小馬太郎兵衛@タコのイカ踊りぃっ!!

ブログの老後をユラユラ楽しむ悦楽ブログって言ったけどさ、もう一発くらい狙ってもいいのかな。やってもいいかな?

THE LAST RUNNINNG 20000

2012-03-16 23:59:59 | それゆけ乗り鉄トラベラーズ
さて、日付上では明日からJR各線と関連する私鉄各線はダイヤ変更が行われる日。今日は東海道・山陽新幹線の300系、或いは寝台特急「日本海」、急行「きたぐに」、或いは小田急各車両が最終の定期運用を迎え、ファンは各地で静かに沸き立っているようでございます(一部やかましく沸き立っている人たちもあり←マジで静かに見送って欲しい)。その中で、小田急ロマンスカーから撤退する20000形「あさぎり号」にお別れを告げてきたときの様子をば。

2月25日、土曜日の昼間。
所用で東京駅近くにいたおいら。
所用があけたのが13時半過ぎだったので、東京駅八重洲口まででかけてみる。
せっかくこの場所にいるのに、土曜の午後が明けてどこにも出かけずに帰るのももったいないので、手近に出かけられるところがいいかしら。
東京駅八重洲口なら、東名ハイウェイバスでどこかへ出かけられないだろうか。
手近でいいなら東名伊勢原まで乗り付けて、バスで伊勢原へ出て、来月16日での退役が決まっている小田急ロマンスカー20000形「あさぎり」か10000形でも捕まえに行ってみようか。
或いは伊勢原まで出るのなら、少々遠出して御殿場まで乗ってみてもよい。伊勢原まで行くのに比べれば、バス代では500円の追加投資になるが、たまには静岡県内まで足を伸ばすのも一興。
或いは東名富士あたりまで乗り付ければ、岳南鉄道の駅にも近いだろうか。
岳南鉄道は貨物列車の廃止が予定されているのだが、これは日本の貨物輸送の歴史の一つの転換点とも言うべき事例で、1980年代までの日本の鉄道貨物輸送の方法として用いられていた「突放入替」、すなわち、機関車が押す力で貨車を仕分け線に送り込み、走行する貨車に入替係が飛び乗ってブレーキをかけて新しい貨物列車を組成していく手法が、ここ岳南鉄道だけには残っていたのだが、その貨物列車が廃止になるので、一度は突放入替を生で見てみたかったのだけれど、あいにくと土曜日となると貨物列車自体が動いているかどうか。

東京駅八重洲南口の東名ハイウェイバスきっぷ売場の自動券売機を叩いてみたら、今度出るのは14時発の名古屋行き特急らしい。
伊勢原まで乗るのもいいけれど、それじゃつまらんような気がして、ついつい東名御殿場までのきっぷを買ってしまった(・・;)
東名御殿場から御殿場線の御殿場駅までは…道順は分からないけれどなんとかなるでしょ。
御殿場発の小田急新宿行き「あさぎり8号」は17時56分発だから、適度な遅れで走ってもらえばゆうゆう間に合う計算。指定席は押さえていないけれど、土曜夜の上り列車だから需要はそれほどでもないはずで、席は楽に押さえられるはず。
東名ハイウェイバスは座席指定制になったので、券売機では空いている座席から好みの位置が選べる。運転席後の2席が開いていたので、思わずそこを指定してしまう(・・;)

14時発の名古屋行き特急「東名ライナー」はジェイアール東海バスの担当。
747-04951。車号から2004年式の車両だとわかる。



改札の段階でドライバー氏が「厚木で事故がありまして12キロほど混んでいますがよろしいですか…?」といきなり不吉な予告。いいも悪いも何もチケットは買っちゃったし、目指す列車は御殿場17時56分発なので、通行止めにもなっていないようだし、2時間遅れくらいにならなければ大丈夫なので、とりあえずそのまま乗る。

