2008年7月のブログ記事一覧(2ページ目)-ギャラリー貴祥庵 ―《貴志 理の 日々の思いついたままのイメージ絵画、心に残る言葉、歳時の記録を綴る》―


天翔る5

 


天馬 シルクロードを翔ける夢の馬

奈良国立博物館の4/5-6/1特別展のタイトル

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天翔る4

 

 

蛍籠むしろ星天より昏く

海の門や二尾に落つる天の川

―山口誓子―

 


 「才市よい うれしいか ありがたいか」

 「ありがたい時ゃ ありがたい なんともない時ゃ なんともない」

 石見の才市さんの自問自答の言葉ですが、自分の気持ちに素直に あるがままに見つめる。見ている自分に素直に。

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天翔る3

 


みえない星

空のおくには何がある。

  空のおくには星がある。

星のおくには何がある。

  星のおくにも星がある。
  めには見えない星がある。

みえない星はなんの星。

  おともの多い王様の、
  ひとりのすきなたましいと、
  みんなに見られたおどり子の、
  かくれていたいたましいと。

―金子 みすず―

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天翔る2

 


夜ふけの空

 

人と、草木のねむるとき、
空はほんとにいそがしい。

星のひかりはひとつずつ、
きれいなゆめを背(せな)に負い、
みんなのお床(とこ)へとどけよと、
ちらちらお空をとび交うし、
つゆひめさまは明けぬまに、
町の露台(ろだい)のお花にも、
お山のおくの下葉にも、
のこらずつゆをくばろうと、
銀のお馬車をいそがせる。

花と、子どものねむるとき、
空はほんとにいそがしい。

―金子みすず―

 

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天翔る

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二 星8

 

 

 

昼のお星はめにみえぬ
  見えぬけれどもあるんだよ
  見えぬものでもあるんだよ

金子みすずの童謡の一節

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二 星7

 

別れても またも逢ふべく 思ほえば 心乱れて 我恋ひめやも

(万葉集9-1805)福麻呂

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二 星6

 



明日よりは我が玉床をうち掃ひ君と寢ねずてひとりかも寝む(万葉集10-2050

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二 星5

志貴皇子の子湯原王の七夕歌2首

彦星(ひこほし)の 思ひますらむ 心より 見る吾(あれ)苦し 夜の更けゆけば (8-1544)

織女(たなばた)の 袖継ぐ宵の暁(あかとき)は 川瀬の鶴(たづ)は 鳴かずともよし(8-1545)

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二 星4

 

天地の 別れし時(万葉集8-1520

彦星は 織女と 天地の 別れし時ゆ いなむしろ 川に向き立ち

思ふそら 安けなくに 嘆くそら 安けなくに 青波に 望みは絶えぬ

白雲に 涙は尽きぬ かくのみや 息づき居らむ かくのみや 恋ひつつあらむ

さ丹塗りの 小舟もがも 玉巻きの 真櫂もがも 朝なぎに い掻き渡り

夕潮に い漕ぎ渡り ひさかたの 天の川原に 天飛ぶや 領布片敷きて

真玉手の 玉手さし交へ あまた夜も 寝ねてしかも 秋にあらずとも

反歌



風雲は二つの岸に通へども我が遠妻の言ぞ通はぬ(万葉集8-1521

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二 星3

 

 

目をくばる空の広さよ天の河ー子規ー

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二 星

 

七夕や 髪ぬれしまま 人に逢ふ    (橋本 多佳子)

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二星(じせい)

 

二星適逢 未叙別緒依々之恨 五更将明 頻驚涼風颯々之声

(『和漢朗詠集』 七夕 213 小野美材)

出会う牽牛と織女の短い逢瀬の切なさを描いた詩です。

東儀秀樹氏「雅楽 天・地・空~千年の悠雅」(平12・TOCT-24293・東芝EMI)で「二星」を演奏。東儀氏の解説は次の通りです。

平安時代の中頃に歌曲として完成された朗詠は、中国やわが国で作られた漢詩に曲をつけ、一管ずつの笙、篳篥、龍笛の伴奏で歌われるものです。内侍所(宮中の神殿のある所。賢所)の御神楽の儀に奉仕していた殿上人たちが神楽歌(御神楽の儀で使う歌曲)のような旋律を宴席などで歌いたいと思い、それを漢詩につけて歌い始めたのがきっかけだとされています。古くは数百首近くあったといわれますが今では15首くらいしか残っていません。                    
 ひとつの詩を一の句、二の句、三の句と三つに分け、それぞれの句のはじめを独唱し、途中から斉唱(合唱)となります。二の句の独唱部は特に高音(通常より1オクターブ高い)なのが特徴的で男性にはとても苦しい音域となります。一の句が終り、いきなり高音をとるのが大変むずかしいことから、声につまる、つまり「二の句が告げない」という言葉はこの朗詠に語源があるのです。それでも私は二の句が好きで今回も二の句の独唱部を担当しました。                 
 「二星」というのは彦星と織姫のふたつの星のことで七夕にちなんだものです。年に一度の出逢いの喜びを語り合ううちに夜が明け始め、別れが近づく。出逢いの喜びと別れの悲しさの間の短い逢瀬のせつなさを描いた詩です。         
 現在残っている朗詠のほとんどが祝賀の内容を表わしたり自然描写で哲学的な表現をするものが多いなか、この「二星」はとてもロマンティックな内容をテーマにしている点が個人的に興味深いところなので収録しました

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もも27

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もも26

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