小馬太郎兵衛@タコのイカ踊りぃっ!!

ブログの老後をユラユラ楽しむ悦楽ブログって言ったけどさ、もう一発くらい狙ってもいいのかな。やってもいいかな?

道央気まぐれない列車 07 登別の夜は更けて

2015-01-12 00:00:01 | それゆけ乗り鉄トラベラーズ
おいおい、なんだい君たちぃ、話が違うぞぉ!まほろば予約したろう!?←

こちらの記事の続きであります。

ちなみに目次はこちら。

のっけから、いきなり「水曜どうでしょう」をたしなまい方々にはなんのこっちゃかわからんせりふから始まりましたw

さて。
路線バスの時間も特急にはなかなか合わず、駅付けのタクシーで今宵の宿、ホテルまほろばへ運ばれた我々。

一見して我々を「内地」の人間と見抜いたタクシー運転手、昔は都内でお仕事をされていたとか。
15分程度揺られた車中で、運転手がなかなか興味深いことを漏らした。
「登別は、今は本当に少なくなったけど、昔ながらの温泉街の風情が残っている街ですよ。意味はいろいろとありますけどね… ( ´Д`)y━・~~」
……。
ほうほう、なるほど。
「登別は外国人、特に中国人のツアー客がとても多いんですよ。夜になると温泉街は結構にぎわいますよ」
……。

「 ( ´Д`)y━・~~まあ、『ここはどこの国だ』っちゅう話ですけどね…」

そういえば、去年(つまり2013年)11月に、家族旅行で北海道に行ってどこぞの温泉宿に泊まった職場の上司が、その温泉宿が中国人ツアー客に席巻されており、ほんと最低だった…という話を聞いていて、いやいや登別は国内でも有数の温泉観光地だし、中国人に席巻されるようなことは…ということは思っていたのだが、どうやら登別とて例外ではないらしい。
というのは、時期が11月とこれから寒くなってくる季節、アジアの人々にとって、雪はなかなか見られない貴重なものであるらしい。
その証拠に、11月上旬から中旬にかかる深秋の季節にあっても、登別温泉への道中、洞爺湖へ通じる道道2号線の電光掲示板には、「オロフレ峠 積雪注意」という文字が光っていた。
おそらくツアー客にとって、洞爺湖と登別の間に見られる積雪は、一番の車窓ポイントになるに違いない。

そんなわけで、登別温泉「ホテルまほろば」に到着いたしました。

びゅうプラザからの予約とあいまってか、あてがわれた部屋は6階の山側。部屋から見えるのは山肌ばかりという、景色と問われれば難点がありありの向きだが、登別温泉だけは、部屋に景観は問うておらぬ。
とにかくお湯があればいい。

ホテルにチェックインした直後、これまた観光バスで到着した中国人ツアー客ご一行様と鉢合わせしてしまったため、とにかく荷物を解くには急いでひとまず解いて、中国人団体客とは鉢合わせせぬよう、まずは風呂だと急いで大浴場に下りる。

…遅かった(´・ω・`)

合計30種類をゆうに越える風呂が自慢の「ホテルまほろば」。
脱衣所に案内のおばさんがいたのは、これまでいろいろ温泉地を巡った拙い経験の中でも初めてのこと。
それは案内というよりほぼ監視に近い。
そらもうあれですわ。
一見の外国人が、日本独特の浴場文化を理解しているかといわれれば、自ずと案内係のおばさんを置くのが正解と思えるところで。
「ほらあんた、タオル持ったの?持ってないと入れないよ。ああ入っちゃった」
なんてやりとりを見ていると、確かに案内のおばちゃんを置かぬよりは置いたほうがマシのようには思えるが、どの程度効果があるかは甚だ疑問。
ただ、まったくフリーパスよりは置いてもらったほうが、日本人観光客には安心だとは思う。
ここは日本なのに、「日本人観光客」などと書かねばならないところが、どれほど外国人、特にアジア系の観光客が多いかをうかがわせる。

脱衣所にはアジア系観光客に占められても、大浴場に入ってしまえば中は広々。
彼らはだいたい集団で湯舟を占拠しているから、それ以外の湯舟に行けば快適そのもの。

ああ。
俺が入りたかったのは、この乳白色のお湯だった。
こりゃたまらんね。
念願の登別のお湯ですわ。
露天風呂に出ると、冷気が鼻にツンと来て、北国の温泉に来た気分がやっと出た。

♪ここは北国 登別の湯

ドリフターズの名曲を思わず口ずさむ。
これが草津に行けば行ったで

♪ここは上州 草津の(ry

などと口ずさむのである。
ちなみに歌詞をちゃんと書かなかったのは、ジャスラック様に著作権料がうんたらかんたら…というやつですw

ふう。
いいお湯でありました。
そらもうこんないいお湯、湯あたりするまで入ってやるw
夜中に行ってもいいし、朝風呂はそらもうねw

さて。
夜7時から指定した夕食は、かに会席を個室レストランで。
実は「ホテルまほろば」を選んだ大きな理由が夕食で、もう一つの「登別グランドホテル」を選ぶと夕食、朝食ともにバイキングになり、あまりにも風情がないということで、会席料理になる「ホテルまほろば」を選んだのだ。
はたして、その選択は正解だった。