東名ハイウェイバスに乗るのは実に久々で、2006年1月以来なんと6年ぶり。東京駅から下り便を利用するのはもっと遡り、2004年10月以来。あの時は夜勤明けでどこかへフラフラと出かけたくなり、朝の便で東名伊勢原まで乗って神奈中バスで伊勢原駅へ出て、海老名で開催されていた小田急ファンフェスタをのぞきに行ったんだっけ。多分その後で登戸乗り換えで東京競馬場にも足を向けたはず。

バスは霞ヶ関ランプから首都高都心環状線内回り~3号線へと順調なドライブ。
しかし、やはり山手トンネル開通後はC2の交通量が増えているのか、大橋ジャンクションで車の台数が一気に増加。あれ、3号線から用賀方面へ走っていくと、左カーブから抜けた場所に大橋ジャンクションの合流があるから、夜中なんかアクセル全開で走ったらカマ掘りそう(・・;)
ドライバー氏の予告のような「事故渋滞」という情報は広域情報にはあがっていなかったけれど、横浜町田インターを先頭に9キロほど自然渋滞があるらしい。どの辺でつかまるか…と思ったら、横浜青葉インターで捕まった(´・ω・`)



東名のこの区間の渋滞は週末はいつものことなんで、事故でもない限りは慌てず騒がず…ってーことで。



渋滞の先頭は、横浜町田インターというよりは、その先の綾瀬バス停付近。普段東名なんか走らないからわからんのよ(´・ω・`)でも交通情報だったら「綾瀬バス停付近を先頭に○キロの渋滞」ってなあよく聞きますわな。
結局「厚木付近の事故渋滞」の影響はほとんどなく、綾瀬バス停付近の9キロの自然渋滞も20分遅れで済んでいるので、土曜の昼下がりにしては交通量は思ったほどでもない様子。
ただし、ドライバー目線で言えば、秦野中井まで来てもこの交通量だと、さすがにゆったりは走れないなあ…という印象。



大井松田から先は山間部。東京大阪間を下道でドライブする際、御殿場や沼津までとは言わないが、246利用なら大井松田までは高速利用が推奨されてたっけな。確かに246の都市部は混むしねえ…。



足柄サービスエリア手前で頭上に大きな橋が見えるが、これは分離された上り線。以前は大井松田~御殿場間は上下線とも片側2車線だったが、渋滞が激しいので車線を増やす工事を行った際、以前の上り線を下り線に転用するため、上り線だけ全く新しいルートを作って付け替えたのだ。この手法は、同じく片側2車線で渋滞名所だった、名神高速の天王山トンネル付近などにも利用されている。



足柄サービスエリアを越えると東名御殿場はすぐの距離だが、バスは足柄サービスエリアに入って休憩する。
夜行バスは防犯の観点から、超長距離バス以外では民鉄系事業者などを中心に開放休憩を行わない路線が多数あるが、JR系は夜行、昼行ともに長距離路線では開放休憩を行うのでありがたい。
ただ、昼行はともかく、夜行の開放休憩は、途中で起こされるなどのメリットデメリットがあるため、利用者にとっては開放休憩の有無自体が選択肢の一つになっている。



改めてバスの御尊顔をいただきます。



窓には発車時間も掲示されている。



遅れていても、足柄サービスエリアでの休憩はしっかり取り発車。足柄からものの2分も経たないうちに東名御殿場インターへ。



東名御殿場には20分遅れの16時05分ごろ到着。バスはこの後、東名静岡以西は各バス停に停車し、名古屋駅到着予定は20時06分。現在20分遅れだから、順調に行っても名古屋着は夜の8時半ごろだろうか。先はまだまだ長い。





考えてみたら、高速道路のインターチェンジを、こんなに間近で見る機会などめったにないのではないかしら。だいたい高速道路のインターは町外れにあるものだし、そもそも徒歩で近寄るところでもないからだ。

