名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

なぜ、授業準備は後回しになるのか。

2018-01-04 21:59:48 | 教育に関する私論
突然ですが

筆者の考える、教師が優先して行なうべき仕事ランキングを発表します。

ここでいう、教師とは、公立小中学校の教師です。

1位 授業
2位 学年経営・学級経営(生徒指導や生活指導、進路指導、保護者対応等もこれに含めます)
3位 校務分掌(行事の企画もこれに含めます)
4位 教材備品管理
5位 部活動
以下省略


授業と学年経営・学級経営、どちらがより優先度が高いかは難しいところで

諸説あると思いますが

私は授業だと思います。

その理由は、以前書きましたので、興味がありましたらご覧下さい。

校務分掌については、正直

「こんなもん教師の仕事じゃ無いだろう」と思ってしまうものも多くあります。

しかし、現実には我々教師がやらなかったら、学校という組織・施設が機能不全に陥るので

文句を言いながらやるしかないものも多いです。

パッと思い浮かぶのは、給食費の取り立てやその会計処理、植え込みなどの樹木の管理などでしょうか。(ほかにも挙げようと思えばいくらでも挙げられるのでしょうが)

前者は、事務方がやった方がいいと思いますし、後者はシルバー人材センターにでもお願いすればいいのです。

が、実際はその人件費を出せないので、教師がやる場合が多いです。

一方で、生徒会の運営や文化祭の企画など、教師の本懐とも言える校務分掌もあります。

教材備品とは、備品の中でも授業で使用するものです。

これは、教師が責任を持って管理するべきでしょう。

私は理科教師ですが、理科で言えば、諸々の薬品やガラス器具などの管理がこれにあたります。

部活動については、私は「やらなくて済むならやりたくない仕事」だと思っています。

なので、5位にランクインしていますが、部活動が大好きな先生がこの記事を読んだら

「5位、ふざけるな!!!」と声を荒げるでしょうね。

そんな先生とはきっと私はわかりあえません。



教師の最も大切な業務である(と私は考える)、授業。

当然ですが、授業をするには、その準備が必要です。

しかし、どうしても授業準備が後回しになってしまうことがあります。

これはなぜかを考えてみました。

先ほど私が挙げたランキングのトップ3にご注目下さい。

授業、学年・学級経営、校務分掌のうち

授業は、1人で行なう仕事

残り2つは、複数で行なう仕事、または1人で行なうが全体に大きく影響する仕事

なのです。



もっと身もふたもない言い方をすれば

準備不十分な状態で授業を行なっても

その授業を誰かに監視されているわけではありませんから

自分1人が恥をかく、または生徒が「授業つまんねーなー」と思うだけで終わります。

一方で、残り2つの仕事は、自分が仕事を滞らせると、他の教師の足を引っ張ることになります。

そしてその状況は、誰の目で見ても明らかな形になります。

結果、全体を重んじる心理により、授業準備よりも学年の仕事や学級の仕事、校務分掌を先に行なう事になります。

もちろん、その後授業準備をちゃんと行えれば問題は無いのですが

夕方の6時に部活動指導を終えて(その時点ですでに約10時間勤務です)

そこから校務分掌等の仕事を行ない

その後授業準備……そのクオリティはお察し下さいというレベルです。



やはり、1人の教師に多様な仕事をやらせすぎなんだと思います。

最近は、部活をやるとかやらないとかに議論の焦点がいってしまっている気がします。

最も切り捨てやすい教師の業務は部活なので、間違ってはいない気がしますが

もっと広い視点で議論をしてもいいのかな、と思います。


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