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産経新聞が社員の1割180人をリストラ、新入社員はたったの2人! 安倍応援団&ネトウヨ路線でも経営悪化止まらず
産経新聞リストラ安倍経営新入社員
LITERA3月5日(火)16時10分
リストラを断行し、ネトウヨ路線に批判的と言われる飯塚浩彦社長だが…(公式HPより)
お仲間の極右勢力やネット右翼に媚びまくり、安倍首相の政策に諸手をあげて賛同、さらにフェイクニュースまで垂れ流し、いまや“ネトウヨ安倍官邸機関紙”と揶揄される産経新聞。
だが、その恥も外聞もない路線にもかかわらず、産経新聞の経営状況はどんどん厳しくなっているらしい。今年に入って、大規模なリストラを敢行していることが業界で波紋を広げているのだ。
「産経の大規模リストラの噂は、昨年から囁かれていたことです。すでに役員の賞与はゼロで、報酬も大幅カットされていますが、社員のリストラにまで及ぶことになった。一説には社員2000人のうち500人から1000人をリストラするとか、退職金は一律500万円の激安などという噂までさかんに流布されています」(大手新聞記者)
実際、調べてみると、産経新聞社では1000人規模には及ばないものの、今年2月から“大リストラ”はスタートしていた。同月18 日より、51歳以上、59歳未満の希望退職者を約180人規模で募集。これは全従業員数の約1割に当たる大規模なもので、産経新聞社でも過去に例がない規模だ。
さらに衝撃的だったのが2月19日付の新聞協会報で公表された「新聞・通信社の2019年春入社予定者数」だ。読売新聞80 人、朝日新聞72人、毎日新聞61人という数字が並ぶなか、産経新聞の新入社員はたった2人。ちなみに、地方紙の京都新聞が17人、神戸新聞が11人、北國新聞が14人、高知新聞や中国新聞でも6人。この数字をみれば、いかに産経の経営状況が逼迫しているかがわかるだろう。
それだけではない。2020年10月をめどに販売網を縮小し、首都圏・関西圏などに限定するという報道が一部でなされ、さらには「首都圏と関西圏以外のほぼ全ての支局を閉鎖、撤退する計画もあるらしい」(業界事情通)との噂まで浮上。もしこれが本当なら、産経新聞は東京と大阪周辺のみのブロック紙となり、事実上、全国紙の看板を降ろさざるをえないことを意味する。産経では今年秋に新たなWEBメディアの立ち上げが予定されているが、デジタル部門に注力するかわりに「最終的に紙(新聞)からの撤退もあり得る」(前同)との観測まで囁かれているのだ。
たしかに産経新聞社の経営不振は深刻だ。2018年3月期決算によれば純利益で約9.5億円の赤字を出しているし、2018年度は通期で30年ぶりの営業赤字も確実視されているといい、また、実売数も100万部を切るのではないかともいわれている。
しかし、今回の“大リストラ”は単なるコストカットの意味合いだけではないらしい。ある産経新聞関係者は「会社そのものの存続がかかっている」と打ち明ける。
「産経新聞の台所事情は相当苦しい。幹部の間でもこのままでは会社の存続が難しいという危機感がある。産経新聞社は現在、フジ・メディア・ホールディングス(FMHD、中核はフジテレビ)が株の約40パーセントを握る持分法適用関連会社ですが、将来的に子会社化する計画が進んでいます。しかしFMHDは一部上場企業ですから、赤字では子会社化してもらえない。ですから生き残りをかけた必死のリストラを行っているのです」
しかもこうした情勢を見て、リストラ対象以外の若手社員の退社も相次いでいる。
「人手不足の上に人員削減のリストラですから、現場は疲弊。鬱憤も溜まっています」(前出・産経新聞関係者)
●大規模リストラとフジの子会社化計画について産経新聞社を直撃
今回のリストラ、そしてHMHDの子会社化などについて産経新聞社広報に質問したところ、こんな回答が返ってきた。
