原稿用紙の隅っこ

声を大にしてまで言いたいわけではないけど、中の下くらいの声でなら言ってみたいこと。

人を見た目で判断する?­

2018-02-22 10:38:16 | 日記
「人を見た目で判断しないで」という女性の声に、こんな反論があったそうです。

「見た目で判断するというのは、もう本能的にあるものなのね」

 それは、確かにその通りだと思うんです。僕も内容じゃなくてイラストを見て小説を買ったことがありますし。
 ただ、「見た目で判断するというのは、もう本能的にあるものなのね」というひと言については異議ありです。
 本能的なものなら許される――というのなら、極端なことを言えば、男性が本能的に女性を襲っても許されなくてはいけません。
 他にも、見た目で判断しないでほしいという声には、こんな意見もあったそうです。

「こう思ってほしい」という望みがあるなら、それに見合う格好をすべきだ。

 これには、おおまかには賛成です。これは「すべき」というよりは、「そうした方が手っ取り早い」と言った方が適切かもしれません。見た目から受ける印象は確かに大きいですから。
 そして判断されるのではなく、判断する側には「手っ取り早い」方法を捨てることをお勧めします。見た目がすべてではない、というのは、もう説明するまでもないことです。見た目で判断していると、見た目からは分からない才能の持ち主を見落としてしまうことにもなりかねません。
 誰が何をどういう基準で選んだり判断したりするかは勝手ですが、損か得かを考えると、見た目だけで判断するのは「損」になる可能性は大きいと思います。強盗殺人犯でも真面目そうな服装はできますし、逆に、凄まじい才能を秘めていても汚い格好はできます。将棋で有名な村山聖だとか、浮世絵で名を馳せた葛飾北斎だとか。
 見た目で判断するのは仕方がない――のかもしれません。でも、仕方がないで放っておいたら、損をするばかりか、時には害になることさえあるかもしれません。
 「審美眼」という言葉は、案外いろんなところで役に立つのではないかと思います。

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