桜にまつわるえとせとら

先日、千葉マリンスタジアムで「花見＆花火ナイター」が試行された。
５回裏終了後にスタンドから花びらをばらまいて花見の気分を盛りたて、海際では花火をどーんと打ち上げたことがあった。花びらをばらまきすぎて試合進行の妨げになっちゃったのはご愛敬として、やっぱり「桜」といえば、ＢＧＭにうってつけなのは、やっぱり「桜坂」なのだろうか。球場に流れた「桜坂」を聞いて、あの時のことを思い出してしまった。
この桜坂、聞いていると、こっちまで切なくなってくる。
この曲が発売された２０００年当時、つきあっていた彼女に、こう言われたことがあったっけ。
「ねえまさ（←こう呼ばれていた）、カラオケに行ったら桜坂歌ってよ」
こう言われれば悪い気はしない。さっそく近所のレンタル屋さんに行って桜坂を借りてきてＭＤにぶち込み、一人で車を走らせるたびに、車内で歌って練習した。
結局、カラオケに行く機会もなく、その後五ヶ月たった９月に破局を迎えてしまったのだが、今でも「桜坂」を聞くと、今までの人生の中での、ほんの一瞬の光のような、まるで夏日に蝉が一瞬の光を求めて蝉時雨を奏でるがごときの切なさを感じてしまう。
自分の中でも、一瞬だけ、光り輝いていた時間があったのだと。
この文章を過去形にして語るのもどうかとは思うが、未来への展望ができぬ今、半分自虐的に過去を語っても悪くはないだろう。
そして桜は今、関東地方では、まさに満開を迎えようとしている。

夢は今も　夢のままで