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冬のソナタに恋をして

キムサンヒョクの10年

キムサンヒョクにとってもチュンサンの死は、かなりの衝撃だった。しかし、ほかのみんなと違って、チュンサンにかなり辛く当たられていたサンヒョクは悲しんではいたものの、人の命はあっけないものだと、客観的に見ている自分もいた。
ユジンをとられて、あんなに嫉妬していたのに、そのチュンサンがいなくなったことで、あっさりとライバルが居なくなってしまった。しかし、ユジンが悲嘆にくれる姿に、サンヒョクも胸を痛めた。ユジンが元気になるためなら、なんでもしようといつもそばにいることを誓った。

しかし、ユジンは表向きは元気にふるまい、あまり弱音は吐かなかった。チュンサンの名前もいっさい出さなかった。ただ、時々遠い目をしている時が増えて、チュンサンの事を思い出しているのだと分かった。そんな時はユジンの世界に誰も入りこめない。チュンサンとの2人だけの時間なのだ。サンヒョクは、記憶の中のチュンサンにさえ嫉妬した。
そして、もっと自分を頼って欲しいと思っていた。しかし、たまに思わずユジンが涙ぐむときは、そっと肩をかしてあげ、ユジンを笑わせるために自分も笑っているぐらいしか、出来ることはなかった。

チュンサンが死んでからユジンは変わってしまった。無邪気さや明朗快活さがなくなり、明るさや健気さはあるものの、いつもどこか暗い影を感じさせた。あんなに大好きだった、弾けるような笑顔のユジンがいなくなり、サンヒョクは死んでもなおチュンサンを恨めしく思った。

しかし、男子生徒たちは明るさの中に憂いを帯びた表情を見せるユジンにかえって惹かれるようで、頻繁に告白されており、サンヒョクはいつもユジンのそばを離れず、気を揉まなければいけないようになった。

サンヒョクは、大学でマスメディア学部を選択した。日頃は控えめな自分が、外に向けて情報を発信することで、人に影響を与えられる側になることが、楽しくてしかたなかった。将来はテレビ局かラジオ局に勤めようと考えていた。

プライベートでは、相変わらずユジン中心の日々が続いていた。違う大学だったので、土日はいつもユジンやヨングクたちを遊びに誘った。でも、ユジンはバイトとボランティアで忙しいと言って、あまり会えない日々が続いた。ユジンはひたすら勉強などに打ち込んで、周りを見ないようにしているようだった。サンヒョクはそんなユジンをいつも気遣って、少しの時間でもそばにいたり、電話をかけたり、食事に連れて行ったりしていた。

やがて、みんな大学を卒業して、サンヒョクはラジオ局に就職した。ユジンは誰よりも喜んでくれて、就職祝いに腕時計をくれた。

このころになると、周りの友達全部がユジンとサンヒョクは付き合っていると思うようになってきた。サンヒョクも就職したことで、経済的に自立して、ユジンとの結婚を考えるようになった。

ある夏の夜、サンヒョクはユジンに結婚を前提とした交際を申し込んだ。ユジンは顔を真っ赤にして、しばらく考えているようだったが、小さな声で受け入れてくれた。

それからのサンヒョクは生まれてから一番幸せな日々を送った。彼氏なので、いつでも好きな時にユジンに会うことが出来るし、触れることも出来る。映画に行ったり、ドライブをしたり、ユジンの部屋でおしゃべりをしたり。
ユジンはガードが堅くて、キスから先にはすすまなかったが、それでもサンヒョクは満足していた。もう、カンジュンサンの亡霊は2人の間にはいない、過去に追いかけられずにすむと思った。実際、ユジンはずいぶんと明るく笑うようになった。




サンヒョクはフレンチレストランでユジンにプロポーズをして、承諾をもらった。早く結婚して一緒に暮らしたい、サンヒョクはその日を待ち焦がれてワクワクしていた。

しかし、最近ふっと思い出すことがある。
そういえばチュンサンはよく父親の大学に来て、部屋まで入って話をしていたが、いったい何をしていたのだろうと。今まで、忘れていたのに、急に思い出すなんて。

