我が市の教育委員会が、教員の多忙化解消に向けての「お願い」という文書を配布した。
内容としては
・多忙化がすごいことになっているから解消しなければならない
・だから協力して欲しいし、理解して欲しい
・多忙化を放置して教師が疲弊したら、困るのは子どもであり家庭であり地域である
みたいな感じ。
その「お願い」の中で、平時の電話対応は朝7時半から夜6時半までと明記され
遅くとも夜8時には学校は施錠すると言うことがうたわれている。
それはいいんだけど、そのためにこちらの業務を減らすための努力をしていただきたいのだが
残念ながらそこまではやってくれないのがこの「多忙化解消プラン」である。
ちなみに、その「お願い」プリントには、平時の電話対応は朝7時半から夜6時半までと明記されているが
我が市の教師の勤務時間(定時)は朝8時15分から夕方4時45分であることも、この記事では加えて明記しておく。
そもそも、この保護者連絡の手間をもっと減らせないのか。
今日の記事では、スマホ・パソコンの活用を提案したい。
つまり、学校アプリなるものを作り、保護者にインストールしてもらう。
パソコンまたはスマホで使用でき、もちろん無料。
年度のはじめにアンケートをとり、パソコンもスマホもうちにはありません!という家庭を調べ、そこは電話で対応。
それ以外の家庭には、IDとパスワードを配り、アプリ対応とするのである。
例えば、朝の欠席連絡をアプリ対応にすると、こちらの手間はとても減る。
従来の場合、子どもを欠席させるとき、親は学校に電話しなければならない。
これは早すぎても遅すぎてもダメである。
学校側も、誰かが電話を取れるようにしておかなければならないから、負担である。
これを、アプリでやるようにする。
そうすると、保護者は、スマホないしパソコンで、欠席することと、欠席理由を登録するだけだ。
これが学校に転送され、担任教師は朝それをチェックする。
そして、遅刻判定を行なう時間に教室に行き、そのデータの上での出欠と、実際の出欠状況の整合性を確認するだけで良い。
さらに、「欠席連絡を受けていないけど、生徒がいない」という状況にも対応しやすい。
これが一番厄介で、生徒の所在不明は最も教師が恐れる事態である。
よって、親が仕事だろうが何だろうがお構いなしに、電話をかける。
家→親ケータイ→親職場くらいまでなら当然かける。
それでもつながらなかったら、生徒によっては、親戚にもかける。
ところが、アプリ対応にした場合
教師が保護者に「現在、欠席連絡をいただいていませんが、○○君が学校に来ていません。至急確認の後、学校に連絡をお願いします」
とラインのごとくメッセージを入れれば良い。
特に、親が仕事中の場合、親にとっても都合がよいのではなかろうか。
ちなみに、現状のシステムだと
誰かが欠席連絡の電話を取る
→担任にその旨を伝える
→担任は空き時間に休んだこととその理由をコンピューターに登録
→それが出席簿や通知表に反映される
という感じなのだが
この無駄が多いシステムのせいで、ミスが生まれる。
例えば、親から欠席連絡を受け取っているのに、そのとった職員が担任に伝え忘れ、担任が親に電話をしてしまうとか
コンピューターへの入力ミスとか……(不登校傾向の生徒で、やらかしやすい)
これを、教師の注意不足で解決して良いものだろうか?
機械を有効活用すれば、教師の注意力を別なところに振り向けられるはずである。
また、学校から家庭への連絡もインターネットを有効活用するべきだ。
学校からの連絡は、主にプリントである。
紙に印刷され、朝の会等で担任が生徒に配り
「おうちの人に渡しておくように」
と担任が指示をするのが今のやり方である。
ところがそれが実際に届くかどうかを確認するすべは、教師にはない。
親から何か問い合わせがあり
「それについては、先週、プリントを配布させていただいているのですが」
「え、そんなプリント受け取ってませんよ?」
なんて、良くある話である。
親・教師ともに無駄手間が発生している。
これを、アプリによる配信にしてしまえば、確実に親まで届くわけだから、確認の手間や行き違いを減らせるはずである。
もちろん、中にはそのアプリを見ない親もいるだろうが、それはもはやどうしようもない。
ただし、子どもたちの自己管理能力を養わせるという観点から
プリント配布という従来のシステムは残した上で
学校から保護者にむけて、アプリを使って
「本日、○○○というプリントを配付させていただきました。ごらんおき下さい」
とだけ情報を配信するというのも良いかも知れない。
そうすれば、「学校で配られたプリントを子どもが親に見せない」という状況に対して、家庭が指導しやすくなる。
もちろん、デリケートな話題の場合、電話や面談でないとダメである。
それでも、事前にアプリを通して
「○○の話題についてお話ししたいから、お時間を取っていただきたいが、どうか」
という具合に、事前に文でアポを取るというのも、お互いにプラスになると思う。
例えば、とても難しい生徒指導のことで、親から話したいと言われた場合
事前に親が来ることが分かっていれば、準備をして対応出来る。
その方が教師は良い仕事が出来るし、親としても納得のいく話になりやすいはずである。
もう1つ、アプリを導入するメリットは、言語である。
日本語が通じない親は、無視できない数いる。
これは揶揄ではなく、外国籍という意味である。
例えば、今日は台風のため、休校ですとか、登校時間を遅らせます、なんて定型文の連絡は
アプリを利用すれば、多言語配信できる。
また、親→学校への欠席連絡だって、アプリにすれば
親のスマホ上は、親の母語で表示されていて、その内容は学校では日本語で表示されている、なんてことも出来るはずである。
悪意がないのは分かっているから、あまり批判は出来ないのだが
朝のクソ忙しい時間に、外国籍の親から電話がかかってきて
何かを伝えたいのは分かっているが、何を言っているか分からず
悪戦苦闘した末に「今日は風邪で休ませます」という話だった、なんて、今日では良くある話だ。
これだけインターネットが普及しているのである。
「インターネットが使えない家庭に対して差別になる」などという意見は、もはや時代錯誤である。
そんな家庭、学年に数人しかいないのだから、個別に電話やファックスで対応すりゃいいだけだ。
それに、必要な機能なんて、地域によって大きく変わるとは思えない。
市町村レベルではコストパフォーマンスを考えれば実現不可能なのは分かるが
文科省の方で作って県教育委員会に配付すれば良いじゃないの。
そのくらいの予算はあるんじゃないの?それともないの?
