頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。
そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。
自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。
そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。
☆☆☆☆☆
譲二さんの愚痴(一護エピローグ3話)~その2
ハルたちと一緒にお御輿が帰って来るのを神社で待っている。
理人「マスター、なんでバケツとかひしゃくとかこんなに用意してるの?」
俺のアイデアを話すと百花ちゃんはちょっと慌てた。
百花「だ、大丈夫なんですか? みんなに水をかけるなんてっ!」
譲二「お御輿を神社に返して、お疲れ様ってタイミングでやるなら、おかしくないでしょ?みんなすごく汗かいて暑いだろうしさ」
春樹「悪くないアイディアだと俺も思うよ」
剛史「そうすれば、頭のハチマキをとって、水を拭うって作戦か」
理人「北風と太陽のお話みたいだね~」
用意したバケツに水を汲んで待っていると、ほどなくお御輿が神社の階段を上がってきた。
『わっしょい! わっしょい!』
剛史「へえ…一護のヤツ頑張ってんじゃん」
春樹「リュウ兄も格好いいね」
『わっしょーい!』
最後の掛け声でお御輿は無事に神社に帰ってきた。
譲二「皆さん、お疲れ様でした!」
剛史「おつかれっしたー!」
春樹「お疲れ様でした!」
理人「お疲れさまー!」
俺はお御輿を担いできたみんなにひしゃくで水をかけた。
火照った身体に冷たい水は心地よさそうだった。
竜蔵「さすが、ジョージ! 気がきくじゃねえか」
おじさんA「ここで水撒きとはありがたいねえ!」
おじさんB「こっちは汗だくだったからな! 気持ちいい!」
水を浴びたみんながハチマキをとって額や顔を拭い始める。
一護の様子を伺うと、同じようにハチマキをほどいていた。
そして、次の瞬間に目を丸くしている。
一護が百花ちゃんを見つけると、こちらに駆け寄ってくる。
やったね!
一護「百花!」
百花「は、はいっ!」
一護は百花ちゃんの手を引いて木陰に連れて行った。
もう大丈夫。
2人は見つめ合って何か話している。
しばらくして一護は慌ただしくみんなの後を追って走っていった。
その3へつづく