NGS後の世界

NGSが普及したあとの世界がどうなるのか、診断業界の変化を中心として情報発信をしていきたいと考えています。

AnchorDxが、リキッドバイオプシー、メチル化解析による癌スクリーニングのコンセプトを提示

2020-07-04 18:33:00 | 日記
 

 
中国、広東の分子診断会社、AnchorDxが、AACR(American Association for Cancer Research)のバーチャルミーティングで、癌スクリーニングのコンセプトを発表しました。
Grail、Gardant Healthなど、強豪ひしめく領域に中国企業もエントリーしたということでしょう。
やっぱり、NGSに残された最後の宝の山は、cf DNAを用いた癌スクリーニングになるのですが、以下にAnchorDxの特徴をみていきましょう。

・コストメリットを主張。メチル化解析のターゲットを100−200程度に絞り込み、100ドルの検査を実現する(したい)。
・対象は6種の癌種。肺癌、乳癌、大腸癌は評価済み。胃癌、食道癌、肝臓癌を評価予定。
・246のケースサンプル(癌患者の血液)、141のコントロール(健常サンプル)で性能を評価。特異度99%の感度55%(大腸癌)、63%(乳癌)、82%(肺癌)
・プラットフォームはイルミナ社のMiSeq Dx

現在は、シリーズBで獲得した、$28 M USD((28億円相当)で活動しており、シリーズCを考えているとのこと。
印象としては、競合他社と比較して、活動を開始したばかりの初期の段階にいるのかと思います。
性能に関しても、肺癌は良いように思いますが、大腸癌はもう少し欲しいかなと(論文を見ていないのでなんとも言えませんが)。
スクリーニングを目指すプレイヤーは資本が巨大化しているの、プラス100M USDくらいは次のランドで最低限、欲しいところでしょう。

CEOは、イルミナのSenior Directorを務めた方、イルミナと伴に中国での事業も開始とのこと。
十分にマーケットを理解した上でのスクリーニングに取り組んでいるように見えるので、今後も注目する必要があると思います。
解析対象を絞り込んで検査コストを安くするというのは、重要な取り組みのようにおもいます。


ドッグイヤーが分かったエピジェネティクス解析

2020-07-03 20:00:00 | 日記
ゲノムwebの記事からになります。 
 
人の1年は犬の7年、ドッグイヤーと呼ばれています。さんまT Vだったか何か忘れましたが一般素人の投稿で、”俺のおじいちゃん70歳、犬で言ったら12歳”みたいなネタがあって、
ゲラゲラ笑ったのを思い出しました。これは、人の一年は、一体犬の何年にあたるのかをエピジェネティクス解析により明らかにしようとし、結果、線形ではなかったという話です。

なにをしたのか?
・様々な年齢のラブラドールレッドリバー104びきを対象とした、メチレイション解析
・90,000 のCpGアイランドをイルミナ社のアレイを用いて解析
・過去に取得された同様の人データを元に比較

なにがわかったのか
・若い犬とヒトのメチレーションパターンは似ている。また、老年の犬と人でも同じ傾向。これより、CpGアイランドのメチレーションのパターンは主を超えて保存されているのではないか。
・しかしながら、メチレーションの進行は、若い犬で、ヒトよりもずっと早く進行する。一方で、老年で比較すると、犬とヒトはだいたい同じ。
・ヒトと犬のメチレーションの進行はログ曲線のような関係(若い犬の一年は、ヒトの10年に相当し、晩年はたいして変わらない)
・8周齢の犬と、9歳の子供はほぼ同じ。丁度、子供の歯を失うタイミング。


面白い報告ですよね。いろいろと、犬種の違いとか気になるところです。
なにが、面白いのかいろいろ考えてみたのですが、やっぱり、これモデル動物じゃなく身じかなゴールデンレッドリバーを対象としているからじゃないかなと思いました。
マウスとヒトのメチレーション解析の比較と言われても、はーーーという感じです。これは、やっぱり、ゴールデンレッドリバーですね。



Foundation MedicineがLexent Bioを買収し、早期ガン診断にシフト

2020-07-02 19:01:00 | 日記

NGSパイオニア、Foundation MedicineLexent Bioを買収し、早期ガン診断の領域に注力をしはじめるとのことです。
Foundation Medicineは固形癌のプロファイリングで早期にsingle site FDAの承認をとり、コンパニオン診断のパラダイムを大きく変えた
会社です。その次の戦略として、固形癌のプロファイリングから血中の浮遊DNAを測定するリキッドバイオプシーのコンセプトに挑んでおります。
その取り組みの一環として、Lexent  Bioを買収したとのことです。

Lexent Bioを買収した理由:
・ファンデイションメディスンが保有している技術を補完するため。特に、メチル化解析の技術を求めたようです。
・メチル化解析は癌があるかないか、という情報だけでなく、臓器の特定に役立つと考えるから。早期の癌診断には有用な技術。
・メチル化解析のほか、全ゲノム、ゲノムフラグメントの解析技術も保有。総じて、アーリーな技術であるが、どのようなアプローチが早期の癌診断に有用であるか、評価したい。

すぐに売上に繋がる企業を買収したというわけではなく、リキッドバイオプシーに対するアプローチをより多角化したいという思惑を強く感じます。
Grailとの戦略の対比が簡単であるか示されています。

・Grailは早期癌スクリーニングのみを対象。癌が、あるか・ないかとい、シグナルとしてcfDNAを捉えている。
・Lexent Bioはより、全体的に癌という病気を捉えていきたい。初期の癌の治療法に繋がるような取り組みから順に、スクリーニングなどに移行していきたい。

例として、トリプルネガティブの乳がんの治療法や、Minimum Residual Diseaseに対する取り組みも継続するようです。

スクリーニングのコンセプトを証明するのには、それこそ大変な労力が必要です。早期・初期の癌に対するリキッドバイオプシーのコンセプトを治療法に絡めて
評価していくというのは、大変にリーズナブルな印象を持ちます。

Foundation Medicine:
20以上の癌の薬剤から治療法を選択できるFoudation One CDXを販売(FDA承認済み)。
リキッドバイオプシーのコンセプトによるCDxを現在、FDAに申請中(2020/7)。 
ロシュの子会社

HOLOGIC社の目標株価を55USDから64USDに投資会社Cowenが変更

2020-07-01 20:28:00 | 日記
HOLOGIC社は女性の子宮頸癌のスクリーニング検査や感染症系の分子診断でのリーディングカンパニーです。
この度投資会社のCowenより株価のターゲットプライスに関する上方修正の発表がありました。

なんでも、Panther System, これは拡散検査のプラットフォームなのですが、COVID-19の影響で新しく500台の設置が決まったとのことです。
これは例年の2倍に相当し、継続的な利用が見込まれるからとのことです。

診断ビジネスはプラットフォームビジネス。一度、装置(プラットフォーム)が入れば他の項目も測定してもらい試薬の売り上げも増える。鉄板の診断薬ビジネスの成長モデルです。
Cowenによれば、COVID-19の影響でさらに350のプラットフォームの増加、15億ドルのテスト収入を見込んでいるとのことです。
そして、当面は分子診断の領域がHOLOGICのビジネスを牽引するだろうとのことです。
診断分野でCOVIDー19は間違いなく大きなビジネスチャンスであり、本業の成長に繋げる勝ち組が現れてきたのではないのでしょうか。

引用: 
 
 
HOLOGIC
子宮頸癌・性感染症の診断分野におけるリーディングカンパニー。

自己紹介

2020-06-30 20:55:48 | 日記
はじめまして!
keveryと申します。

このブログはビジネスに活用していきます。

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