小馬太郎兵衛@タコのイカ踊りぃっ!!

ブログの老後をユラユラ楽しむ悦楽ブログって言ったけどさ、もう一発くらい狙ってもいいのかな。やってもいいかな?

年末年始の一部鉄道趣味界隈の動きに敢えて苦言を呈する、の巻

2025-01-10 09:32:50 | 鉄ネタなんてどうよ?
え~。
子丑寅宇辰巳で今年は蛇年ですが、どうしても「ね、うし、藤波辰巳♪」と言ってしまう癖が抜けない皆様おはようございますw

正月三が日を抜けたと思ったら、突然いろいろ年始からいろいろバタバタと周囲に起こっておりまして、正月からもう10日過ぎたような気が全くしておりません。

さて、これはちょっと…ということを書き残しておかないと、正月にも普段使いで鉄道をご利用されている皆様もいらっしゃるのだから…ということですとか、ちょっとそのお考えはいかがなものでしょうか…ということが、年末年始の一部鉄道趣味界隈で起こりまして、さすがにこれは、僕自身も鉄道趣味者の端くれなものですから、同じ鉄道趣味者として書き残さなければいけないな…ということをつらつらと書き連ねようと思います。

正直この方がお書きになっていらっしゃる記事はあんまりリンクしたくはないのですが、リンクを貼らないことには皆様にネタ元をご提示することが出来ませんので、興味のある方はご一読を。

2025年「年越し大回り」参加者は200人超え? 駅ナカ消費や現地への交通費でJRの売上にも貢献!(鉄道乗蔵) - エキスパート - Yahoo!ニュース

あえてリンクは小さめに表示してございます。

「年越し大回り乗車」と聞いてもピンとこない皆様の方が圧倒的に多いと思われますのでこちらでも簡単に触れておきます。

まず東京や大阪、福岡周辺で設定されている「大都市近郊区間」という路線範囲内がありまして、だいたいその中はスイカなどのIC乗車券が使えるのですが、その範囲であるならば、どの経路を選択しても、ルートが重ならなかったりしなかったならば、A駅からB駅まで同じ運賃で行けますよ…という、規則第157条2項に基づく、選択乗車の制度を応用したもので、この制度を究極的に突き詰めて考えると、大都市近郊区間の乗車券の効力は、たとえ500キロ近くあっても1日限り、かつ途中下車前途無効、即ち途中下車するならば改札を出てもかまいませんが、そこまでのルートの金額をお支払いいただきます…ということで、初乗り運賃のきっぷで、ルートが一切2度通ることなく、どれだけの距離を乗り通すことが出来るか…という、いわば規則を応用したお遊びですね。
これで始発から終電まで1日で乗り通せるルートが最長距離…という、頭の体操にも似たものがあるのですが、実際にいろいろ行われていますし、実際問題これは皆様もごくごく自然とお使いの方もいらっしゃることでしょう。
簡単な例でいえば、品川から赤羽まで行くのに、京浜東北線に乗っても上野東京ラインに乗っても、山手線外回りで池袋から埼京線に乗っても、池袋から湘南新宿ラインに乗っても運賃は同じですよ、だってお互いにどちら経由で乗られました?運賃違いますよ…では、あまりにも現場もお客さんも煩雑で仕方がないので全部一緒でいいです」、というのが大都市近郊区間の選択乗車ということになります。
ただし、大回り乗車中は途中下車前途無効ですから、例えば東京~高崎~新前橋~小山~上野とぐるりと大回り中、信越線の横川まで「別途往復乗車」ということはできません。全て方向変更として扱われます。

で、これが「始発から終電まで1日限りで出来るだけ大回り」というのが、旅客営業規則第155条「継続乗車船」(現在は「継続乗車」という項目ですが、敢えてこの表現でw)の活用。
本来であれば乗車券はその日の午前0時を過ぎたら、乗っている列車の次の停車駅までしか使えないのが定義なのですが、大都市近郊区間では、午前0時を過ぎても終電まで乗車券は有効になるように便宜が図られています。

ここまでが「大回り乗車」のかなりざっくりとしたお話。

で、ですね。
1年に1回だけ、前の日の乗車券でも次の日の終電まで便宜上使ってもいいですよ…という日が存在します。
それが各社でお正月の際に行われている「終夜運転」が行われる、12月31日~翌1月1日の間。
終夜運転中は、営業している限り改札を開けなければいけませんから、大晦日のきっぷで終夜運転を乗り倒して元日のお昼くらいに真っ青な顔をして改札を出ても大丈夫…という特例があるのです。継続乗車船の応用ですね。
ただし、これは全く検証はしていないので定かではありませんが、紙のきっぷでは間違いないですが、スイカなどのIC乗車券では…どうなんでしょう。たぶん大丈夫といえば大丈夫かとは思いますが。

大回り乗車は1日限りと2日がっつり乗れるというのであれば、これは乗れるルートが全く違う…というお遊びは、30年以上前からいろいろと行われてきたのです。
昔ならば「年越し大回りトライアル」といってもそれほど話題にはならなかったのですが、IC乗車券の利用範囲拡大に伴い、年々大都市近郊区間は拡大する一方で、2009年3月に東京の大都市近郊区間が大幅に拡大したことにより、この年越し大回りトライアルの乗車できるキロ数がものすごく増えて、いまやかような記事にまで発展することになった次第であります。

