連れずれの記

声なき者の叫びを映す(思い上がりのたわ言)

中(恥)坊時期

2024-02-12 20:54:40 | 夢の中の話



 [Usio] 初めての友
 中2の頃学年で一位の成績のU君と、
よく一緒に過ごすようになっていた。
 小さい町で、顔見知りばかりなのだから、
名前や家庭環境も隠せない。
 一人で生きている自分と海の事故で。
父親を亡くした彼とは、 余計な気を遣わずに
話し合え、分かり合える仲間だった。
彼は 1日何時間も勉強していた。時間が空いた
時だけ外に出る。たまたま 勉強をしない自分が
そこいる。だからよく遊んでいただけで、
何か大きな必然性が、あったわけではない。
彼の頭脳は ずばねけていた。理科室に
「マグネシウム」等の薬品を見つけた時は、
 調達役が自分で手に入れ、化学反応?を試した。
 火薬の作り方を調べ、手製花火の製造!実験。
今思うと,所謂 「中2病」マグネシウムBombを
人がいない海岸で、着火w!しかし着火がうまくいかず、
 暖めようと?焚火に入れた???。最初は反応がなく、
恐らく失敗したと思いその場を少し離れた。
5分位-過ぎた頃突然大きい音!間一髪だった。
夏が過ぎるころに彼から、転校を告げられた、母親が
 家計を背負っていたが、先年卒業していた兄が一緒に
住めると言ってきたとの事。別れは淋しいが仕方のない
 現実に抗うだけの力もない自分や彼の年齢。
夕暮れの河原で焚火をしながら、もう一人の友人と3人
 時間を過ごしていた。

「初めての家出」 K君という友人はやはり
父親がいなくて淋しかったのだろう。K君の兄も
 東京方面に働きに出ており彼は無性に、会いたがっていた、
私も母が函館の病院に入院していて会いたいというより、
 行きたかった。「中2病」の考える事に「善悪」
等の基準はない。ただ思い付いた事を実行するのに
 尽力し突き進むだけだった.
なけなしの郵便通帳、僅かな金をおろし、K君
 とバスの中、廃線前だった城下町の駅で函館
までの切符を買い乗り込む。先の見えぬ旅は
 抵抗もなく滑り出した。函館で駅前旅館に
一泊。不思議と捜索の手はなく、安堵しながら
 眠りについた。翌朝母のいる病院に行こう
と思ったのだが、K君は一刻も早く「東京」
 に行きたいと言う。彼を唆したような形の
家出だったので、幾分後ろめたさもある。
 ・・・従おうと思った。早朝の駅で「青森」
までの切符を手配し、初めて内地へ渡る。
 ここで問題が起こる。青函連絡船での渡航中、
K君が酷い船酔いを起こした。これは想定外、
 漁師の町の育ちなので思いもしなかった。
どうにか青森に着いて船を降りそして考えた。
 彼の乗り物酔いは本物だ。とても東京には
行けないだろう。薄々彼も気づいてるだろう。
 青森まで来てそのまま帰るのも、悔しい。
未だ「中二病」の思考から抜けられない二人は、
 ここで観光しようと思い立つのである。
何という頭の中だろう恐ろしいほどの短絡さ。
 青森からK君が酔わない程度の距離で何処か
無いだろうか駅の地図で探す。目についたのが
 「浅虫」の文字、有名な温泉らしい近そう
だから行ってみようこの時点で持ち財産と
 帰りの運賃を計算していたのだから恐るべき
中坊である。バス路線を探して、一路浅虫温泉へ
 穏やかな日差しの中バス停から海岸へ・・・
内地の海だ。好き透り暖かく穏やかな海
 北の日本海の荒れ狂う海との対比・・・
そういえば空気までなにかが違うこれは
 思うとニコンレンズとユーロレンズの
違いでもあろうか、透明感が微妙に違うのだ。
初めて、海を渡り着いた異郷は、幼い頃から
海越に眺めていた、本州最北端だった。


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