県教委に配られれば、あとは市町村教委を通じて、各家庭に配付すれば良い。
そして、細かい部分は、各学校で設定をして運用していくのである。
多忙化解消は必要である。
が、どの業務が負担になっているのかを分析し
そのなかでも、削れない業務……たとえば生徒指導とか授業とか……はどうしようもないのだから
それ以外に簡素化できる部分をどうかしなければならない。
それをやらずに、「保護者対応は何時まで」とか、「教師は何時以降学校にいちゃダメ」とか「タイムカードの導入」なんて、無意味だ。
うちの市でも、もうすぐタイムカードが導入されるらしいが
どうせタイムカードを押してから仕事が再開されるだけだ。
その簡素化できる仕事の1つとして、「保護者との連絡」をこの記事では提案した。
(ちなみに某市では、多忙化解消のためにタイムカードが導入されたが、そのタイムカードの機械の設置と初期セットアップは現場教師の仕事だったらしい。むしろ多忙化を促進している、本当に頭が悪い。)
21世紀に入ってもう20年近く経つ。
高度情報化社会と言われているが、学校教育現場はあまりにそれからかけ離れている。
アナログにも良いところはあるが、デジタル化して減らせる手間は減らしていかないといけないはずである。
国会では、そういうことを議論していただけないものだろうか。
個人的には、本当に森友とかどうでもいい。
内容としては
・多忙化がすごいことになっているから解消しなければならない
・だから協力して欲しいし、理解して欲しい
・多忙化を放置して教師が疲弊したら、困るのは子どもであり家庭であり地域である
みたいな感じ。
その「お願い」の中で、平時の電話対応は朝7時半から夜6時半までと明記され
遅くとも夜8時には学校は施錠すると言うことがうたわれている。
それはいいんだけど、そのためにこちらの業務を減らすための努力をしていただきたいのだが
残念ながらそこまではやってくれないのがこの「多忙化解消プラン」である。
ちなみに、その「お願い」プリントには、平時の電話対応は朝7時半から夜6時半までと明記されているが
我が市の教師の勤務時間(定時)は朝8時15分から夕方4時45分であることも、この記事では加えて明記しておく。
そもそも、この保護者連絡の手間をもっと減らせないのか。
今日の記事では、スマホ・パソコンの活用を提案したい。
つまり、学校アプリなるものを作り、保護者にインストールしてもらう。
パソコンまたはスマホで使用でき、もちろん無料。
年度のはじめにアンケートをとり、パソコンもスマホもうちにはありません!という家庭を調べ、そこは電話で対応。
それ以外の家庭には、IDとパスワードを配り、アプリ対応とするのである。
例えば、朝の欠席連絡をアプリ対応にすると、こちらの手間はとても減る。
従来の場合、子どもを欠席させるとき、親は学校に電話しなければならない。
これは早すぎても遅すぎてもダメである。
学校側も、誰かが電話を取れるようにしておかなければならないから、負担である。
これを、アプリでやるようにする。
そうすると、保護者は、スマホないしパソコンで、欠席することと、欠席理由を登録するだけだ。
これが学校に転送され、担任教師は朝それをチェックする。
そして、遅刻判定を行なう時間に教室に行き、そのデータの上での出欠と、実際の出欠状況の整合性を確認するだけで良い。
さらに、「欠席連絡を受けていないけど、生徒がいない」という状況にも対応しやすい。
これが一番厄介で、生徒の所在不明は最も教師が恐れる事態である。
よって、親が仕事だろうが何だろうがお構いなしに、電話をかける。
家→親ケータイ→親職場くらいまでなら当然かける。
それでもつながらなかったら、生徒によっては、親戚にもかける。
ところが、アプリ対応にした場合
教師が保護者に「現在、欠席連絡をいただいていませんが、○○君が学校に来ていません。至急確認の後、学校に連絡をお願いします」
とラインのごとくメッセージを入れれば良い。
特に、親が仕事中の場合、親にとっても都合がよいのではなかろうか。
ちなみに、現状のシステムだと
誰かが欠席連絡の電話を取る
→担任にその旨を伝える
→担任は空き時間に休んだこととその理由をコンピューターに登録
→それが出席簿や通知表に反映される
という感じなのだが
この無駄が多いシステムのせいで、ミスが生まれる。
例えば、親から欠席連絡を受け取っているのに、そのとった職員が担任に伝え忘れ、担任が親に電話をしてしまうとか
コンピューターへの入力ミスとか……(不登校傾向の生徒で、やらかしやすい)
これを、教師の注意不足で解決して良いものだろうか?
