奇乃堂

さまよった挙句ランチ……温かさが身に染みる

 そういえば同じ思いをしたことがある……あれは雪の京都だ……。予約という概念が私にはなく、一人旅だから余計になく、店員の「いっぱいだからだめ、予約していないの馬鹿じゃないの」という雰囲気に押しつぶされつつ、公園に面して人気が少ない古民家風のお店に流れ着いたのだった。ガラガラでストーブも暖かで、涙が出そうだった……と記憶が非常に美化されているかもしれない。
 が、まー、それくらい、東京で気持ちを味わう。
 その日、財布にぎりぎりのお金を入れて、都心の銀行のキャッシュカード入れなかったのがすべての問題。
 書店で「現金のみ」と言われて、どうしてもほしいから買った。そのあと、地銀のATMが少し戻った駅にあるから行けばよかったのかもしれない。
 その日、飯田橋で甘味を食べるつもりだったから口の中は甘味モード。東京駅で疲れても頑張った。
 お金はなくはないが、酉の市優先。
 入店時に尋ねる「クレジットでもいいですか」「現金でお願いします」……すごく、自分の愚かさに涙が出てきた(笑)。本当なんで地銀のキャッシュカードを入れてしまったんだ!
 そのあと入れたお店では分煙とはいえ喫煙の真横の席で、匂いが危険だと思ってすぐに出た。体調不良になるくらいなら、美味しい店でも食べられないほうを選びぎみなので(状況によっては我慢して、痰絡み、頭痛覚悟しますよ……)。
 丸の内線に乗りたい……どうしよう、後楽園で乗れるのか! と来た電車に乗る。あー、これ、失敗と成功でもあったんだよ。失敗……四谷で乗り換えれば新宿は非常に近い。後楽園からだと皇居があるからすごく遠回りだったのだ……。
 成功だったのは……食事が食べられたこと。
 駅ビルと言うべきなのか、メトロ管轄のビルがあって、そこの飲食店へ。ピザもいいな、でも喫煙ありか……分煙とはいえ……と躊躇。
 うどんやそばか……うーん、あ、抹茶スイーツ! ……ここのプリンやラテはあれだ、スーパーで(もごり)。
 ……でもなぁ、甘いもの食べたいし。店員さんに「クレジットでもいいですか?」いい笑顔で「大丈夫ですよ、ほら」と一覧を指す。
 ふえええ。
 ということで「三宝庵」で「れんこん饅頭湯葉あんかけうどん」と「抹茶チーズケーキ」を食べた。
 あれ……れんこん団子? ……メモってない駄目なライター!

 ふわふわ湯気があがるため、身に染みるぜ。団子の上にゆずや紅葉のような麩が乗っており、季節感やほんわかと心が温かくなる気がした。
 湯葉はしっかりした歯ごたえであり、まー、なんといっていいか分からないけど元からそこまで湯葉に愛がないし(おいしくもまずくもない)。
 うどんは歯ごたえがしっかり目。
 おつゆは鰹節の味……したような気がする……。関東風! ……あ、うん、当たり前だよね。都路里慣れしているせいで、関東風が珍しい関東人。
 食べいる最中に涙が出てきた。冗談抜きで……寒かったし、くいっぱぐれるかと思ったし。
 デザート。申し訳ないが味に期待はしていないが、ちょ、これは反則だ!

 かっこいいよ!
 見た目重要。
 おおおお。
 ……味は想定通り。
 見た目はおしゃれで驚いたのだ。
 次回つかえる期限あるチケットもらったけど……どうなるかはわからない。
 後楽園はそれほど行かないところだから。でも、また行ってもいいのかな。

今後ともよろしくでございます。

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