ができないと思ったりしていた。

どこかでまた和也から「会いたくなったら、連絡くれていいよ」とメールがくるのではないかと期待していた。

「歪んだ愛」 16話

2019-11-11 16:38:34 | 小説
私は山崎くんの携帯へ電話をかけた。

わりと早く山崎くんは電話に出た。
「もしもし」
「山崎くん・・・わたし」
「あ、中原さん?」
「そう。山崎くん、私、怒らないから本当のことを言って欲しい」
「なんっすか?」
「あなた、私と川村さんのことを西川くんに話した?」
「えっ!話してないっすよ」
「川村さんからメールが着て、西川くんに私とプライベートで会ってるんじゃないかと言われたって!」
「俺は言ってないですよ!なんか他の従業員も何人か知ってるように言ってたんで、俺も驚いてるんです。」
「本当に?」
「本当です!」
「山崎くんに話した私も悪かったと思ってる。本当に西川くんに喋ってないの?」
「喋っていません!」
私は彼の言うことを心から信じる事ができなかった。
仕事中の態度も自分の契約時間がくれば、先輩に挨拶もせず帰ったり、毎日の体調を記入する用紙にいつも体調バツと書いたり・・・・自分のことを棚に上げて先輩の悪口を言ったりしてる。
しかも・・・西川くんと仲がいい。
私が疑っても仕方ない。

怒らないと伝えたのに本人は「話してない」と言う。山崎くんを信じていいのか?
私は頭の中が混乱していた。

和也から返信がきた。

「中原さんから、この事は誰にも言いませんって言ってくれたよね?信じてたのに・・・よりによって山崎くんに話すなんて。言わないという事が全てだったんだよ。もう僕は中原さんは無理」

嫌われた。完全に嫌われてしまった。

でも、嫌われてもどうでもいいはず、私は和也との関係を続けるつもりはなかった。
割り切りだとしても、奥さんにバレたら怖い。
奥さんに罵られて、慰謝料を請求されたら・・・想像しただけで、絶対にそんな目に合いたくないと強く思った。

これでいい。正直に言ったのに、やはり拒絶された。でも、拒絶されたほうが良かったのかもしれない。
私はその時は、そう思っていた。