東名御殿場バスストップを別角度から。



ここは小田急新宿から箱根方面へ行く小田急箱根高速バスの停留所でもあり、羽田空港行きリムジンバスもやってくるバスの要所。

…さて。
いろいろ東名御殿場インター周辺を歩き回ってみるけれど…。

路線バスとか走ってないのここ?・゜・(つД`)・゜・

うん、こまった(´・ω・`)
衝動的に行動してしっかり下調べしておかないと、現地へ行って泣きを見るとはまさにこのこと。
目指すJR御殿場駅までは直線距離にして2キロくらいしか離れていないので、バスの一つくらいあればなんとかなりそう…というイメージで移動してきたのだけれど、いざ移動してみたら、東名御殿場インター周辺に、御殿場駅まで行けそうなバス停の一つもありゃしねえ…orz
御殿場に土地勘があれば、歩いても歩けない距離ではないから歩くだろうし、無料移動の手段を知っていれば、御殿場インターから御殿場のプレミアムアウトレットまでの無料バスで終点で御殿場駅行き無料バスに乗り継ぐと言う荒業もあるのだけれど、そこまでするのも面倒くさいので、バスストップ前で客待ちしていたタクシーに乗車。

距離にして2キロ走ったか走らないかというところで御殿場駅箱根乙女口に到着。名前は立派だがなんてことはない裏口である。
御殿場駅の留置線には、この3月、というより明日17日から「あさぎり号」として走ることになる小田急60000形「MSE」が、訓練のために小田急からJR東海に貸し出されてここに留め置かれている。そして17日以降は、20年前と同じように運転区間が新宿~沼津間が新宿~御殿場間に短縮される。



そんなわけで御殿場駅富士山口、すなわち表口である。



…はて。
こんな駅だったっけなあ…。

御殿場駅は今日が初乗り降りというわけではなく、実は20年も前になる1991年2月11日に一度降りている。
このときも実は今日と同じように、連絡急行(当時)「あさぎり号」に使用されていた、小田急SSE3000形のお別れ乗車を兼ねて新宿からSSEに揺られ、御殿場からはすぐに連絡していた箱根桃源台行き箱根登山鉄道バスのマイクロバスに右に左に揺られた。桃源台からはロープウェイ、ケーブルカー、登山鉄道と乗り継いで小田原へ出て、帰りは東海道線で帰ったはずである。
当時の旅行は、写真よりもVHS-Cのビデオカメラを携行して映像で撮影していたので、写真はほとんど残っていない中、なんという奇跡か、引き出しの中から奇跡的に1枚だけ見つかったので複写でご覧いただきます。


※↑写真上部が白っぽくなっているのは、蛍光灯の明かりの映りこみですごめんなさいorz

( ´Д`)y━・~~1991年2月11日ねえ…。
この日にまだ生まれていらっしゃらない読者諸兄の皆様はコメント欄で挙手をお願いしますww
この頃、演劇部の校内公演が10日後だったか2週間後に迫っていたはずなのだが、よく稽古を蹴ってこんなとこまで遊びに来たもんだww

当時は新宿~御殿場までの運行で、列車種別も小田急線内こそロマンスカーに準じていたが、呼称そのものはJR線内の扱いに合わせて「連絡急行」と呼ばれ、ロマンスカーの案内冊子でも別扱いされていた記憶がある。
後任となる小田急20000形はこの年1991年3月のデビューで、御殿場線内の種別も晴れて特急に格上げされ、運行区間も沼津まで延長され、伊豆半島全体の観光ルート拡大に一役買わんと、JR371系車両とともに華々しくデビューした。

それから20年。
経済情勢の変化などで、運転区間を20年前の御殿場までに短縮する時がついにやってきてしまった。
20年前は華々しく映えたハイデッカー構造も、その後に推進されたバリアフリー対策には災いする構造でしかなくなってしまった。
同じくバブル期の1987年に華々しく登場した、同じハイデッカー構造を持つ「HiSE」10000形ロマンスカーも、20000形と時を同じく、この3月で定期運用を追われる予定である。

新宿行きあさぎり8号は17時56分の発車で、時間まであと1時間以上あるので、しばし駅前を散策してみるが…。

う~ん。
こんな駅だったっけな…?