対面にあるブッフェレストランは…。

外国人旅行客が黒山の人だかりでした(・・;)

そんなわけで、肴のビールに揺らめきながら、かに会席を楽しんだのでありました。
かにには相当苦闘させられましたが(´・ω・`)



おそらくこの旅最初で最後であろうw会席料理を十二分に堪能し、部屋に戻って一息つき、タクシーの運転手から聞いていた「登別には古きよき温泉街の風情が残っている」という話で、夜9時過ぎに温泉街に繰り出してみる。

…。
……。
………。

なんじゃこの人出は(・・;)

北海道は紅葉シーズンからも外れ、冬の年末シーズンからも外れた閑散期と思えるのに、温泉街の通りはまあ人がいることいること。
もちろん中には浴衣姿の日本人もちらほら見かけるが、中心は中国人観光客。
そらもう日本人観光客と違い、彼らは家族単位、団体単位で動きますから、日本人か否かは嫌でもわかりまんがな(´・ω・`)

いやあ、これは凄い。
人出も凄いし、夜10時近くになっても客でごった返す土産物屋が軒を連ねているのもまた凄い。
その代わり、店を開いている土産物屋はもう大変。
外国人、特にアジア系の方々が、日本のお店のルールというか、不文律を知っていようはずがなく、あちこちで陳列品のビニールを破いてしまい、そのたびに店主がすっ飛んで注意し、それらの方々が片言の英語で「モア ディスカウント?」と口々に主人に問いかけては「ノー、オンリー5%!」などと応戦する有様。
レジに並んでいると、店主が思わず、「ここはどこの国だって感じでしょお客さん?」とこぼす始末。

いやあ。
外国人パワー、ことにチャイナパワー恐るべし。
それが、このエントリで思わず呟いたことにつながるのである。

正直、日本の観光地、それも日本有数の温泉地がチャイナパワーに席巻されている事実に、日本人として危機を禁じえない。
それは、日本のお店の不文律を理解しない外国人観光客はけしからんという、日本人側の感情論ではなく、外国人観光客がここまであふれている日本の観光地、我々日本人はいったい何をしておるのかという、自己嫌悪にもにた感情なのである。
そりゃそうだろう。
チャイナパワーに席巻されているのであり、チャイナパワーがあるからこそ、ここ登別が「古きよき日本の温泉街」の雰囲気を残すことが出来ているという証左でもあるのだ。
これが歯がゆいと思わずして、なにが日本人であるのかと。
その証拠に、外国人観光客がたむろしているのは土産物屋かセブンイレブンくらいで、パチンコ屋は閑散としており、どっかで名前を聞いたことがあるAV女優が脱ぎに来るヌード小屋は灯火が消えて営業していない様子。

そんな登別の温泉街をそぞろ歩きしながら、源泉の間欠泉を見物。
夜中なのに、もうもうと湯煙を上げております。



鬼が「登別はここだ」と申しておりますw



湯煙に隠れているけれど、鬼さんの後ろに映るのが、この旅行記でも触れた「第一滝本館」。
故種村直樹さんも学生風情の60年前に恐れおののいたという、格調高い風情は今でも変わらず、堂々たる車寄せに、エントランスには幕をかけて高級感を演出。
玄関には「宿泊者以外の立入はご遠慮ください」などと記された立て看板が、厳然と利用者以外の入館を阻んでいる。
いつか、この風情をも右から左に受け流すような人間になり、宿泊したいと、心から思う。



宿に帰って、明日の旅程の検討。
明日の宿は小樽市内の運河沿い「ホテルノルド小樽」なのだが、小樽への予定はまるで決まっていない。
もともとはゆっくり目に登別を出て、そのまま札幌を経由して小樽へ入ってしまおうと考えていたのだが、「そういえば、どこかに乗りたい電車があるんじゃないの?」という嫁さんの一言で、明日は小樽へ入る前に札幌から滝川へ寄ることにする。
ついでといってはなんだが、「北斗12号」車内で見かけた白老~社台間のサラブレッドの牧場の姿にいたく感動し、ここはぜひ鈍行でゆっくり景色を眺めたい。
登別から札幌に行くには、登別10時37分発特急「スーパー北斗3号」が常識で、他に登別温泉バスターミナルから、札幌市内へ向かう直行の高速バスもあり、これは札幌まで安く運んでくれるので、直接小樽へ行くならこのバスに乗ってもいいかなあ…と思っていたのだが、鈍行で車窓を楽しみたいとなれば、登別10時16分発の苫小牧行き普通列車431Dが適任だ。これに乗っても特急には抜かれず、苫小牧4分接続で「スーパー北斗3号」に乗り換えられるという算段。
そのためには登別温泉バスターミナル9時30分発の室蘭港行き道南バスがばっちり接続。
うん。すんばらしいスケジューリングだw

どうする、日本の観光地。
どうする、日本人。

そんなことを思いながら、登別の夜は更けていくのでありました。

(※以下続きます。

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