ギャラリー貴祥庵 ―《貴志 理の 日々の思いついたままのイメージ絵画、心に残る言葉、歳時の記録を綴る》―
表現の可能性を模索しつつ美術家貴志理の日々のイメージ絵日記。柔らかな調和の取れた色調と奥深く記憶された感性との対話。
風立ちぬ7
核兵器廃絶をめざす「核なき世界」を目指す決議を国連安全保障理事会で全会一致で採択。決議には包括的核実験禁止条約の署名.批准促進による早期発効も公約。 また気候変動サミットで日本は目標として温室効果ガス排出量の25%削減方針を打ち出したことに国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長はサミット後の記者会見で「政治的に勇気ある、決定的にタイムリーな誓約」、「日本政府の野心的な目標は先進国の間の力学を変えると思う」と発言。先進国による足並みをそろえた温室効果ガス排出削減に向けて、プラスの影響がおよぶことに期待を表明しました。
今までの独自の主張の外交政策をもてずに優柔不断の官僚手法で国際交渉に後ろ向きだった日本の政治からやうやく脱却。核.地球温暖化では世界に先駆けて一歩を踏み出す政治を今後とも日本の政治家に期待したい。夢ある理想論を後ろ向きに捉え現実思考の中で経済中心の政治を展開してきた今までの政治の場でなくこれからは理想に向かって実現を公約していける政治を展開できる世論になって行って欲しいですね。
風立ちぬ6
Le vent se lve, il faut tenter de vivre.
PAUL VALRY
序曲
それらの夏の日々、一面に薄の生い茂った草原の中で、お前が立ったまま熱心に絵を描いていると、私はいつもその傍らの一本の白樺の木蔭に身を横たえていたものだった。そうして夕方になって、お前が仕事をすませて私のそばに来ると、それからしばらく私達は肩に手をかけ合ったまま、遥か彼方の、縁だけ茜色を帯びた入道雲のむくむくした塊りに覆われている地平線の方を眺めやっていたものだった。ようやく暮れようとしかけているその地平線から、反対に何物かが生れて来つつあるかのように……
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風立ちぬ、いざ生きめやも。
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堀辰雄の「風立ちぬ」のイメージになるかな。