…ごめんなさいここまでが前段です。

で、上記のリンクした記事の感想をば。

…(-。-)y-゜゜゜2日間大回りできる体力が欲しいなあ…。

それだけは本当に思います。
さすがにやろうとは思わないもの。あくまで机上の空論であって、実施するのはいろいろ諸々問題ががありますから。トイレですとか食料調達ですとか。
これは本当に行おうとすればそれで構わないのですが、2日間、北小金~馬橋間の150円きっぷで改札を抜けずに大回り乗車をし続けること、それ自体は昔からあったことで、いわば制度をライフハックしたお遊びであること。
これに問題が発生するのは、特定の列車に特定のお客が固まってしまうということ。
この大回り乗車にトライするのが例えば10人とか20人レベルならよいのですが、記事中に「150人~200人はいた」旨の記述があって、これはかなり疑問に思わざるを得ません。
この200人が、房総半島の上総一ノ宮~安房鴨川~館山~君津間の普通列車、それも2両編成に殺到すればどうなるか。
だいたい1両の定員が140人くらい。その区間には、お正月にも、或いはお正月でこそ普段使いされていらっしゃるお客様もおいでのことだと思うのですよ。
その普段使いのお客様に、記事中には全く配慮が見られないばかりか、「ぎゅうぎゅう詰めの3時間」と書かれてしまうと、これはもはや迷惑行為でしかないのでは。
もしかしたら2両編成にパンパンに詰められた、全く別区間の短距離きっぷ、しかも150円きっぷを持っていたお客様のせいで、もしかしたら途中駅で乗車をあきらめたお客もいるかもしれません。「ぎゅうぎゅう詰め」だったらなおさらでしょう。
書き手の方に、「ああ、ここはまずかった」と思う視点が全く欠落していたのは正直いただけないと思います。

それともう一つ。最後の「2日間大回りの経済効果」の記述について。

こうしたイベントなどでのおおまかな経済効果を測定する簡便な手法に、公的な統計データを活用する方法がある。観光庁が発表した2023年度の旅行・観光消費動向調査によると、日本人国内旅行の1人1回当たりの旅行支出額は44,034円とされており、仮に200人が参加したとすれば、その経済効果は880万円を超える金額と見積もることができる。

 中には「運賃計算の特例を悪用して150円の運賃で1000km以上を乗り倒すのはJRに損をさせている」といった趣旨の主張をされる方がいるが、この150円が呼び水となり1人当たり44,034円の経済効果を生み出す国内旅行需要を創出しているのは紛れもない事実である。スタート駅まで行くための交通費や駅ナカでの消費という方で、JRにとっても売上面でプラスの効果をもたらしているのが年越し大回り乗車と言えよう。









44000円も使うかいな…(-。-)y-゜゜゜

2日間大回り150円の運賃で1000キロ以上乗り倒すのに、どこでどう44000円が使われるのか、僕には正直わかりませんし、その真意が全く伝わらない。
しかも国内旅行の一人当たりの支出額が44000円であることと、大回り乗車150円でのトータルの支出データは、全くイコールで結ばれず、おおよそ論理的な数字の使い方ではありません。ぶっちゃけて言えば、二つの数字には何の関連性もないのは、普通に長文を読み解ける大人ならこの二つの数字に全く整合性がなく、読めば読むほど混乱してしまうほうが正しいですw

で、それをあたしみたいなしがない市井の一ブロガーが書いているのならともかくですよ。
この記事の筆者は、別の立場では堂々と「経済ジャーナリスト」とお書きになっていらっしゃいますから。
かような肩書の方のトンデモ記事で、我々乗り鉄に正月早々火が飛んでくるというのはいやもうたまりません。

国内旅行1回一人当たりの支出が44000円。
この前さんふらわあ ふらのさんに乗って北海道に出かけた時が、運賃宿泊費だけでざっくり4万円(たぶんそれ以上)。
2日間150円大回りのために遠方から人が来て、それが4万円、200人いたら800万。
これに経済効果があると断言してしまう経済ジャーナリスト様。
まあ、いわゆる炎上商法ってやつでしょうなあ…。

本来であれば「年越し大回り」は知る人ぞ知る年末年始のお遊びだったのですが、いつのころから先物取引化されてしまうほどのネタになってしまったのでしょう。
そのうち、終夜運転が首都圏からもなくなって、このようなことはもうなくなっていくのかな…と思いますね。
終夜運転は初詣輸送客のために鉄道会社側が便宜を図って運転しているものであって、ファンのお遊びのために運転されているわけではありませんから。
ファンのお遊びそれ自体は全く否定しませんが、さもそれが盛り上がれば経済効果も上がるのだからよいのだと、荒唐無稽なことばかり言い続けていると、よろしくない。
お遊びはお遊びとして分をわきまえるべきと、年始の誓いの一つに立てた年はじめでございました。

…ということをもう少し前に書いていたのですが、本当にこの一週間バッタバタだったものですから、追記を書き足してやっと書き上げました。
時期を逃しちまった。ちっ(´・ω・`)


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