そんなとき、チェリンから帰国するというメールが届いた。予想もしない嵐の前触れだった。

コメント一覧

kirakira0611
長谷川まきさま、コメントありがとうございます😊パク・ヨンハさんのことはとても残念に思ってます。本当に安らかに眠ってほしいです。
長谷川まき
自殺は本当に辛い本当は生きてたいと本人は思っても辛い苦しい寝れない精神的肉体疲労がきたんだと思うただ今は安らかにお眠りください改めてパク・ヨンハさんの曲いい
kirakira0611
みーちゃんさん、パク・ヨンハさんて、そんなに素敵な方だったんですね。
しかも広島⁉️韓国で叩かれませんでした?
もうね、ヨンハさんがかわいくて、残念で、いつもサンヒョク〜かわいそうだな、お前って何様な感じで思ってます。
ああ、かわいいなぁ。
生きててほしかった、その一言です。
みーちゃん
kirakiraちゃん、こんばんは😇

パク.ヨンハさん、亡くなられる前に広島に来られましたよ。
全国から集まったファンの前で熱唱され、
当時災害があった後だったので、
寄付をしてくださいました。
その後借金で苦しんでいたと聞き、
かなり無理をされたのだな、と胸が痛みました。😭

とっても心の優しい方だったのですね。

最後のドラマはソン・ユンアさんとの共演でした。
まさか亡くなられるなんて、、、
驚きましたよ。
まだお若いのにね。。。。
残念です。😢
kirakira0611
@aqua_marine さん、ヨンハさんのお墓まで行ったんですね。亡くなったときは悲しかったでしょうね。
監督は冬ソナ2はヨンハさんで作りたい、と言ったみたいだから、実現したら良かったですね。
最近ユジンがやたら理不尽なオンナに思えます。
kirakira0611
@ogasakoki8823-51719-613283 さま。ありがとうございます。モノクロの写真が素敵です。
ダッフルコート、みんなテーマカラーみたいなのがあって着てますね。似合ってます。
焼却炉や満員バスってリアルだったんですね、、、。アバは私も知ってます。マンマミーアを観ました。
懐かしい気持ちより、新鮮な気持ちで観てます。
いろんな見方があっていいですね!
Unknown
こんばんは、
いつも楽しく拝見させていただいてます
ユジンやサンヒョクが着ていたダッフルコート
あれは私たちの高校時代にも流行ったんですよ
懐かしかったですヨ〜
満員バスの通学風景も全く同じ
学校の焼却炉で
枯葉を燃やしたのも同じです。
放送部がアバのダンシング・クイーンを流したのも同じ
遅刻者を監視する生活指導部の先生も同じでした
なつかしい高校時代がよみがえります。
aqua_marine
本当に素敵なドラマでした。
私は実はサンヒョク派でした。サンヒョクの控えめにユジンを想う姿が切なくて…。
もちろんパクヨンハさんも大好きでした。亡くなられた後訪韓した際にお墓参りもしてきました。安らかに眠ってほしい…と手を合わせてきました。
kirakira0611
高村さま、おはようございます。
そうだったんですね。観た方の数だけきっと思い出があるんでしょうね。
今思うとかなり冬ソナはマイルドですが、韓国ドラマのドロドロ感が苦手で、今は卒韓してます。
観ると疲れてしまって。子育て中で疲れてるので
、陥れる人とか憎むとか、もうウンザリ〜と思ってしまいます(笑)
高村です
フォローありがとうございます。
冬ソナ 随分観ました^^あれ以来韓国ドラマにハマった人
多いでしょうね^^
kirakira0611
@knsw0805 さんおはようございます。パク・ヨンハさん、亡くなったんですよね。それもしばらく知りませんでした。書いてると、この人がドラマで一番かわいそうです。しかも、ドラマと関係ないけど、亡くなってるから、余計に可哀想で、、、。パクパクコンビがいないと、ドラマは成り立ちませんね(笑)
knsw0805
懐かしい、思い出しました。亡くなっていますよね。毎回見ていてヤキモキしていました。もどかしいというか、思いが通じないというか、しかしこの人がいることで韓国ドラマの神髄が分かりました(笑)
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