日本の湖の透明度は、有名な摩周湖が不動の1位。平成3年度に環境庁自然保護局が行なった第4回湖沼調査の透明度ランキングを紹介すると、BEST10は、いずれも東日本(長野以東)で、しかもすべての湖がカルデラ湖か堰止湖となっています。10ヶ所のうち、北海道が5ヶ所と、北海道の湖沼は原始性が保たれていることがわかります。
北海道「摩周湖」
口語短歌
「摩周湖は透明度高く日本一 自然に守られロマンチックも」
北海道川上郡弟子屈町(てしかがちょう)、清里町にある摩周カルデラのカルデラ湖が摩周湖。『霧の摩周湖』(昭和41年、作詞:水島哲、作曲:平尾昌晃、歌:布施明)のヒットにもあるように、霧に包まれることが多いので、「晴れた摩周湖を見ると晩婚」などという伝承も。日本一の透明度を誇り、北海道遺産にもなっています。
透明度の高さは、流入河川のないカルデラ湖で、周囲の外輪山の自然が守られていること。
またエゾシカも転落するという険しい内壁のため、湖面に触れることができないという環境が、透明度を守っているのです。
北海道「倶多楽湖」
口語短歌
「カルデラの湖畔に行けず神秘的 豊かな自然原生林も」
北海道白老町、登別温泉街の東に位置する、神秘的な湖が倶多楽湖(くったらこ)。周囲8kmのほぼ円形で、屈斜路湖や摩周湖ほどの規模はありませんが、倶多楽湖もカルデラ湖。湖の周囲は豊かな自然が保たれ、ミズナラやナナカマドが生育する登別原生林です。倶多楽湖ルート350レイクキャビン付近しか湖畔に近づけないため、神秘の湖と呼ばれています。
環境省の公共用水域水質測定では全国でもトップクラスの水質。透明度も摩周湖に次いで全国2位。明治43年に十和田湖や支笏湖からヒメマスが移植され、現在も養殖が続けられ、その姿を見かけることがあります。
青森県「赤沼(蔦の七沼)」
口語短歌
「ブナの森蔦の七つの赤沼は 訪れる人少なく静謐」
青森県十和田市、八甲田連峰の乗鞍岳(1449.9m)山麓のブナの森に眠るのが蔦の七沼(つたのななぬま)。蔦沼、鏡沼、月沼、ひょうたん沼、菅沼、赤沼の7つの沼の総称ですが、ひとつだけ北側に離れた沼が赤沼です。蔦の七沼周回の遊歩道から外れるため訪れる人の少ない秘沼ですが、実は透明度は日本第3位となっています。十和田樹海と呼ばれるブナが育む美しい湖水で、その神秘性は蔦の七沼随一です(人気の紅葉時に訪れる人もあまり多くはありません)。
北海道「支笏湖」
口語短歌
「雄大で不凍の景色支笏湖は 手つかず自然深さを誇る」
北海道千歳市にある巨大なカルデラ湖が支笏湖(しこつこ)。3万年前の激しい火山活動で、火山体が陥没して誕生したカルデラ湖。最大水深360mで、秋田県の田沢湖に次いで日本で2番目の深さを誇っています。周囲には手つかずの自然も残り、支笏洞爺国立公園に指定。冬でも結氷することがほとんどなく「日本最北の不凍湖」にもなっています。
参照
https://tabi-mag.jp/laketransparency-best10/
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