「当社では希望退職者を2月18日から27日まで募集中です。対象は主に51歳以上、59歳未満の社員で、募集人員は約180人です。ご指摘の『500人から1000人の大規模リストラ案』の存在や『希望退職者の退職金が一律500万円』との事実はございません。『首都圏と関西圏以外のほぼすべての支局を閉鎖、撤退する』という事実もございません。そのほか、経営に関することや仮定のご質問にはお答えできません」
しかし、いずれにしても、産経新聞社の危機は、同紙がこの間、突き進んできた路線が読者から支持されなかったことを意味している。
産経新聞は、もともと保守的論調で知られていたが、10年ほど前から、その路線をエスカレートさせ、極右界隈やネトウヨ受けを狙う報道をどんどん増やしてきた。
極右歴史修正主義を全面展開する「歴史戦」なるキャンペーン、安倍官邸の提灯持ちとしか言いようがない露骨な政権擁護、そして、その結果としてミスリード記事やデマゴーグは枚挙にいとまがない。
一例をあげておくと、いま、安倍政権が強行している辺野古の新基地建設にしても、産経は安倍首相にすり寄るような“機関紙”ぶりを露骨にしている。たとえば投票者の7割以上が「反対」を投じた先月の沖縄県民投票開票日の翌日、産経は社説で「投票結果は極めて残念」などと民意を否定し、「移設推進を堅持しなければならない」と政権を弁護。辺野古沖の赤土問題でも安倍官邸のフェイクを一貫して擁護してきた。
さらに悪質だったのが2017年12月1日、沖縄市知花の沖縄自動車道で起こった米軍の人身事故に関し、〈クラッシュした車から日本人を救助した在沖縄の米海兵隊曹長が不運にも後続車にはねられ、意識不明の重体となった〉とのデマを掲載、その上で地元紙の沖縄タイムスと琉球新報がこれを〈黙殺〉したとして「報道機関を名乗る資格はない」「日本人として恥」とまで罵ったことだ。しかし、実際には “曹長が救出”という事実は確認できておらず、産経は沖縄県警に取材すらしていなかったことが判明(過去記事を参照https://lite-ra.com/2018/01/post-3768.html)。ようするに産経は、沖縄の民意を反映して基地問題に批判的な報道をしている沖縄二紙を貶めるため、堂々とフェイクニュースを報じるようになっているのだ。
●方針転換?安倍首相の“お気に入り女性記者”を官邸キャップから外したが…
しかし、こうした路線にもかかわらず、部数は全く上向かず、どんどん右肩下がりになっていった。安倍政権のためなら民意を顧みず、フェイクも厭わないという堕落した報道姿勢は、一部のネトウヨや極右に受けたものの、一般読者を減らしてしまったのだ。しかも、こうしたネトウヨ路線を敬遠する企業スポンサーもあり、そのため営業赤字が確実視される事態に追い込まれたとの見方も広がっている。
こうした事態をなんとかしようと、産経内部でも一時、軌道修正をはかろうとしている形跡もある。たとえば、2017年6月人事では、政治部出身の熊坂隆光社長(現・会長)に代わり社長に就任した飯塚浩彦社長は、大阪社会部出身で産経内では「ネトウヨ路線に批判的」と言われる。さらに昨年秋、安倍首相お気に入りの政治部官邸キャップ・田北真樹子記者が本紙を離れ、月刊誌「正論」等の編集発行や関連イベントを担当する正論調査室の次長に異動になっている。
だが、こうした方向転換は徹底されたとはいえないし、いずれにしても、時すでに遅しのようだ。前出の産経新聞関係者がこう愚痴をこぼす。
「少なからぬ記者が『ウチはネトウヨ新聞だから』と自嘲して、半ば開き直ってます。一方で、優秀な記者は他の媒体に移っていく。このままネトウヨみたいな読者に依存していくしかないし、それはフジの子会社になったって変わらないでしょう。世間の評価を払拭するのはもう無理だと思いますよ」
ジャーナリズムの本懐を忘れた“ネトウヨ安倍官邸機関紙”の末路は哀れである。
(編集部)
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