手紙が猫ばかりから来る理由、ひょっとして、助手変えてないからかもと思ったり?
とりあえず、新美南吉だったあたりから、こんな光景。
●ごん、お前だけかっ!
文豪たちは思った。
「助手が変わらないのか」
ということを。
アルケミストに信頼を置いてもらえていることで喜ぶべき所だが、遊べないためか不機嫌な南吉。
贅沢なと思いつつも、自由が削減されるということに同情もある。
「イケメンより、子ども好き」なのかという性質も考えられたが、宮沢賢治は助手になっていない。
なぞ、である。
一度、江戸川乱歩が助手を務めた時、「マント、好きだけど、鬱陶しいね」と言ったそうだ。でも「帽子好き」と言う。
プラマイゼロで一時期助手。
「別に、あの人、助手置いている意味がないと思うんですが?」
乱歩の言葉。
「でもさ、アルケミストの仕事興味ない?」
「アルケミストの部屋はたばこ厳禁という話だよ」
太宰治の言葉に芥川龍之介は紫煙を散らし告げる。
そう、ヘビースモーカーは厳しい職場。アルケミストが出没するところは、完全禁煙になっている。
とはいえ、人材も増えたのだから、助手は当番制とかでもいいんじゃないかという意見も出た。
アルケミストに抗議をしに行こう、という一団。
部屋に入ると、南吉はおやつを食べていた。
アルケミストは机のところでキツネと戯れていた。
信頼を置かれていいよね、とやんわり言うと南吉はいう。
「違うよ。ごん、だけだよ?」
南吉の目は遠くを見ていた。
「ごん、お前だけか」
「うん、そう、面白いこと言っているみたいだけど、面白くないからねっ!」
太宰にどこからカエルが落ちてきた。
「おやつはおいしいけど……暇……」
南吉は溜息をついて、アルケミストが用意したお菓子を食べ始めた。
× × ×
どういう経路で入手したか記憶にないけど、ゴシックな服装に南吉はしてあった。
それにしていた理由、ごんが表に出てるから。
ごん、可愛い。
ごん、欲しい。
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