ラサ旧市街
旧市街には、古き良きチベットの面影はまだ残っている。
その外れにアンティークや石などを売買する行商人達が集まる場所がある。
路上で自分たちの品物を売買するのである。
その売買の仕方であるが、路上に品物を広げるのではなく、
自らの首から品物を提げて路上に立つ、というやり方だ。
なので、自ずと扱う品物は小さな物、石やビーズなど小物になってくる。
路上に立つ行商の多くはカム地方出身の大男達だ。
ある日、その中に混じって、女性の行商人が居た。
首から提げたターコイズや珊瑚の数々。
どういった経緯で行商をやっているのか?
旦那や家族が行商人の血筋なのか?
何も分からない。
分かった唯一の事は、着用する服や、金の指輪などから
遠くの村から出て来た遊牧民ではなく、ある程度平均の生活を営んでいるように思えた。
どういった理由で行商をやっているかは分からないが、
まだ若いその女性は、優しくも厳しい目で
タフなチベットの行商人達の世界でたくましく生きていた。