企業が儲けても給料は増えない。アベノミクスの家計軽視が世界経済を悪化させる=斎藤満 | マネーボイス
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企業が儲けても給料は増えない。アベノミクスの家計軽視が世界経済を悪化させる=斎藤満
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2019年03月28日 12:21
各国が世界経済の見通しを下方修正しています。主因は中国・欧州の悪化と見られていますが、最近ではジャパン・リスクもかなり意識されるようになりました。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)
■海外景気の悪化が日本を直撃。企業優遇政策のツケが回ってきた…
■日本が世界景気の足かせに
IMF(国際通貨基金)、OECD(経済協力開発機構)の世界経済見通しが相次いで下方修正されています。今年の世界成長率は3.3%と、昨年の3.4%見込みをさらに下回ると見られています。
その中で、減速の主因は一般に中国、欧州の悪化と見られていますが、それに加えて、最近では「ジャパン・リスク」が意識され、日本経済の悪化も世界の足かせになっていると見られるようになりました。
安倍政権はまだ「景気は緩やかに拡大」が続いていると判断していますが、内閣府の景気動向指数が日本経済はすでに下降に転じた可能性を示唆していることは、海外のエコノミストにも知られています。特に、日本の内需、とりわけ家計消費の弱さが景気悪化の大きな要因と理解されています。
政府の認識と内外のエコノミストの判断との間に、ギャップが大きくなっています。
■所得のバランスが崩れた
日本経済の弱さは、著しい所得の偏りにあると考えられます。
特に、企業利益は過去最高を更新して好調を続けてきたのに対し、家計の所得はむしろ長期的に減少傾向にあります。
その結果、労働分配率が低下傾向にあり、国内では個人消費の低迷が続いています。この企業、家計間の所得分配の歪みが国内の消費需要を弱め、企業の投資や生産活動にむしろ足かせになっている面があります。
企業の利益は様々な指標で好調が確認されています。財務省の「法人企業統計」でも日銀「短観」でも、いずれも企業の利益は拡大し、特に安倍政権になってから経常利益は50%から60%も高まっています。これに対して家計の所得はじり貧です。例えば、国税庁の「平均給与」でみると2017年の平均年収は432万円で、10年前の437万円より減っています。
ここから税金を引き、物価上昇を差し引いた税引き後の実質所得はこの10年で6.1%減少しています。特に中小零細企業の賃金が大企業に比べて小さくなり、非正規雇用の賃金(2017年は175万円)は正規雇用(494万円)の35%にとどまっています。
つまり、企業と家計所得の間とともに、個人の間でも正規雇用と非正規雇用の賃金に大きな格差が生じています。
■格差を拡大させた政策
こうした所得の偏りをもたらした背景に、日本の政策が大きく影響しています。
例えば、アベノミクスでは法人税減税を進める一方で消費税を引き上げ、社会保険料(国民年金掛け金、健康保険、介護保険料など)は毎年のように上がっています。
さらに、経済財政諮問会議などが派遣労働力や外国人労働を使いやすい制度にし、働き方改革もあって、企業は人件費の抑制が可能になり、これが企業収益を支える柱となりました。
加えて、アベノミクスのもとで異次元の金融緩和と円安が進み、家計の利子所得はひところ年間30兆円以上あったのが、今はほとんどゼロになり、円安でエネルギーや輸入食材が値上がりして購買力を圧迫しています。
■内需の弱さを外需でカバー
個人の所得が実質的に減少を続け、しかも人口減少、高齢化の中で国内の消費需要は長らく停滞を続けています。一方で企業にとっては政策的な人件費の抑制が功を奏し、さらに超低金利と円安もあって企業の輸出は大きな利益を生むようになりました。この海外での好調な利益が、国内市場の弱さをカバーしてきました。
企業は利益を上げても国内市場が先細りのため、国内投資には慎重で、利益分の多くを「利益準備金」(いわゆる内部留保)に積み上げてきました。これは「貯蓄」にあたり、需要の抑制につながります。このため、企業収益は絶好調でも、日本の景気は常に「緩やかな」の修飾語の付く拡大、低成長に留まりました。
海外で稼いでも、それを労働者に賃金で還元しなくてもよい環境をアベノミクスが作り上げてきたのです。それが企業の貯蓄を促し、成長を阻害してきたことは、何とも皮肉なことです。
■海外景気の悪化が日本直撃
そこへ、日本企業にとって利益の源泉でもあった海外景気が、昨年暮れあたりからにわかに悪化しました。日本電産の中国からの受注が11月から激減したと言い、中国向けの輸出が1月には20%も減少する事態となりました。また欧州でもドイツ、イタリアの景気が変調をきたし、日本の輸出が減少気味となりました。
内需が構造的に弱い中で、唯一稼ぎの場であった海外景気が弱くなると、いよいよ逃げ場がなくなります。実際、昨年10-12月期の企業収益は、前年比2桁の減益となりました。今年に入っても、環境の改善は見えず、ここへきて今まで一人勝ちを続けてきた米国まで「景気後退」の懸念を強めています。FRBの景気判断弱気化から、逆イールドが生じるようになったためです。
米国景気が悪くなると、それだけ今後の日米通商交渉が厳しくなります。特に、米国の農業が今不調で、農場閉鎖が増えています。また看板産業の自動車も苦境にあえいでいます。
この2つの分野が日米交渉の中心に据えられます。4月に安倍総理がワシントンに呼ばれていますが、日本が何を差し出すか、米国は厳しい目で見ています。
■家計に目を向けよ
家計を圧迫し、企業の利益を優先する「アベノミクス」を6年以上も続けてきた結果、国内市場が疲弊し、企業は海外市場に依存せざるを得なくなりました。そして、海外市場がヘタってしまうと、いよいよ逃げ場がなくなり、景気の悪化に直接結びつきます。
米国ではGDPの3分の2を占める個人消費を経済の柱として大事にし、その維持拡大に政策資源を傾けてきました。一方で日本では家計消費が名目GDPの5割まで落ちてきました。
本来最も安定的な消費市場が縮小している分、経済は不安定になります。景気の安定はもちろん、国民生活の不安を緩和するうえでも、政策の対象を家計に向け、ここに光を当てる政策が必要になってきました。
安倍政権でできなければ、政権交代を選択する力が働きます。今年の統一地方選、参議院選挙はその試金石になりそうです。
※本記事は有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2019年3月27日の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。
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