機械を有効活用すれば、教師の注意力を別なところに振り向けられるはずである。
また、学校から家庭への連絡もインターネットを有効活用するべきだ。
学校からの連絡は、主にプリントである。
紙に印刷され、朝の会等で担任が生徒に配り
「おうちの人に渡しておくように」
と担任が指示をするのが今のやり方である。
ところがそれが実際に届くかどうかを確認するすべは、教師にはない。
親から何か問い合わせがあり
「それについては、先週、プリントを配布させていただいているのですが」
「え、そんなプリント受け取ってませんよ?」
なんて、良くある話である。
親・教師ともに無駄手間が発生している。
これを、アプリによる配信にしてしまえば、確実に親まで届くわけだから、確認の手間や行き違いを減らせるはずである。
もちろん、中にはそのアプリを見ない親もいるだろうが、それはもはやどうしようもない。
ただし、子どもたちの自己管理能力を養わせるという観点から
プリント配布という従来のシステムは残した上で
学校から保護者にむけて、アプリを使って
「本日、○○○というプリントを配付させていただきました。ごらんおき下さい」
とだけ情報を配信するというのも良いかも知れない。
そうすれば、「学校で配られたプリントを子どもが親に見せない」という状況に対して、家庭が指導しやすくなる。
もちろん、デリケートな話題の場合、電話や面談でないとダメである。
それでも、事前にアプリを通して
「○○の話題についてお話ししたいから、お時間を取っていただきたいが、どうか」
という具合に、事前に文でアポを取るというのも、お互いにプラスになると思う。
例えば、とても難しい生徒指導のことで、親から話したいと言われた場合
事前に親が来ることが分かっていれば、準備をして対応出来る。
その方が教師は良い仕事が出来るし、親としても納得のいく話になりやすいはずである。
もう1つ、アプリを導入するメリットは、言語である。
日本語が通じない親は、無視できない数いる。
これは揶揄ではなく、外国籍という意味である。
例えば、今日は台風のため、休校ですとか、登校時間を遅らせます、なんて定型文の連絡は
アプリを利用すれば、多言語配信できる。
また、親→学校への欠席連絡だって、アプリにすれば
親のスマホ上は、親の母語で表示されていて、その内容は学校では日本語で表示されている、なんてことも出来るはずである。
悪意がないのは分かっているから、あまり批判は出来ないのだが
朝のクソ忙しい時間に、外国籍の親から電話がかかってきて
何かを伝えたいのは分かっているが、何を言っているか分からず
悪戦苦闘した末に「今日は風邪で休ませます」という話だった、なんて、今日では良くある話だ。
これだけインターネットが普及しているのである。
「インターネットが使えない家庭に対して差別になる」などという意見は、もはや時代錯誤である。
そんな家庭、学年に数人しかいないのだから、個別に電話やファックスで対応すりゃいいだけだ。
それに、必要な機能なんて、地域によって大きく変わるとは思えない。
市町村レベルではコストパフォーマンスを考えれば実現不可能なのは分かるが
文科省の方で作って県教育委員会に配付すれば良いじゃないの。
そのくらいの予算はあるんじゃないの?それともないの?
県教委に配られれば、あとは市町村教委を通じて、各家庭に配付すれば良い。
そして、細かい部分は、各学校で設定をして運用していくのである。
多忙化解消は必要である。
が、どの業務が負担になっているのかを分析し
そのなかでも、削れない業務……たとえば生徒指導とか授業とか……はどうしようもないのだから
それ以外に簡素化できる部分をどうかしなければならない。
それをやらずに、「保護者対応は何時まで」とか、「教師は何時以降学校にいちゃダメ」とか「タイムカードの導入」なんて、無意味だ。
うちの市でも、もうすぐタイムカードが導入されるらしいが
どうせタイムカードを押してから仕事が再開されるだけだ。
その簡素化できる仕事の1つとして、「保護者との連絡」をこの記事では提案した。
(ちなみに某市では、多忙化解消のためにタイムカードが導入されたが、そのタイムカードの機械の設置と初期セットアップは現場教師の仕事だったらしい。むしろ多忙化を促進している、本当に頭が悪い。)
21世紀に入ってもう20年近く経つ。
高度情報化社会と言われているが、学校教育現場はあまりにそれからかけ離れている。
アナログにも良いところはあるが、デジタル化して減らせる手間は減らしていかないといけないはずである。
国会では、そういうことを議論していただけないものだろうか。