日本の湖の透明度は、有名な摩周湖が不動の1位。平成3年度に環境庁自然保護局が行なった第4回湖沼調査の透明度ランキングを紹介すると、BEST10は、いずれも東日本(長野以東)で、しかもすべての湖がカルデラ湖か堰止湖となっています。10ヶ所のうち、北海道が5ヶ所と、北海道の湖沼は原始性が保たれていることがわかります。
北海道「パンケトー」
口語短歌
「パンケトー北海道の形似て 太古の自然今も残るも」
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北海道釧路市、阿寒湖に隣接して、雄阿寒岳の山麓にある湖沼がパンケトー・ペンケトー。アイヌ語のパンケトー(panke-to=下の・湖)、ペンケトー(penke-to=上の・湖)に由来します(サロベツ原野にも同名の沼があります)。国道241号(阿寒横断道路)途中の双湖台から眺望できます。湖畔の林道は許可がないと入れません。
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双湖台からのペンケトー(北海道の形に見える)
長野県「大沼池(志賀高原)」
口語短歌
「大蛇の伝説残る大沼池 溶岩流に堰き止められて」
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長野県下高井郡山ノ内町、志賀高原最大の湖沼が大沼池(2番目が琵琶池)。渋池、四十八池と結ぶ「志賀高原池めぐりコース」(全長10.3km、徒歩3時間30分)のルート途中に位置しています。志賀山(2035.7m)の東、標高1694mに位置する水深26m、周囲5kmの湖沼で、志賀山の溶岩流で堰き止められて誕生したもの。
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大沼池の大蛇伝説
江戸時代末期、志賀高原の岩倉池に住む竜蛇が、領主・高梨氏の姫君に思いを寄せるが実らず、仕返しとして水害をもたらしたという伝承が記されています。竜蛇は、四十八池の水を使って高梨氏の一族を絶やしてしまおうとしますが、高梨氏に恩義を感じる地獄谷の山神は、その企てに気が付き、地獄の火で落ちてくる水を蒸発させてしまいます。これに気がついた竜蛇はあわてて水を戻すも、大沼池、琵琶池などにしか水が戻らなかったという話です。
群馬県「菅沼」
口語短歌
「菅沼は三つの沼が連結し 青き湖水は清く透明」
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群馬県片品村、丸沼と同じ白根山の溶岩流による堰き止め湖が菅沼(すがぬま)。標高1731m、清水沼、弁天沼、北岐沼という連結する3つの沼からなり、全体を総称して菅沼と呼ばれています。北岐沼が最も深く63m。金精道路の開通(昭和40年)以前は透明度が19mもありましたが、今は13.2m(関東では透明度第1位)。
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青森県「宇曽利山湖(宇曽利湖)」
口語短歌
「ウグイ住む恐山のカルデラ湖 酸性度強く希少な魚」
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青森県むつ市、下北半島の中央、立山、白山とともに日本三大霊場・恐山(おそれざん)にある湖が宇曽利山湖(宇曽利湖)。直径3kmの恐山カルデラのカルデラ湖で、成層火山の火山活動で、陥没した火口原に水が溜まったもの。宇曽利山湖(宇曽利湖)の湖畔では噴気孔や温泉が多く、地獄や賽の河原のような光景が展開することから、霊場が生まれたもの。
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実は、宇曽利山湖(宇曽利湖)のウグイ(恐山ウグイ)は、世界中の魚類の中で最も酸性度の強い湖に棲む魚なのです(南米・アマゾン川の支流・リオネグロにも酸性の水質に棲息する魚がいますが、湖では世界的に希少な例です)。初夏に宇曾利湖畔遊歩道を歩けば、川の遡上するウグイの姿を見ることができます。
参照
https://tabi-mag.jp/laketransparency-best10/