まず自分でも何がおかしいのかって、御殿場駅が橋上駅舎だったかどうかすら思い出せないという体たらく。
バス乗り場というか、バスの案内所は駅のすぐ隣にあってやたらと薄汚かったのは覚えているけれど、駅舎はこんなんだったかなあ…。
駅前ロータリーは綺麗になっていて、バス乗り場も整備されているので、これは近年になって手が加えられたと言うのがよくわかるのだが…。
いやはや、20年という時間は、記憶をも風化させてしまうものなのか。
記憶にあるのは、あさぎり号が御殿場に着いたら、すぐに箱根桃源台行きのバスがあったので慌しく乗り継いだ記憶があるくらいだったから、或いは本当に駅の姿かたちを覚えるのもどうかと思うくらいせわしない乗り継ぎをしたのだろう。

さて、駅前で1時間ほど時間を潰し、あさぎり8号が沼津からやって来る頃合になった。
みどりの窓口も10人以上の行列が出来ている。大半はゴルフバッグを抱えたゴルフ客で、御殿場のアウトレットのお客さんと思しき方はいなさそう。



列車は定刻より3分ほど遅れてやってきた。
夕闇なので、もう満足な写真が撮れません(´・ω・`)



周囲はすっかり日も暮れて夜汽車の様相。御殿場線は丹名トンネル開通前の東海道本線であるだけに、車窓が見えるうちならば、往時の最重要路線であった頃をしのびつつ酒を…と行きたいところだが、車窓も見えないので、車両の揺れに身を任せて酒をむさぼることにする。それこそが飲み鉄の楽しみ。



車内はこんな感じで、真ん中辺りの8人くらいの団体が談笑している以外はすっかり静かな車内であります。ゴルフ明けなのでみんな疲れているのかな?





扉の向こうのグリーン車。ダブルデッカー構造で、階下は指定席やセミコンパートメント席になっている。グリーン車に乗ろうかとも思ったのだけれど、どうせ酒をむさぼるだけだから、わざわざ特別車両の料金を払う必要は、趣味的な要素以外は感じなかったのでパスしました(´・ω・`)



グリーン車の車端にあるサービスカウンター。以前は車内販売の基地として活用されていたのだが、あさぎり号に関しては去年3月のダイや改定で車内販売が終了しており、活かされるのは「はこね」系統に充当された時だけである。このカウンターが活況を呈するのも、残り後わずか。
列車内で飲む樽生のビールなんてーなあ、想像しただけでもう…。



列車は松田から小田急への連絡線を渡って小田急線に入り、本厚木、町田と客がそれなりに入れ替わる。
時間帯が土曜夜の上り列車ということもあり、車内は至って静寂に包まれていて、飲み鉄にはまたとない至福の時間を過ごすことができたのは、これからお名残り乗車を目指す向きが大挙押し寄せて騒々しくなることが予想されることを思えば、もはや残された時間を鑑みてもラッキーと思うほかない。
たまに車内を徘徊する、一目見て同業者と分かる連中が2~3人うろついていた他は、拍子抜けとも思えるほど至って静かな、快適な移動空間であった。
これが車内で三脚だのなんだの広げられる事態に遭遇するのかと思うと、車内でひとり飲む酒ですらまずくなる。

御殿場線御殿場から1時間半、19時26分に新宿着。
この列車は折り返し、唐木田行き「ホームウェイ」となって多摩線唐木田へ走ってゆくのだが、折り返しのこのホームウェイはほぼ満席の盛況。新宿発だからちょい乗りでお名残り乗車をするにも動きやすいから、上り列車を選んだのは正解だったと心の底から思えるとこ。





最後に、小田急20000形の御尊顔をもう一度。



最後まで、無事に走り務めてくれよ。

彼の無事を願いながら、そっと夜の新宿を後にした。


(※取材日…2012年2月25日)


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