中村歯科

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食後すぐに歯磨きをしていいの?

2019年03月18日 | Weblog
食後すぐに歯みがきをすることが、むし歯予防に効果的だと言われてきています。
むし歯をつくる細菌が多量に含まれる歯垢(プラーク)と、
食後口の中に残る糖質を早く取り除くためです。

しかし近年、食後すぐに歯をみがくと、
あたかも歯が溶けてしまうというような報道が新聞やテレビでされました。

この影響でやや混乱が見られるようですが、結論は「すぐ磨いて大丈夫」です。
その理由と、例外(少し時間をあけたほうがいい時)をご紹介します。


そもそもこれらの報道のもととなったのは、実験的に
「酸性炭酸飲料に歯の象牙質の試験片を90秒間浸した後、
口の中に戻し、その後の歯みがき開始時間の違いによる酸の浸透を調べた論文」で、
むし歯ではなく「酸蝕症」に対する実験による見解なのです。

実際では、歯の表面は上記の実験で用いられた象牙質ではなく、
酸に対する抵抗性がより高いエナメル質によって被われています。
よって、酸性飲料を飲んだとしても、エナメル質への酸の浸透は象牙質よりずっと少ないです。
さらに唾液が潤っている歯の表面は酸を中和する働きがあり、
酸性飲料の頻繁な摂取がないかぎり、すぐには歯が溶けないように防御機能が働いています。
つまり、一般的な食事ではこのような酸蝕症は起こりにくいと考えられます。

歯みがきの目的は、歯垢(酸を産生してむし歯を作り出す細菌の固まり)を取り除くとともに、
酸を作り出す原料となる糖質を取り除くことです。
歯みがきをしないままでいると、
歯垢中の細菌によって糖質が分解され酸が産生されて、歯が溶けだす”脱灰”が始まります。

このように、歯垢中の細菌がつくる酸が歯を脱灰してできるむし歯と、
酸性の飲食物が直接歯を溶かす酸蝕症とは成り立ちが違うものなのです。
よって食後は早めに歯みがきをして、歯垢を取り除いて脱灰を防ぐことが重要です。

**例外**
酸蝕症の恐れがある方は、
酸性の強い食品、飲料物をとった後は30分ほど時間を空けることをオススメしています。
歯の根元や、噛む面のエナメル質が削れてなくなっていると中村歯科で指摘を受けた方、
知覚過敏の症状がある方は酸蝕症の恐れがあります。

通常の食事では問題ありませんが、
レモン・酢の物・梅干し・炭酸飲料・スポーツ飲料・お酒・乳酸菌飲料などの後は
時間を空けてから歯磨きをしましょう。

食後は唾液の力で徐々にお口の中は中性に戻っていきますが、
それを手助けするために口をゆすいだり、お茶を飲んだりすることが効果的です。

中村歯科
03-3376-8777
http://knndc.com/
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