時の流れは非情なり

こなさんみんばんわ。
Ｅ５０１系と申します。
この春から僕の仕事が無くなりそうです。

今やシーメンスモーターの、いわゆる「ドレミファインバーター」は、くるりさんの影響で、京急が代表的なように言われているんですが、私の方が先に音色を奏でていたんです。
そりゃあ京急さんに比べたら、仲間の数も少ないし、オールロングシートで嫌われていたってこともあるし、「走ルンです」の一族だし、あちらと比べたら、そりゃあ僕には華がないというものですよ。どうせ常磐線だし。
でも私は、野郎どもが東海道にドレミファインバーターを奏でるシーメンスモーターを、野郎どもがこの世に生まれる２年以上も前から、ときわ路にドレミファインバーターを響かせていたんですよ。

シーメンスモーターを語るときは、せめてこの私のことも思い出してください…。


とゆーわけで、春が近づく前に、あらかじめＥ５０１系を撮っておいた。

１９９５年１２月のデビュー以来、専ら上野と土浦の間を往復する任に当たっていたＥ５０１系。
４扉オールロングシートということで、中電の長距離運用には就かず、比較的近距離の土浦までに封じ込められて、ラッシュ時には威力を発揮。このまま任務を全うするか…と思われたが、新造当初では全く想定外だった時代の趨勢が、Ｅ５０１系の運命を大きく変えようとしている。

それは、グリーン車。
１９９５年当時、常磐線普通列車にグリーン車が投入されることなど、誰が予想し得ただろうか、いやない。
湘南新宿ラインのグリーン車需要に気をよくしたＪＲ東日本は、当初は高崎線、宇都宮線全体の７割くらいの列車にグリーン車を連結させる予定だったが、急遽予定を変更、東京に直通する全編成にグリーン車を連結させることになった。それは即ち、着席需要の増加ということである。
その波は、ちょうど車両の取り替え時期にあった常磐線をも飲み込んだ。
常磐線も、新車Ｅ５３１系が登場していたが、これも予定を変更して、Ｅ５３１系の全車両にグリーン車を組み込むこととし、上野口の中電を全車Ｅ５３１系に統一させることになったのだ。

その波に飲まれたのが、誰あろうＥ５０１系。
４扉オールロングシートのＥ５０１系は、当然ながらグリーン車組み込みの対象外となり、この春に上野口から撤退することになった。
せっかく座席をつぶしてトイレもつけられたのにねえ…。
というより、上野口から撤退して長距離運用に就くことが決定されたからこそ、トイレを付けた…ということなのだが。



今後は土浦～いわき間および水戸線への転用が発表されている。
だけどなあ…。
上野～土浦間なら、この車両でも我慢できるが、いわきから土浦までこの電車に乗り通せなんて言われたら、絶対にやだよ俺。
だって、常磐線を南下して、いわきから４１５系１５００番台（いわゆるステンレス車）に当たった時だって、勝田や水戸で一本落とすもん。事情が許せばいわきで一本見送るし（笑）。いくらドレミファインバーターの魅力があろうとも、座り心地が…。

まあ、廃車されるわけではないから、鉄ヲタの間でも、あまり話題には上がらないが…。
上野口のＥ５０１系の記録はお早めに…、というところか。

　　
↑　♪ファソラシドレミファソー