未来の少女 キラシャの恋の物語

みなさんはどんな未来を創造しますか?

第20章 運命は変えられる! ④

2021-03-09 16:22:57 | 未来記

2013-04-04

4.パパは天国に…

 

キラシャも、パールも、ケンもマイクも、ホテルの部屋にたどりつくと、旅の疲れと垢をシャワーで落とし、ベッドで深い眠りについた。

 

次の日は、子供達を誰も起こさずにいたので、キラシャが目覚めたのはお昼を過ぎていた。

 

同じベッドに寝ていたパールは、少し前に起きていたらしく、ボーっとした顔でベッドに座り、キラシャの目が覚めるのを待っていたようだ。

 

隣のベッドには、ケンとマイクが窮屈そうに、同じベッドで絡み合って寝ている。

 

キラシャは、ケンの寝顔を見るのは、久しぶりだなぁと思って、自分の肩で寝ていたタケルの寝顔を思い出し、フッと笑顔になった。

 

 

『タケルは、何してるンだかね~。

 

少しは、あたしのこと思い出してくれてるのかなぁ~?』

 

 

パールも、熟睡しているマイクがよだれをたらしているのを見て、キラシャと目を合わせてニコッと微笑んだ。

 

パールにとっては、それがホンのひとときの安らぎだったかもしれない。

 

コンコンとドアの音がして、パールのママ、ルビーがドアを開けて部屋に入ってきた。

 

ルビーおばさんは、パールのそばに腰をおろし、パールをギュッと抱きしめた。

 

「落ち着いて聞いてね。

 

…パパは、天国に旅立ちました。

 

やっとあなたに会えて、元気なあなたを見て、安心したのかもしれない。

 

でも、まだあなたのそばにいるかもしれないから

 

今も、パパがあなたを見守ってると思ってちょうだい。

 

 

…あなたは、パパに助けてもらったの。

 

だから、あなたはこれからも生きてゆかなくてはなりません。

 

 

ママのためにも、

 

あなたの兄弟やお友達や、

 

これから、あなたが愛し、愛される人のためにも…」

 

 

パールは、ママの話す言葉ひとつひとつにうなずきながら、涙を流した。

 

キラシャも、起き上がって、パールの背中に自分の身体を寄せて泣いた。


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